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ダニアレルギーの舌下療法(Désensibilisation)をスタート

2023年冬の渡仏以来、私を苦しませていたのが、アレルギー性鼻炎。
検査の結果、私はダニとシラカバ科の花粉にアレルギーがあることが判明。
2024年秋からダニの舌下療法(Désensibilisation)を始めたので、それまでの様子や診察、私の感じた効果などまとめてみようと思います。
フランス在住でもそうでなくても舌下療法に興味のある方の参考になれば嬉しいです。


何のアレルギー?

渡仏前のアレルギー症状


・花粉症
小学生の頃がピークで、なぜか成長と共にましになっていきました。
受診や検査はしなかったので、何のアレルギーかは不明。

・口腔アレルギー症候群
中学生の頃から、生のりんご・桃・さくらんぼ・梨・びわを食べると口の中が痒くなり、のどがイガイガする症状が出始めました。(バラ科の生の食べ物)
関連してアレルゲンの構造が似ているシラカバやハンノキなどのカバノキ科の花粉症も持っている可能性は高いものの、関西出身なので、馴染みのない植物としか思っていませんでした。(後に同じアレルギーを持つ同級生から、六甲山にシラカバが生えているらしいと教えてもらいました。花粉症はそれだったのかも?)

・軽いハウスダストアレルギー?
掃除をしていると、たまに目が痒くなったりくしゃみが出るなどのアレルギー症状が出ることがありました。

渡仏後のアレルギー症状

・家の中の何かに反応して、年中酷い鼻炎、目の痒み
  →ハウスダストの何に反応しているか不明

渡仏後、夫が住んでいたアパートに私が加わる形で生活を始めたのですが、一人で家にいることが多いのでまず部屋の大掃除に取り掛かりました。
最初はその時のほこりのせいかと思っていたアレルギー症状(鼻炎・目の痒み)がいつまで経っても治らず。
考えられる原因は二つ。
一つは窓側の壁にびっしり生えたカビ。
もう一つは、私たちの住んでいる部屋はフランスでは主流の家具付きアパートなので、大家さんのものであろう古いソファやベッドに潜む、ダニ・ノミなどのハウスダスト。
自分たちでできる限りの掃除をしますが、アレルギー症状は大きく変わることはありませんでした。

かかりつけ医の元へ

鼻が詰まって夜寝られない日が続いたので、かかりつけのお医者さん(Généraliste)で相談をすると、アレルギー症状を抑える飲み薬と鼻スプレーを処方されました。
効き目としては無いよりは良いかなといった感じ。
その薬で騙し騙し1年ほど過ごしました。

しかしやはりしんどいアレルギー症状。
かかりつけ医にアレルギーの原因物質を知りたいと言うと、ラボで採血とそのアレルギー反応を見る検査の処方箋を出されました。
検査結果は、「ダニ・花粉・カビ・動物の毛など」にアレルギーがあるというとても大雑把なもの!笑
その中のどれなのかが知りたかったんだけどなあ…
しかも他に「バナナ・キウイ」「セロリ・ニンニク」「卵白」など全く身に覚えのない物質にも反応しているとの結果に…
自覚のある生のバラ科の果物はランクインしていませんでした。
その意味不明な結果を持って、再びかかりつけ医の元へ行き、「花粉やダニなど、どれが反応しているのか、また何の花粉なのかを知りたい」と言うと、またラボでの検査の書類を渡されました。
ラボに行くと「この書類では何の検査もできない、Généralisteではなく、アレルギー専門のお医者さんに行きなさい、そこでパッチテストをしてくれるから」と受付のお姉さんに言われて帰されました。
無意味だった書類と検査に払った結構なお金を考えて、一気にやる気がなくなりまたしばらく放置。
更にアレルギー科の先生はSpécialisteなので、受診するとなるとかかりつけ医の紹介状がないといけないのでは?となり、未経験のことは億劫になる私、、

かかりつけ医にアレルギー科への紹介状を書いてもらう

それからある日、友達のフランス人とアレルギーの話になりその状況を相談すると、「かかりつけ医 (Généraliste) に "Un bilan allergologique" をしたいと言ったら、普通はアレルギー科に紹介状を書いてくれるはず。専門医の診察を受けたいとは言わなくて良いよ。」とアドバイスをもらいました。
早速Généralisteに「前に出してもらった書類、ラボでは受け付けてもらえませんでした。それでUn bilan allergologiqueをしたいんですが…」と言うと
「本当?おかしいなあ… そしてUn bilan allergologiqueは私ではできないよ?」
「だからアレルギー科への紹介状を書いて欲しいのです」と心の中で訴えつつ、「そうなんですか〜」と答えていると、「このアレルギー科にすごく良い先生がいるから。でも予約が数ヶ月先まで埋まってるかもしれない。」と紹介状を書いてくれました。

アレルギー科の専門医の元へ

やっと原因判明!

2024年秋、その紹介状を持って、本当に奇跡的に取れた予約の日にお医者さんの元へ。
60代ぐらいの明るい女性の先生で、私にも分かりやすいように専門用語は噛み砕いて説明してくれる良い先生でした。
そこで過去の経験上疑わしいアレルギー物質を伝えると、その場ですぐにパッチテストをしてくれました。
両腕の皮膚の薄いところに小さく傷をつけて、そこにアレルゲンの入った液体を数滴ずつ垂らします。
傷をつけるのもそんなに痛くなく、その後のアレルギー反応が出る箇所の痒みの方が強烈でした。
私は10種類ほどのアレルゲンの検査をしました。
その結果、ダニ2種類とシラカバ・ハンノキの花粉にアレルギーがあると分かり、疑っていたカビや動物の毛は反応無しでした。

その結果を踏まえて、今までと同じく処方された薬で我慢するか、もしくは舌下療法(Désensibilisation)という治療法もあるよと教えてもらいました。
ただ昔は同時に2種類の物質に対する治療もできていたけれど、今は一度にできるのは1種類だけ、私の場合はダニかシラカバ系花粉かどちらか選ばないといけないとのこと。
年中苦しんでいるダニか、春にダブルパンチをかましてくる花粉か、、
またダニならいつでも良いけど、花粉の場合は、花粉が飛び始める前(ちょうど受診のタイミング)ぐらいから治療を開始しないといけないそうです。
少し迷いましたが、何より年中の鼻炎が本当に辛かったので、ダニの舌下療法をすることにしました。
先生も「今目の前でもこんなに鼻炎の症状があるなら、ダニの舌下療法をするのは良い選択かもね」と言っていました。
「ただこの治療は絶対ではないから、家に帰ってゆっくり考えて良いのよ、もし舌下療法をするなら次回予約の時までにこれを注文して持ってきて」と舌下療法の薬の処方箋(注文票)を渡されました。
そして「通常は2〜3年継続する治療だけど、別に途中でやめても構わないものだから、まあ気軽にね」とゆる〜く言ってくれました。

フランスでの舌下療法はこんな感じ

先ほど注文表と書きましたが、フランス全土なのか分かりませんが私の場合は、この舌下療法を始める際に使う製品は薬局ではなくALKという機関に注文をして配達してもらう必要があります。
内容はお医者さんが書いてくれているので、その用紙と配達料の小切手(初めて使った!)もしくはカード情報、個人情報を入れて送ると、1ヶ月以内に冷蔵状態で注文したものが配達されます。
中には液体の入った小瓶が20個ぐらいと計量スポイト、持ち運び用保冷バッグ、砂時計などが入っていました。


瓶に入った液体が、ダニの抽出液(あまり想像したくない)です。
この抽出液の最初の摂取はお医者さんの観察下でないといけないようで、小瓶とスポイトを持ってお医者さんへ行き、諸々の説明を受けて安心して治療を始められました。
液体をスポイトで舌の下に垂らして2分間口を開かずそのまま、2分経ってから飲み込むというのが流れです。
1日1回毎日、時間はいつでも大丈夫です。
始めは体に段々慣らしていくため、表に従って2mlずつなど量や濃度を増やしていきます。
それで口の中に痒みなど感じたら、翌日はその痒みを感じる前の日の量に戻って、そこからまた増やしていくという、3歩進んで2歩下がるような地道な治療です。
週末の旅行ぐらいの1〜2日なら摂取しなくても大した問題じゃないから大丈夫よと言われたので、風邪やインフルで体調が悪い時、喉が痛い時は最長2日お休みしました。
10月から始めて、何度か舌や唇がびりびりしたり、痒くなったりして2日前に戻るというのを繰り返して、今はマックスの量を毎日摂取しています。

始めて4ヶ月、舌下療法の効果は?

現在、治療を始めて4ヶ月ほど。
効果が少しずつ出てきたように感じます!!
去年の状態を思い出しても大違いで、とても楽になりました!

例えば
・家の中では常に鼻水・鼻詰まり→少しの鼻水
・起床時は鼻水とくしゃみ連発、鼻が詰まって朝食の味が分からない
  →くしゃみと鼻水は出るけれど、量が減り、朝食の味も分かるように
・外出しても座ると鼻水・鼻詰まり→ほぼ無し
というように既に鼻炎の症状が軽くなってきました。
ティッシュの消費量も減って、鼻の下が荒れていたのもかなり治りました!
ただカーテンや布団などの洗濯と、床の拭き掃除からの掃除機も前より頻繁にしているので、その効果もあるかもしれません。
それでもここまでアレルギー症状の軽い状態は渡仏以降なかったので、舌下療法の効果が多少なりともあると信じたいです。

今後の治療方針

そして2〜3年続く舌下療法には要冷蔵の液体は持ち運びが非常に不便なので、この液体での入門編が終わったら薬局で買える常温保存の錠剤があるからそちらに移行するのも良いわよと言われました。
ただ保険適用かはMutuelleによるので、薬局で聞いてみなさいとのこと。
例えば学生の入れるMutuelleだと保険の対象が少ないので、カバーされないこともあるかもしれないそうです。
保険でカバーされないようだったら、液体(こちらはMutuelle 関係なく保険適用)で治療を続けましょうと、とても寄り添って治療を進めてくれる先生で更に安心でした。
薬局で聞くと、私のMutuelleだとダニアレルギーは保険対象らしいので、液体がなくなり次第、錠剤に移行予定です。(物質によっては保険対象外のものもあるのかも)

かかる費用は?

保険適用内で自己負担0でした!

ここまでの舌下療法の抽出液、今後使う錠剤、そしてこのアレルギー科のお医者さんがセクター1のお医者さんなので、診察料や検査など、全てセキュとMutuelleでカバーされて、なんと自己負担0です!素晴らしすぎる!
無意味だった血液検査が悔やまれますが、フランスの医療保険制度に大感謝です。
そして丁寧で優しい先生に出会えたこともラッキーでした。

役に立ったり立たなかったりなその他対策

・フランス国内で現在飛んでいる花粉の種類と量をチェックできるサイト
 自分の住んでいる地域を選択すると、どの植物の花粉が飛んで、どれぐらいアレルギー注意かレベルを知ることができます。

・アレルギー用鼻うがい(こちらでは鼻スプレーに近い) : 若干効いた?
・ユーカリオイルをお湯に垂らして吸い込む : あまり効果感じられず
・軽い副鼻腔炎になったと感じた時、薬局でそれに効く薬として渡された、ユーカリオイルなどが入った少し大きめのカプセルぽい薬 : 効きました!薬局で処方箋無しでも買える薬で楽になるなら、酷くなる前に試してみるのはあり!
(どの薬だったか記録していなくて分からずすみません)

近々、錠剤の第一回目の摂取のため、またお医者さんへ行きます。
またしばらく経ってから感じた効果など書こうと思います。
これから春、花粉の季節がやってきますが頑張りましょう〜

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