第44回 『文化心理学』から勝手に考察するジャニーズ問題①by心理士の卵
まず、『文化心理学』の基本的な考え方について書かせていただきます。心理学の実証研究を通して”心の文化差”を明らかにし、「心」と「文化」が相互に影響し合うプロセスについて検討する心理学の分野ですが、「文化」の単位と言っても色々ありますよね。例えば国や地域、職業、社会階層、宗教などなど。今回は、日本を含む東アジア地域とヨーロッパ地域、西洋・欧米における文化差から考察してみたいと思います。
それでは、私たち現代日本人の思考ぐせやメンタリティーについて考えてみましょう。よく言われる特性の中で、日本と欧米系との差が大きいと思われるものをあげてみました。以下は私たち日本人について⤵
●自己表現・自己主張が苦手 ⇨ 争いを好まない、温厚、謙虚
●周りの目を気にする ⇨ 集団行動が多い、他人と自分を比較しがち、気を使う、本音と建前が存在し裏表がある
●我慢強い ⇨ 犠牲的精神や武士道の美学
●(実は)プライドが高い ⇨ ブランドやトレンドが好き、男性に関してはレディーファーストの考えを持たない、完璧主義
などですかね。
加えて真面目さや勤勉さ、苦労してしんどい思いをして、がんばって、がんばって、がんばった先に幸せがあるという価値観。いえいえ、これは逆を返せば、そうしていない人は幸せになってはいけないと言っているような気がしませんか。そんな風に感じるのは私だけでしょうか。そしてつらく悲しい思いをした人の方が、幸せになるべきである…みたいなね。
そしてこの思考から生まれるのが、結局は嫉妬であるわけです。ハングリー精神は、実は嫉妬の裏返しですよね。そして日本では、強いハングリー精神から成りあがった人を称賛するきらいがありますが、実際、そのような人が成功者となったことをドラマ仕立てにして、すごい！すごい！と周りの人が褒める。
しかし、本当にその人は幸せになったのかということ。
他人から見れば経済的、社会的には成功し、幸せになったように見えるかも知れません。でもその人の心は、本当に幸せになれたのかどうか。
人間は生まれ育った環境と、それぞれの発達段階で周りにいた人々から大きな影響を受けます。そうして形成されたパーソナリティーによって、幸せの形は千差万別です。自分が思う幸せと他人が思う幸せはもちろん違いますし、その人を見て幸せなのかどうかと判断する基準も、まったく違うわけです。
有名になって華やかな世界で活躍することを幸せと感じる人もいれば、そうではないと感じる人もいる。芸能人になることは成功であり、すごい！かっこいい！と思っていて、世の中の人も又、自分と同じように、有名になること、多くの人に知られることは幸せなことと信じているのではないでしょうか。特に日本人は有名人に弱い！ハリウッドスターなどは、とても日本が好きですよね。それは日本人が彼らを神の様に崇め、他の国以上に超特別待遇で迎え、饗すからです。
日本人には“Respect”がある？いやいやその裏には“Respect”の真逆の思想に当たる、日本人が持つ強い差別的感情が存在しています。
男尊女卑
人種差別
年功序列
同和問題
職業差別
などなど。
実はこの日本独特の文化背景が、今回の問題に大きく影響していると私は考えています。以前にアメブロでジャニーズ問題を勝手に考察していますが、この時は違う角度からの分析と考察をしています。
よろしかったら、ぜひ読んでみてくださいね。
次回に続く。
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