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アニメ『負けヒロインが多すぎる!』 小鞠知花の告白に心を打たれた理由

アニメ第三話における小鞠知花の告白シーンについて。


前提

小鞠知花(こまり・ちか)は自己肯定感が低く、いつもオドオドしていて、すぐどもる。そのうえクラスに友達がいないため便所飯を余儀なくされたりと、絵に描いたようなスクールカースト底辺ライフを送る陰キャだ。

そんないつも感情を押し殺している彼女が、「好き」の感情を抑えきれなくなって思わず告白する姿に心を打たれた。告白相手は、唯一の居場所とも言える文芸部を取り仕きる部長。

結論

特筆すべきポイントは、告白する直前に涙を流していること。普段はうつむきがちな小鞠知花が相手をまっすぐに見据えて一筋の涙を流し、こぶしをぐっと握って自分を鼓舞する。思いもよらない展開のすえに訪れた、衝動まかせの告白。

もし、涙が告白中や告白直後に流されたものであれば、緊張か、恥ずかしさか、あるいは緊張状態からの解放などによるものが大きい印象を受ける。

一方、告白直前に流したこの涙は「どうしようもなく好き」という想いが制御できずにあふれだしたものに感じた。自分のような存在を気にかけてくれる部長を前に、言葉よりも先に結晶した涙。その涙が一筋、頬を伝っているのが美しい。息を呑んで応援してしまった。

加えて、告白の瞬間はどもっていないところも良い。普段は他人の目を気にして縮こまっているけれど、自分の想いを本気で伝えようとしたとき、どもらなくなる。積り積もった想いと覚悟を感じる。

これらの良さをさらに引き立てるのが、小鞠知花にとって部長は唯一の深い親交がある人物だという点(唯一と書いたのは、副部長の月之木古都は恋のライバルだから)。

友達がいないため、必然的に部長に寄りかかる比重が大きい。その一本の糸を絶たれたら、どこにも行き場がなくなる。

だからこそ似た境遇(?)にある引きこもりニートの俺が共感し、応援したくなる。

と、ここまで書いておいてなんだけど、小鞠知花って振られたのち主人公に恋するんよな……?(このテーマとこのノリのラノベでヒロインが主人公に恋しなかったら神すぎる)

その事実が嫌すぎるのもあって、放送終了後の現在も五話以降を観てない。正確に言うと観れてない。面白いのに観るの止めたアニメなんて初めて。

あの涙を流した小鞠知花がほかの男に恋する光景なんて見たくないよ。こんなもん精神的NTRやろ!

「振られても一途でいて欲しい」と思うのはわがままが過ぎるか?

でもなー。

部長のことを引きずったまま日陰で一生を終えて欲しい……と身勝手にも思ってしまう。

もちろん、いちばんは部長との恋がかなう未来だけどね。

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