特徴的な歩容の原因は歩行分析で判断できるか 理学療法士
今回は、整形外科領域で診られる特徴的な歩容(ラテラルスラストやトレンデレンブルグ歩行、デュシェンヌ歩行)の原因は歩行分析だけでわかるのかについて私見をお話します。
結論、私自身の実力不足もあり、歩行分析だけで根本的な問題点はわかりません。
わかることとしては過剰に運動している部位と運動が停滞している部位の把握ぐらいです。
そのため、その次に立位や座位で抗重力下での四肢・体幹運動の特徴と歩行の問題が出ているフェーズの構成要素をすり合わせて、その後に従重力下でも同様の反応が起こるか確認することで初めて歩行と問題部位の繋がりの仮説を立てることができます。
例で挙げるとラテラルスラストは立脚時の膝関節外側動揺という現象ですが、膝内反運動や脛骨過外旋運動になる要素はたくさん挙げられると思います。
距骨の回旋制限、下腿の回旋制限、大腿の回旋制限、骨盤前傾制限、腰椎伸展・回旋・側屈制限、胸椎・頸椎の伸展・回旋・側屈制限など考えるとどこからでも荷重下で脛骨が結果的に過外旋位となる可能性を考えることができます。
さらに抗重力下では筋活動の影響もあるので内側広筋や体幹筋、大殿筋の筋出力は問題ないかなど、筋活動から考えても歩行分析だけではわからないことが多いと考えています。
だからこそ、重力を除去した環境で局所的な評価をすることで他動的に問題はないのか、自動運動の問題はないのか、他部位との連動はできているのかを知ることがとても重要であると考えます。
荷重下での動作も構成要素を理解し、運動を分解することでよりシンプルに精度の高い仮説-検証作業を行えるように感じています。
ぜひ、皆さんのご意見やアドバイスをいただければと思います。
※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?