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浮腫は運動機能を低下させる要因? 理学療法士
今回は浮腫と運動器疾患対象者の身体機能の関係についてまとめていきます。
浮腫とは組織間に水分が過剰にたまっている状態のことであり、原因は心機能や腎機能など多岐にわたり、運動器系以外の要因も多くあります。
その中で、運動器領域では炎症後や筋機能低下などによって局所的に浮腫の症状がみられることがあります。
そして、浮腫が起こることで筋機能が低下することが報告されています。
その背景として、臨床上問題となりやすい関節原性筋抑制と組織間の滑走不全を理解することが重要であると考えています。
関節原性筋抑制
関節原性筋抑制とは関節内の炎症に伴い、水分が過剰となり、関節内圧が高まることや疼痛物質等の反応によりメカノレセプターが機能せず、適切な筋活動が行われないことを指します。
そうすることで筋出力低下や筋委縮に伴う筋力低下が二次的に起こることが考えられます。
そのため、炎症期を終えた後は循環改善のため、物理療法や圧迫処置、徒手療法、運動療法を行うことが重要となります。
特に筋活動は末梢の循環に対して、重要な役割を果たすため、炎症が再燃しないよう疼痛をコントロールしながら促すことが必要だと思います。
また、メカノレセプターに対しても感覚入力をする中で適切な求心性の情報を立ち上げる側面も考慮しなければならないと思います。
組織間の滑走性
皮膚と筋や骨膜の間には皮下組織があり、それらを皮膚靭帯が繋いでいます。
皮膚靭帯は適度な緩みを持ち、組織間の滑走に併せて緊張を作ります。
しかし、皮下組織が浮腫の状態になることで最初から皮膚靭帯が緊張し、組織間が滑走できなくなることで筋の張力が発揮できないことや可動域制限に影響し、筋出力低下やパフォーマンスの低下に繋がります。
そのため、物理療法や圧迫処置、徒手療法、運動療法で組織循環を促すことが重要となります。
創部周囲の浮腫や抗重力姿勢を取り続けた後の動きにくさなどの場面で影響していることが考えられ、評価としては皮膚をつまむことで遊び(滑走性)を診ることで把握できると思います。
浮腫は何かの原因があって起こるものであり、それを把握することがまずは一番大事であると考えます。
運動器以外の要因であることも考えられるため、既往や生活習慣なども聴取しながら、リスク管理をする必要があります。
そして、運動機能を考える場合には組織の動きにくさに加えて、メカノレセプターが適切に機能できているかという視点も必要であると思います。
ご意見ありましたらコメントしていただければと思います。
※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。