<定期購読マガジン特典映像> 【対談編-第3回】鈴木利男さんとの裏話対談…「日本とドイツのクルマの使い方や開発方法の違い」
初めて語られる本当の話を興味深く楽しんで…そしてビジネスの新規開発や運営改革のヒントも随所にあります。
今回もレーシングドライバーとして、日本は勿論のこと世界に結果を残し、市販車でも世界に誇れる開発ドライバーとしてR35GT-Rの超高性能を育て、現在は株式会社ノルドリンクの代表取締役として多くのスーパーカーファンが憧れる鈴木利男さんとの裏話対談 第3回。
此処からはいよいよ日産R35GT-Rの開発についての話ですが、単なる開発ストーリーだけではなく、クルマ市場や社内の葛藤、法律の縛り等、開発の環境から技術の訴求やマネージメント、そして「中古車価格戦略」迄幅広い内容を何回かに渡ってお話します。
ドイツと日本の試乗環境と開発環境
クルマの使い方と市場の環境の違い…
ドイツ:ガソリンも軽油も高価で200円/L前後+老人も100km/h以上で走るアップダウンの生活道路+速度無制限のアウトバーン ➪ 商品の性能や信頼性や燃費CO2に敏感な市場
日本:ガソリンも軽油も安く100~140円/L前後+生活道路は40~60km/h+高速道路も120km/h ➪ 商品の違いに鈍感で違いを気にしない市場
開発の現状と違い…
ドイツ:テストコースとニュルやアウトバーンなど全ての公道や施設を使い開発、開発者の通勤手段も200km/h以上で走る自動車通勤が当たり前
日本:法律で開発車の公道走行は禁止+限定されたテストコースだけの開発(但しコースの実験走行も工場と同じ労基法適用エリアで危険とされる運転は禁止!)開発者の通勤は電車やバス主体(休日のみ運転の開発者が多数)
「会社のテストコースをバカにしているのか!」という社内の反対に遭いながら、日産GT-Rは性能開発の主体を海外にして開発を進めました。
(日本では法律も開発環境も高性能車開発には規制だらけ)
そして日産GT-Rの開発スタートの秘話ですが…
実は、日産R35GT-R開発をスタートする以前から、独立型トランスアクスル(PMパッケージ)をスカイラインセダンに搭載して、私と鈴木利男はアリゾナの砂漠の中のテストコースやハイウェーの走行で先行開発を進めていました。
「スカイラインがポルシェになっちゃった!」こんなテストドライバーの声もありました。
次世代の高級高性能車の共用化プラットフォームの先行開発で、日産GT-R開発の為ではありませんでした。
しかし、当時のゴーンCEOの「お前に全てを任せる!」の言葉から、私は頑なに断り続けていたGT-Rの開発責任者を引き受けると同時に、次世代の共用化開発で進めていたPMパッケージを日産GT-Rから頭出しで使う決心しました。
此処から先は 様々な話がありますので画像でしっかりとご覧ください。
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