エリザベス女王の遺した物~3つの名言とともに~
2022/9/20 "秋の彼岸入"
みなさんこんにちは。今ちょうど昼休みにこの筆を取っています。
本日は彼岸入りの日。本格的に秋の到来を感じますね。
さて、報道にもある通り先日エリザベス二世が96年の人生に幕を閉じました。改めてご冥福をお祈りいたします。
昨日イギリスでは国葬が行われ、イギリスのみならず世界全体までもが深い追悼の意に包まれその喪に服しました。
在位期間はなんと70年。これはイギリス史上でも歴代最長の在位。
日本では歴代最長の昭和天皇でさえ62年間だったことを考えると相当な期間の在位だったことが伺えます。
とはいっても「実際にエリザベス女王ってどんな人だったの?」と日本ではあまり知られていないし馴染みがないかと思います。
私もたまにニュースで見る程度でそこまでエリザベス女王やイギリス王室に造詣が深いわけでもありません。
とは言え、世界規模でこの崩御が大トピックとして報じられていること、70年も支持されていた統治者であったことから、
「どれだけの人間力を持っていた方だったのだろうか」という自然な興味を抱き、今回筆を取りました。
そこで今回は彼女の人生において各場面で残した、3つの名言から彼女の生き様や価値観・リーダーシップについて紐解いていきたいと思います。
①「明日の世界をより良く、より幸せにするのは、今の私たち」
時は1940年、第二次世界大戦の最中。
全世界が戦争に向かっていく不安と恐怖に迫られているときに、彼女は公共放送のラジオにて声明を残しました。
妹のマーガレット王女とともに当時のイギリス公共放送にて発表したこの声明。
そこからはあくまで政治家・国家元首のみならず、全員でこの全世界を良くしようとするリーダーとしての指針が伝わってきます。
あくまでこの戦争のことだけを考えるのでなく、終結した先の「平和」に主軸を置いてお話されていることがとても印象的に見えます。
明日どうなるか分からないという状況において、エリザベス女王のこの声明は僅かながら「希望の灯」として全国民を勇気付けるきっかけになったのではと思います。
②「成功は、私たち一人ひとりのもの」
2020年4月、コロナ渦によるロックダウン3週間目にして声明発表したときのスピーチ。
未曾有のウイルス危機にさらされた全世界で、一国の統治者はまたしても「灯」として全世界にメッセージを投げ与えました。
このメッセージを読んだとき、第一印象としてメッセージの主語が「あなた」「あなたたち」等でなく「私たち」で統一していたのがとても印象的でした。
決して上から目線・他人事で終わらせず、自分自身含めて皆で世界を良くしようとするその意志。
女王としての高貴さを持ちながら決して市民目線を忘れないそのリーダーシップがあったからこそ、
このようなメッセージを投げ与えることができたのではないかと思います。
メディアが挙って不安や恐怖を煽るような報道ばかり成され、明日どうなるのかわからないカオスな状況になっていたこの当時、
この国家元首のメッセージに多くのイギリス国民・全世界市民が勇気付けられ、前を向くようになったのではないでしょうか。
③「私の全生涯を、長いか短いかにかかわらず、皆さんのために捧げることを宣言します」
1952年の即位式にエリザベス女王が発表したメッセージ。
その言葉のとおり、女王がこれから全人生かけて国家元首としての職務を全うしようと決意した使命感がダイレクトに伝わります。
また、即位25周年という節目でも彼女は記念演説として「全生涯を国民のためにささげること」を誓っています。まさに女王としての高貴さと誇りを感じるとともに、全人生を何かに投げ打つ芯の強さと美しさを物凄く感じます。
最後に
エリザベス女王は幼い頃から自分が王位を継ぐことを強く意識していたようで、父親からも未来の女王として役割を果たせるよう多くのことを勉強しては経験していたようです。
その幼少期の経験が大きかったのか、1940年代の第二次世界大戦から2020年代のコロナパンデミック時代まで実に70年もの間イギリスを統治し、その影響はイギリスのみならず世界全体にもその彼女の生き様とリーダーシップが及ぶところになりました。
3つのメッセージから感じ取れたのは「自分が世界のリーダーとして全うする使命感」。
自身が女王としての責任を果たすという運命を受け入れ、またその人生を進もうと完全に決意したからこそ、
このような国家元首としての力強いリーダー力を発揮でき広く愛されてきたのではないかと思います。
実際にイギリスに行くとポンド紙幣にはエリザベス女王の肖像画が描かれており、2012年のロンドン五輪ではジェームスポンドと共演しパフォーマンスをしています。
それほどまでにイギリス国民や文化経済には幅広く親しまれている存在。
決して孤高の存在というだけでなく市民に広く馴染み支持されてきた人間性と器があったことも、70年間君臨しその職務と責任を果たすことができた理由ではないでしょうか。
改めてご冥福をお祈りするとともに、
全人生かけて果たしたいものは何か、筋を通す人生とは何かを考えさせられ、誇り高く自分も生きていきたいと考えさせられたきっかけにもなりました。
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