肩関節の挙上制限に対する考えかた 理学療法士
今回は肩関節の挙上制限に対するアプローチの考え方の工夫をお伝えします。
肩関節は挙上運動に伴い、肩峰下を骨頭が通過することが必要となります。
その上で下記の文献を参考にしたいと思います。
思っていたよりも浅い角度で接触していたように感じた方もいるかもしれません。
そして、挙上制限のある対象者のほとんどは「上手く通過できない」ということが起こっており、その場合には上記の角度の手前で必ず制限が起こり、求心位が取れていないことが予測されます。
うまく通過できていない状態で挙上をしても170〜180°上がることは難しいと思います。
このことを考えると挙上30〜40°でしっかりと骨頭に関節内運動ができる自由度の確保がとても重要であると考えています。
そして、骨頭の関節内運動が起こるためには関節窩の追従機能が担保されていることが必要であります。
挙上制限に対しての治療はまず挙上角度の浅い位置で骨頭と関節窩の相対的位置変化をとれることが結果的に可動域拡大に繋がると考えいます。
また、肩峰骨頭間距離は脊柱アライメントにも影響されます。
つまり、脊柱の運動制限が通過できない理由になることが考えられます。
そのため、下垂位での肩甲骨運動制限も肩関節運動制限に関与するので、必ず評価が必要となります。
このことから、肩関節を肩甲上腕関節への対応だけで治療することがいかに難しいことか理解することができます。
挙上制限を挙上位で治療する以外にも攻略する糸口があることが伝わればうれしく思います。
また、よりよい方法やあご意見がありましたらコメントしていただければと思います。
※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。