[50.0mm]やっと出会えたオオクワガタ
標本DATA
【種類】 オオクワガタ Dorcus hopei binodulosus
【サイズ】 50.0㎜
【採集場所】三重県桑名市多度町
【採集日時】2020年7月15日 20:00
【採集方法】Looking採集(クヌギ)
もうずいぶん前の話ですが、私は国営木曽三川公園(中央水郷地区)で働いていました。春はチューリップ、祖父江町では砂像制作、冬は花火と忙しい日々でした。
夏の生きものイベントで仲良くなった兄さんが、「多度山系でオオクワガタが採れるよ!親戚の山(土地)だから、場所が荒らされなくて良いんやわ!」と…会うたびに得意気に私に話をしにくるのです。
そのたびに「採集に連れてってよ!」と頼んだけど…
絶対ダメ!秘密場所は絶対に秘密なのだそう…
だったら、自慢しに来ないでほしい~
まぁ、羨ましがらせたかったのでしょうね(笑)
木曽三川(木曽、長良、揖斐)流域沿いには、広く薄くオオクワガタが生息しています。
オオクワガタブームで採集圧がかかり、今では、もっと幻になっているのかもしれません。
当時、天然のオオクワガタを見つけたい!自然の中のオオクワガタに会ってみたい!と、いろんな方々に伝えていました。それを憶えてくれていたお爺さまが連絡をくれました。
年賀状のやりとりを続けていたのが良かったです。
「まだオオクワガタほしいんか?久しぶりに捕まえたわ!孫たちがクワガタを欲しがるんで、自分の山に採集に行ったら、久しぶりにちっこいけどオスを1匹だけ捕まえたわ。オオクワガタの価値のわからないチビ(孫)たちにあげてもなぁ~と思って、兄さんに連絡したんやけど!
二つ返事で、ありがたく譲っていただいたのが、このオオクワガタです。
小型とはいえ、自然の中で生き抜いてきた力強さが感じられます。
Grandisのように内歯が先に上がらない中歯型が好みです。大アゴのラインが非常に美しい。
伯父さま、本当にありがとうございます。
そして、オオクワガタが住む豊かな山々が、これからも残されていくことを願います。
【執筆者:川原 洋】