目的を見誤ると、失敗する
「一生懸命練習しているけど、試合になるとうまくいかない」
「頑張って仕事しているんだけど、どうも要領が悪い」
こんな悩みを抱えていないでしょうか?
またこのように負のスパイラルに陥っている人が周囲にいるのではないでしょうか?
なぜこのようなことがなってしまうかというと、「目的」と「手段」を混同しているからです。
目的が何なのか、それを達成するためにどのような手段を取ればいいのかがわからなくなっているために起きています。
そしてうまくいかないので、イライラしてしまったり、落ち込んで自信喪失してしまう。
ただこのようなことは誰にでも起こりうることです。
あの湘北高校スーパールーキーの流川君でさえ、知らず知らずのうちにこの負のスパイラルに陥っていました。
そんな流川君に的確なアドバイスを送ったのが、ライバルである陵南高校仙道君でした。
今日はこの二人のやり取りから、「目的」と「手段」の使い分けを見ていきます。
大事なことは、チームの勝利
インターハイ予選終了後にアメリカ行きの想いを伝えた流川君は、安西先生から反対されます。
そして衝撃の一言を浴びせられます。
安西:君は まだ仙道君に及ばない
【SLUM DANK新装再編版14巻P44】
チームは勝利し、自身も何本も仙道君から得点を奪いました。
ディフェンスも頑張って、仙道君の得点も防いでいるでしょう。
それだけに流川君にとって、この言葉は響きました。
納得のいかない流川君は、インターハイ本戦前に、一人仙道君に1対1の勝負を挑みます。
二人の勝負は決着がつかず、引き分けになりました。
そしてここでも、仙道君が決定的な言葉を言います。
仙道:お前は試合の時も1対1の時もプレイが同じだな・・・・・・・・・
流川:・・・・・・・・・・・・?
仙道:1対1のトーナメントでもあれば お前に勝てる奴はそういないだろう
でも実際の試合でも お前を止められないかと言ったら・・・・・・
そうでもない
お前は その才能を生かしきれてねえ
流川:なに・・・・・・!
(中略)
仙道:1対1もオフェンスの選択肢の一つにすぎねえ
それがわからねえうちは
おめーには負ける気がしねえー
【SLUM DANK新装再編版19巻P116〜P120】
流川君も自分勝手にプレーしているわけではありません。
チームの勝利のために頑張っています。
おそらく流川君は中学生の時から、自分がチームの中で一番うまい選手だったのでしょう。
自分が得点する→チームの勝利
このような環境だったのでしょう。
だからこそ1対1にこだわった、パスをほとんどしないプレースタイルになっていったことが想像できます。
それに対して仙道君は、1対1のプレーも楽しみつつガンガン得点する時もあれば、状況に応じてパスしたりするなどアシスト役もこなします。
流川君・・・目的も手段も一緒になっている。「自分が1対1で得点する」ことにこだわっている
仙道君・・・目的はチームの勝利、手段として1対1のプレーがある
外から見てると同じ1対1のプレーであっても、目的が全く違っているのです。
目的が先に来て、手段が後についてくる
自社をとりまく戦況分析を進めながら、最初にすべきことは目的の設定です。この目的如何によっては、その後の目標も戦略も戦術も全てが変わってきてしまいます。目的が適切であることの重要性は、いくら強調してもし過ぎることはありません。
【〈USJを変えた、たった1つの考え方〉より】
ビジネスであれ、スポーツであれ、また私生活においても目的はとても大事なことです。
ダイエットを例にします。
ダイエットをするための手段は、世の中に無数に存在します。
◉野菜をメインに食べる
◉サプリメントを摂る
◉毎日ランニングをする
◉ジムに通う
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数え出したらきりがありません。
ただどれをやっても長続きせず、またせっかく体重を落としても、また元に戻ってしまうことはよくあります。
さらに悪いことに、前より体重が増えてしまうことだって起きてしまうこともよくあります。
こんな時こそ、「なぜダイエットするのか」「ダイエットしてどうなりたいのか」の目的の出番です。
○いつまでも健康を維持して、趣味である山登りをしたい
○彼氏が欲しい
○お気に入りのズボンをまた履けるようになりたい
○いつまでも美人と友達に思われたい
これらの目的が達成できるなら、ダイエットは手段になってくるのです。
「いつまでも美人と友達に思われたい」という目的を達成できるなら、少しくらい太っていても問題ないはずです。
それよりも「笑顔を磨いたり、明るく振舞う」という手段の方がよほど重要です。
目的がしっかりしていれば、手段はいくらでも出てくるのです。
味方を生かすことで、自分自身を生かす
流川君もインターハイ2回戦の山王工業戦で、相手チームの沢北君に手も足も出ない状態になりました。
今までは1対1でも何とかなってきました。
しかし、あまりにもレベルの高い相手に流川君でさえどうしようもなくなってしまいました。
流川君が今まで通り、手段である1対1に拘っていたとすれば、湘北は確実に負けていました。
しかし、ここで流川君はパスを出すことを選択します。
パスを出すことで、味方の良さを引き出すことにしたのです。
そうして沢北君の判断力を鈍らせてから、1対1の勝負に持ってきます。
すると、あの沢北君相手にでもドリブルで抜けるようになったのです。
味方を生かすことで、自分自身を生かすことを覚えたのでした。
湘北高校のもう一つのライバル校である海南大附属の清田君の呟きが全てを語っています。
清田:(あいつめ いつの間にパスなんか覚えた・・・
流川といい 桜木といい
こいつら・・・
どんどん変わっていきやがる・・・!)
【SLUM DANK新装再編版19巻P189】
私達の身の回りは情報で溢れています。
しかし、その情報は手段なのです。
手段に捉われていると、迷走してしまいます。
残念なことに、目的は誰も教えてくれません。
だからこそ、しっかりとした自分自身の目的を知ることが大事なのです。
目的がしっかりしたなら、手段(情報)に振り回されることが無くなるのです。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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