映画「まる」
映画「まる」を見てきた。とても良い映画だった。
この映画の題名から、私は昔NHKで見た榊莫山先生の「まる」を思い出した。そして、検索してみたのだが画面越しに当時の私の心をつかんだあの榊莫山先生の「まる」は探せなかった。残念だ。
映画「まる」に戻ろう。この映画には伏線としての「〇」が多々出てきて、スクリーンの中のそれを見たり探したり、面白かった。
かなり上から目線になるが、あらすじを先に読んだ為、想像どおりの結末になったのだが、それでも私には素晴らしく飽きない映画だった。
まだ上映中なので深く触れないように。感想等を少し。
その1
「まる」は「〇」でも、「たかが〇、されど〇である」。
私も莫山先生の〇を見た時、私にも書けるよ~とテレビに向かって笑った。しかし、違うのだ。
莫山先生の「〇」は先生の「〇」であり、何ものにも代え難いたった一つの「〇」なのである。
だから、映画の中の偽物〇がメルカリなどで売れないのだ。また欲がでた主人公さわだくんの〇も×なのだ。
主人公さわだくんの〇はあの時、あの状況で書かれた〇だからこその〇であり、価値ある「〇」になったと思う。
その2
そんな「〇」も富裕層の金儲けビジネスで歪んで行く。ただ、一途に好きで描き続けている、それを富裕層の金儲け、SNSなどでバグるという一過性の現象に巻き込まれるなど。そんな社会の一部をこの映画で垣間見ることが出来る。また、映画最初の方でコンビニで働く外国人をからかう日本人若者の事なども社会問題だがここでは控える。
その3
最後に主人公が遠くに行ってしまうが、エンディング曲の後、無声のスクリーンに主人公が映画の中で見せてくれなかったその後の絵だろう。
その絵が出てきた。
そこ、そこだ!映画終わったと思って直ぐに席を立つべきでないと。映画の中で語られない描かれない続きが観客の私たちへの想像というお土産。最高に素敵なプレゼントだ。
小林聡美さんが出てるのに。監督が…私が好きな「めがね」や「かもめ食堂」の荻上直子さんだった。気づくの遅かった…
「素敵な作品。まるをありがとうございます。」