第12回 『ひとり言のススメ』 外言と内言、語りかけよう、問うてみよう、愛する自分自身に…
人間の言語の機能が大きく発達するのは、幼児期とされる1歳から6歳の間です。幼児期の子ども達は、ひとくくりにはできないほどそれぞれの成長に差があるのも事実ですが、多くの子どもは脳機能の発達によって、この時期に言語を発するようになります。
その段階は、
①泣く
②クーイング「あうー」
③喃語「だーだー」
④一語文「まんま」
⑤二語文「まま、だっこ」
というような具合。これらはもちろん産出的言語=外言であるわけで、発声を伴うコミュニケーションのための言葉ですね。
これらの言葉を発する時、とりあえず子どもは何かを考えているわけです。そしてその何か思ったことを言葉として外に出し、誰かに伝えようとしている。もう一つは、ただ単にその時考えていることが、自然と言葉になって外に出ている。後者はまさに「ひとり言」ですね。
幼児期の子どもにとって「ひとり言」は自然な活動で、恥ずかしいというような感情はまだありません。大人から見ると何か呟きながら、微笑みながら、時には顔をしかめながら一人で遊んでいる姿は、とても可愛らしかったりしますよね。それが成長とともに内言に移行し、何かを考えるときは心の中、実際は脳内なのですが思考として働くようになるのです。内言とは発声を伴わない、考えるための言葉のことです。
皆さんの周りには、いつも何かブツブツ言いながら作業や活動をしている大人はいませんか?これを公の場で何も気にせずにやれている場合、多くは「変な人」と思われがちですが、これを一人でいる場合、意図的にやることで、実は自分の行動を客観視できたりするのです。
よく知られている行動の一つに、職場などでの「指差し確認」があります。わざと大切なことを外言にすることで、自分自身に言い聞かせ、間違いのないように確認することができます。これを日々の生活に取り入れると、結構楽しくなったりするんですよ。あっ、「指差し確認」をしましょうと言うことではなく、「ひとり言」を取り入れようということです。私は「指差し確認」もよくしていますがね(笑)。
私は一人暮らしが長かったので、家族と暮らすようになった今も「ひとり言」が多く、よく家族から「なに?」と聞き返されたりします。そんな時は「あっ、ひとり言ひとり言…」と答えた後、内言に移行します。私にとっては、それが習慣になっています。自分との対話が好きです。もちろん人との対話もですがね。
そしてその中で、大切だと思ったこと、忘れてはいけないことは、書き留めるようにしています。中には録音するという人もいるようですね。これもまさに「ひとり言」であり、自分と対話していることになります。
私達の感情は、日々動いています。それがプラスの感情であるときも、マイナスの感情であるときも、まず一番身近にいる自分自身と、それについて対話してみる。それが私の場合は「ひとり言」という活動なのです。
私は私を信じています。だからまず、自分に問うてみます。そうすることで答えに繋がることもあり、その対話中に相談すべき人の顔が浮かぶこともあり、乱されていた心が落ち着くときもあり、分かりやすく言うと、自分で自分の心を落ち着かせ、応援している感じかなと思います。
私は私の一番の応援団!切ないときは自分をなぐさめ、不安な気持ちになったときはそれまでの自分を認め、励まし、その上でしっかり分析してみる。「ひとり言」ベラベラ、あーでもない、こーでもない…夫にはしょっちゅう、「What did you say?」と言われます。
「Don't worry. I speak English when I want to talk to you.」
「Okidoki.」
こんな感じ。何度言っても同じ、このやり取りをしょっちゅうやっています。どうやら妻のことは、気にしてくれているようです(笑)
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