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第33回 日本人は本当にSDGsの実現を望んでいるのか…『文化心理学』から考察してみる

 2015年9月に国連での採択を受けて、日本でもSDGsが声高らかに叫ばれるようになりましたね。SDGsとは、今さらですが“Sustainable Development Goals”持続可能な開発目標の略称です。これは国連加盟193か国が、2016年から2030年までの15年間で達成するために掲げた17の大きな目標と、169のターゲットで構成されています。

その中には「貧困をなくそう」、「質の高い教育をみんなに」、「飢餓をゼロに」、「ジェンダー平等を実現しよう」、「すべての人に健康と福祉を」、「人や国の不平等をなくそう」、「平和と公正をすべての人に」というように、あらゆる差別をなくし、すべての人が平等に扱われるべきであるという内容の目標があります。

我が国では昨今、特に“ジェンダーレス”という観念に対して、目に見えて寛容さが求められるようになりました。しかしやはり日本ですね、”ジェンダーレス”に対して果たして共感するのか反感・反発するのかということを表立っては言わず、なんとなく暗黙の了解としてしまう場面によく遭遇します。穏便に済ます、あえて触れないという平和の在り方。

まぁ仕方ないんでしょう、今やこれはグローバルスタンダード…反論しようものなら、炎上は避けられないという状況ですから。

私達日本人は同質性を好み、異端を許さない、過ちを許さないという国民性です。裏を返すと異端者、例えば前科のある人、病気の人、外国人など、普通ではない人(普通がなんなのかも疑問ですが…)、傷がついている人を嫌う傾向なのです。異端者を排除して、同質的な仲間と楽しく安全に暮らしたいという欲求が強い。

日本人は農耕民族(稲作)であり、みんなで並んで協同作業をし、同じような生き方をして、それを継承していくという文化が根強い。そしてそこから外れる人については、村八分という形で制裁を加えるという社会なのです。よく言うと、組織やヒエラルキーができている成熟した国とも言えるのですが、そのため個性的、人とは少し違う、飛び抜けているという人にとっては、いまだになんとも生きづらい社会であるのは確か…

その反面、エリート、ヒーロー、カリスマに熱狂するというのも、日本人の性質としてよく見られますよね。しかし、それだけでは終わらないのが日本人!実はその感情には深い嫉妬が存在しているので、散々持ち上げ、祭り上げ、称賛しまくった挙句、何か問題が露呈したときには、思いっきり地に落とす。そしてこてんぱんにやってしまう。実はそうなる原因として一番多いのが、その人の側近や周りの親しい人からの、情報のリークらしいのです。

自分よりもモテるとか、お金を儲けるとか、偉くなる奴には、どこかで転んでほしいと望んでいる。日本人に限らず「人の不幸は蜜の味」という感情は、多かれ少なかれ人間誰しもが持っているものなのかも知れませんが、これを超えたところにいき、他人様の成功と幸せを喜べる人間になることこそが、結局は自分自身の幸せにつながると思うのですがね。

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