![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/167604596/rectangle_large_type_2_95a1db27fae41563cbe27fd494ead93d.png?width=1200)
3,000社を支える会社があえて“受注枠を半減”させる理由
先日とある代行サービスを解約しました。納期遅延やクオリティの粗さに不満が募り、耐えかねたためです。そこでハッとしたのは「自分たちも顧客に同じ不満を与えてないか?」という疑念でした。実際、弊社は現時点で3,000を超える企業と個人事業主のWebサイトと集客支援を代行しており、1日当たりのチャット数は1,000件以上。アポイントも30件、電話も50件以上鳴る毎日。
このボリュームを日々やり取りする中で、
“顧客にストレスなく価値を届けられているのか”
改めて考え直す必要があると痛感したのです。
私たちのサービスは基本サブスクモデルを採用しています。
たとえば、制作費無料・月額9,800円~19,800円でホームページ制作~運用まで代行するサービス。金額だけ見れば「安い」と言われる領域かもしれません。ただ、“安い”を理由に質を落としていいわけがない。むしろ、大AI時代・グローバル時代において、誰もが手の届く価格で圧倒的な品質とサポートを提供できるからこそ価値がある。そこに私たちの存在価値があるし、生存戦略でもある。
正直、今年に入ってからは毎月の解約率が2%を下回っていたこともあり、どこか「大きな問題ない」と慢心していました。ただ実際に、日々のチャットや電話を私が対応し、実際の顧客の声を拾ってみると
「レスが遅い」「修正にミスがある」「意図をくみ取ってくれない」
など、私自身が外注先で感じたストレスと同じような声が挙がっていました。たとえ98%の方に契約を継続いただいていたとしても、そのご契約者の中には明確に“私たちの対応にストレスを感じている人”がいる。この現実に、自分への情けなさと憤りを感じました。
新規契約数は毎月うなぎ上り、社内にはリーダー人材も増え、私は現場の実務から離れ、大きな絵を描こうと奔走していました。
ただ、直近の状況を踏まえ
「グラグラの土台しか作れていないのに、何を大きなことを言っているんだ」と猛省。この年末の2週間、私は現場に入り込み、顧客対応のリアルに目を凝らし、不満を訴える顧客には直接電話でお詫びとヒアリングを実施。社内体制とオペレーションを再構築する方針を固めました。
その方針の一つとして、新年1月は受注枠数を半分に絞ります。
これはマーケティング戦略でも、見せかけの希少性を演出するためでもありません。まずは今いる顧客に心から満足いただける環境を整え、私たちの“本来の価値”を届けるための決断です。
会社が伸び悩むと「どうすればうまくいくのか」と頭を抱え、いざ伸びてくると「内外の歪みをどう正すか」で試行錯誤する日々。ただ、この苦悩の先で手にする喜びの大きさを知っているからこそ、私はこの現実に格闘できます。楽しみたいとすら思っています。
経営者としてのプライドとかキレイごとは脇に置いて、サービス品質を徹底的に見直し、顧客が腹の底から満足できる価値を届ける。そこにもう一度全力で挑戦する。そのためにしゃがむのは恥ずかしくもなんともない。逆にこの一歩後退が、次に数十歩分の前進へつながる。私はそう信じています。