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心理カウンセラーにできる復興支援とは:被災者のメンタルサポート

令和6年元旦に起こった能登半島地震は私たちを驚かせました。
この災害は、阪神・淡路大震災や東日本大震災といった過去の経験を踏まえ、被災者のメンタルケアの重要性を改めて浮き彫りにしました。

自然災害や事故は予期せぬ形で私たちの生活に襲いかかり、物理的な被害だけでなく、心理的にも大きな影響を残します。

今回は、災害後のメンタルケアに焦点を当ててお話しします。

まず、災害支援は、

1,「緊急支援」災害直後の救命や救急を目指す
2,「復旧支援」災害後の一次的な回復を目指す
3,「復興支援」新しい生活復興を目指す

の段階に分けることができます。


1,「緊急支援」


災害直後に必要とされるのは、当然のことながら、生命を守るための救助活動や避難、保護が求められます。
災害の初期段階では、人々の身体的な安全と基本的な生活ニーズが最優先されます。
メンタルケアは、破壊され衣食住が整っていない状況での面談はあまり意味を持ちません。
特に、今回のように冬の寒い時期の場合は、暖かい衣服と食事、そして、安眠できる避難環境が必要とされています。
心理系であっても、支援をする際にまずゆっくりと休息が取れる物理的環境を整えることを優先するべきでしょう。

まずは、被災者が安心ができる環境を整えて、面談によるメンタルケアを目指すべきです。
この段階では、主にショックやパニックを落ち着けることが支援の中心となります。
不安や恐怖を軽減させる環境を整えた上で、心理的にも保護的な関わりが大切です。

2,「復旧支援」

「復旧支援」では、災害直後の避難所から一次的な生活をおくる仮設住宅へ移行する時期から始まります。
この時期は、災害によるストレスやトラウマからの回復が主なニーズとなります。

復旧段階のメンタルケアとしては、今、何が必要かを考えたり、要望を周囲に適切に伝える為の準備をお手伝いします。
今の安心やニーズに焦点を当てて被災者の気持ちや考えが理性的に機能するメンタルケアが必要です。
この時期は被災者にとって生活環境の変化やストレスにより、不安感が増大する傾向がありますので、安心感を築き上げる面談支援が求められます。


3,「復興支援」

「復旧支援」が一段落すると、長期的な「復興支援」が始まります。
まずは、「緊急支援」や「復旧支援」で積み残した、ショックやパニックによるメンタルへの悪影響をクリーニングし、ストレスやトラウマのケアを重点的に行う必要があります。

「復興支援」のメンタルケアでは、災害を乗り越え、これからの新しい家庭、仕事、人生がテーマとなります。
被災者が再び前向きな人生を歩んでいくための土台を築くことに焦点を当てます。
被災者一人ひとりに望ましいビジョンとプランを作るお手伝いが面談のメインテーマとなります。

災害後のメンタルケアは、被災者の心の傷を癒し、正常な生活への復帰を支援するために不可欠です。
心理カウンセラーは、被災者一人ひとりがどの段階にいるのかを見極め、そのニーズに合った支援を提供することが求められます。
このような段階的アプローチにより、災害からの回復を心理的にもサポートし、被災者が再び希望を持って前に進む手助けをすることができます。

災害後のメンタルケアは長期にわたるサポートと、被災者の心に寄り添う姿勢が必要です。
私たちは、過去の災害から学んだ経験を生かし、一人でも多くの人が心の傷から回復し、再び明るい未来を見据えることができるように支援していく必要があります。 


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