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五感で味わう日本の秋 – 和菓子が伝える美と宇宙

秋が、紅葉が、池に浮いて、その水面には紅葉の葉が映っています。

この和菓子を創られたのは、ゆるりとさん。能登半島復興支援商品の和菓子
「七色の琥珀糖」を作ってくれている女将です。

五つの生菓子から選びました。

どれも可愛いかったけれど、艶艶のツルツルの「紅葉の池」(勝手に名付けています)を選びました。
冷たそうな水と鮮やかな紅葉に、日本の四季を感じたからです。

紅葉の池

千利休は言いました。
「茶碗の中に宇宙を見た!」と。

あんなに小さな茶碗の中に広がる宇宙って、何が見えたのでしょう。
空海も室戸岬で、目の横に金星があったと言われました。明けの明星です。

人間の考え方、見方、生き方次第で宇宙はこんなにも近くに感じるのでしょうか。目を閉じ無心になる。心が和らぎ鎮まると、自然界と繋がり宇宙が近くなる。
千利休は、茶碗が宇宙ですから自分が小さくなり、空海は、金星が顔の横にあったのですから、自分が大きく拡大した。

そう考えると、人間はあらゆるものになれるという事だと思うのです。
もはや、飾り立てる事もなく、見た目の美しさにもこだわる事はない。
無駄だと思う物を削ぎ落としていく美学。それは、宇宙創生の姿なのかもしれません。

勿体なくて箸をおろしたくなかった「紅葉の池」を口に含むと、紅葉の味と、冷たいよって言っている声が聞こえてくるようでした。微笑む私です。

茶道の嗜みは、表裏の両方習いました。一服の茶を点て相手が飲む。そして、その茶碗の中を見つめて返す。その繰り返しです。
子どもの頃は分からなかったけれど、今、お茶席の一服で感じるものは、人と人との交流が、無限に広がる宇宙のエネルギーになるのかもしれないという事です。

美味しい秋の季節を味わいました。

安土桃山時代の茶人・千利休は現代に至る茶道を大成し、天下一の茶聖(ちゃせい)と呼ばれた。美意識と融合した自然観を茶室と樂茶碗(らくちゃわん)という具体的な形で表現しようとした利休は、時代を超えた日本美の革命家と言えるだろう


七色の琥珀糖

#人間は何にでもなれる
#茶碗の中に宇宙を見た
#無限に広がる宇宙のエネルギー

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