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「抜釘手術」って本当に必要? 理学療法士

今回は抜釘の有無に関連する身体機能の変化についてまとめていきます。

抜釘手術とは骨折や靭帯再建術など手術時に使ったプレートやスクリュー、ワイヤー等を除去する手術であり、骨や靭帯などの安定性が獲得されたのちに実施することが多いです。

このプレートやスクリューなどは骨から飛び出している場合は骨の周りを覆う筋肉などの動きを制限する可能性があり、滑走障害や筋張力の変化に伴う筋出力の低下に関連すると思います。

筋肉の付着を考えると骨の長軸に平行して、起始停止をもつ筋肉は人体には存在しないため、筋肉が収縮するには3次元的な動きが必要なります。

そのため長軸方向の動きに併せて、横方向や斜め方向の動きが必要なり、そうした際にプレートやスクリューがあることで筋の滑走を制限したり、摩擦ストレスが多くなることで炎症等の疼痛に関連することが考えられます。

次に関節内の骨折である場合は関節に近い部分にスクリューやワイヤー等が存在することがあり、それ自体関節内運動の制限因子となることもあるように感じます。

関節内運動の把握したうえでレントゲンやCT画像所見と照らし合わせることが必要なります。

そのため、抜釘手術を医師と相談することを勧める場合はプレートやスクリュー周囲に滑走障害と疼痛が存在するケースや関節内にスクリューやワイヤーがかかっていて可動域の回復が不十分であるケースがあります。

もちろん、手術の有無は理学療法士が判断する部分ではありませんが、機能障害との関連性については私たちの専門性が生きる要素もあると思っているのでメリットとしてお伝えすることが良いと思います。

骨幹部骨折後などで関節内運動はスムーズであるが、創部以外で骨幹部の組織滑走が不十分である場合関節内骨折後で途中までは関節内運動がスムーズで急に関節内運動が止まり、エンドフィールが硬い感覚がある場合などはその症状を経時的に追い、関連性を判断することが必要であると思います。

ご意見ありましたらコメントしていただければと思います。

※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。


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