つじつま合わせに生まれた僕等

　ご無沙汰しています。岩上魁星です。

　相もかわらず気分の浮き沈みに振り回され、ぶん回しながら生きている。何もしなかった休日。罪悪感に駆られ、いても立ってもいられず家を飛び出した20時。久々にピストバイクに跨り、あてもなく東に向かってペダルを漕いだ。いつもだったら最近のお気に入り『Being Funny In A Foreign Language』を流していたと思う。けれどこの日は違った。心がズブズブと音を立てて沈んでいくなか、こんなカッコいい曲を聴いて澄ましてみても一向に泥は拭えなかった。結局は第二言語、まだまだ片手間に享受するには能力が足りない。そして選んだのは自作したプレイリスト『No talent at all』だった。

　amazarashiの曲から“才能不在”をテーマに選曲したプレイリストである。Spotifyを利用している人なら検索していただければ出てくると思います。よければ是非。

生きてくのが面倒なら　死んじまうのも面倒だ
曲を作るのも面倒だ　世界中みんな面倒だ
ポルノ映画の看板の下で　ずっと誰か待ってる女の子
ふざけた日常　マフラー代わりにしても
かじかんだその未来　ぬくむ事無く
夢なんてもんは偶像だ　それを崇める私、背徳者
願えば叶うよ　叶うよ　叶うよ
うるせぇ背後霊　才能不在

『ポルノ映画の看板の下で』

自由に生きたいと思えば思うほど　向かい風は勢いを増した
結局どこに行ったって　問題はそれなりにあるもんだ
でも　それなら　なおさら　僕は僕を選ばなきゃいけない
終わりが訪れた時　後悔しない僕に出会いたい

『逃避行』

君が君で居られる理由が　失くしちゃいけない　唯一存在意義なんだ
ここに讃えよ愚かなジュブナイル　最後の最後に　笑えたらそれでいいんだよ
物語は始まったばかりだ

『ジュブナイル』

わいは今も歌っているんだ　暗い歌ばかり歌いやがってと人は言うが
ぜってぇまけねぇって　気持ちだけで　今まで　ここまで　やってきたんだ
これだけは本気でゆずれないんだ　背負ってるものが増えすぎたようだ
夢を諦めた人　捨てた人　叶えられずに死んだ人　覚えているか？

『ライフイズビューティフル』

　決して僕の人生楽しいことばかりではなかった。理解されない寂しさや孤独、どうしようもできない現実に見下されたとき、救ってくれていた曲が再び耳元で叫ぶ。そうか、amazarashiだけは、僕のこの人生を肯定してくれている。楽しいフリして見て見ぬ振りしていた肥溜めさえも肯定してくれているのか。

　そして気がついた。僕の人生観の中心にはamazarashiの言葉が据わっているんだ。

　底抜けの明るさと、澱んだ暗さの二面性は統合できる気がしない。どちらも本来の自分なのだ。乗りこなしていくしかない。生きていくしかない。もがいていくしかない。

　正直このプレイリストの完成度はなかなかなものだと思う。誰にも話せないような心の裡を肯定してくれるはず。