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歴史的瞬間にたちむかってやろうじゃないか

https://digicame-info.com/2022/06/post-1540.html

 フイルムカメラで撮り始めて数ヶ月。撮ったものがすぐに確認できない不便さと、現像に出してから返ってくるまでのあのワクワク感。そしてフイルムのもつ味。そのすべてに魅了されてやまないのだけれど、ハマったのが遅すぎた。デジタル市場は一眼レフからさらにミラーレスへと確実に進歩を重ねていく中、フイルム市場は徐々に縮小していってしまうのは分かりきっていることなんだ。

 そもそもフイルムの価格高騰の記事を調べるとだいたい2020年、もしくは2016年。
 昔は500円で買えたとか聞いても、僕にとってその時代にカメラを始めることなんて年齢的に難しいから特にどうとも思わなかった。いいなくらい。いえばテレビの向こう側のお話に感じていた。
 けれど2020年や2016年となると既に高校生となっていてバイトもしていたし、やろうと思えば始めれていたのに僕はフィルムカメラに興味を持っていなかった。

2022年現在、おそらく最も安いカラーネガフィルムはfujicolor 100 36枚撮だろう。一本だいたい1300円。一枚の写真を撮るのに36円かかる。現像代で同じくらいお金がかかるので総じて一枚に72円の重みがあるのだ。いちばん安くてフィルムを楽しむためにそのくらいかかってくる。スマホのカメラで撮ればタダなのに。て考えるとフィルムが衰退していくのは仕方がないことだと思う。

 でだ。2020年はどうかというと、一本だいたい700円だったらしい。半額ぞ半額。2年前なのに。もっと心置きなくバシバシ撮れてるやん。てことは2016年はもっと安かったんやで。ほんまかいな。こうなってくるとテレビの向こう側のお話からよりぐっと身近に感じてしまって妬み嫉みが沸いてくる。

 時代を遡ることなんてできないし、じゃあフィルム市場を拡大することができるかと言えば難しい。プロユーザーがほとんどデジタルに移行してしまったのだから。企業の実情とか詳しく知らないけれど、今でもほとんど利益はないんじゃないかなと思っている。慈善事業みたいな。ありがとうございます各フィルムメーカー様。

そんな風前の灯、春の風の前の塵と同じフィルムだが、現状を少しポジティブに捉えてみた。この数百年の歴史に幕が下りる瞬間に立ち会えるのかもしれない。しかもひとりのユーザーとして。きっととてつもなく寂しいけれど、ただ悲しむだけではなくって自分の中の思い出としてずっと心に残ると思う。シャッターを切るたびに、フィルムカメラを使っていたことを。いま僕らの世代でフィルムのもつノスタルジックさがエモいという評価を受けてプチブームが来ているらしいけれど、そのノスタルジックさをまさに実感できる未来が待っているんだ。中学の時の恋愛みたいなあの胸がきゅうっとなる切なさと愛おしさを感じながら2022年を振り返ることができると思う。

僕は僕なりの付き合い方でフィルムの最後を見届けたい。それができるのはきっと今を生きている僕らにしかできないから。

あとがき
 フィルム製造において銀塩の代替品とか生まれないのかな。まあそれがイメージセンサーなんだろうけどそうじゃなくて他の物質で。てかフイルム作ってみたいんだよね。詳しい人教えてください。工場見学とかしてみたい。

Insatagaramで @tenny_moha と検索していただければフィルムカメラで撮った写真を投稿しているのでよかったら見にきてください。

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岩上魁星(IwagamiKaisei)
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