Blender使いのアイアンマン?N高本気ハロウィン×プロジェクトN 特別インタビュー
はじめに
毎年本気のハロウィンに挑んでいる、N高通学コース。このイベントで、全国中継による投票で1位となったのは、2年連続、代々木キャンパスの「アイアンマン」!今後、2度と起らないであろう快挙です。
この猛者(達)は、なんと、本番の何ヶ月も前から、Blenderや電子工作を学んで衣装を制作していました。あのアイアンマン達が何者か、全国の生徒たちも知りたいはず。そんな特集です!
補足:今年は2ブロック制の中継のため、もう1チーム優勝があります。京都キャンパスの「安倍前総理の紅葉を見る会」。こちらも人気でしたね!
早速、インタビュー開始!
インタビュー対象:應家さん(左)、斎藤さん(右。アイアンマン)
カメラ:久保キャンパス長
聞き手: プロジェクトN担当 喜安
圧倒的努力!アイアンマン衣装の制作過程とは?
-2年連続ハロウィン仮装全国1位!どんな制作過程があったのでしょうか?
斎藤:今年は3DCGをフル活用しました。
斎藤:去年作ったアイアンマンも、3DCGを使ったといえば使ったのですけど、それは既存のネットであったものを、Blenderでモデルを作って、展開図にして切り貼りしたものでした。
▽昨年のハロウィンの様子
斎藤:それに対し、今年は何もないところから、映画やフィギアを見まくって、参考にして、オリジナルの展開図を作成。着る自分がフィットするように。それで時間がかかる(笑)
▽今年のアイアンマン(ちなみに中継では昨年のものと合わせて二体登場)
斎藤:3DCG作る時、僕は一回止まってしまったら、エンジンがかからなくて。去年の12月に1週間でやろうと思い…。食事やトイレ以外は部屋にこもってウワーっと作業しながら、3DCGを作るというバカみたいなことを。ずっと頭が痛くて。その時の努力で作ったものが、今やっと完成して。肩も胸も自分が考える理想の形にして。視覚的にも映えたなと。すごい嬉しかった。
久保キャンパス長: パンプアップしていたね!
斎藤:今年は電子工作を取り入れており、わからないところは調べて。ずっと…5月頃から準備しています。ところどころ、TAさんに聞きまくって。わからないところ…エラーをクリアして。1から勉強しました。今は、もうお腹いっぱいです…!
- 今年も全国1位になりましたが感想は?
斎藤:「当たり前でしょう」と(笑)。頑張ったっす!こんなにハロウィンに情熱をかけている生徒は全国でもいないと思います(笑)
ゼロから学んだBlender
-いつから3DCGを学ぶようになったのですか?
應家:僕の場合は、もともとシネマ4Dというソフトを去年の6月からちょっとだけ使って。通学コースに入った昨年10月から、3DCGを本格的に使うようになりました!
斎藤:僕も何もない状態から、コスプレでアイアンマンの展開図が作りたくて。その時に展開図にはモデルが必要で、Blenderや3Dプリンターをいじるようになりました。
應家&斎藤:ちなみに、キャンパスにある3Dプリンターの出力待ちの時に(二人は)話すようになったんですよね。
道に迷わない?自信がつきやすい?Blenderあれこれ
-Blenderを始めて、変わったことはありますか?
斎藤:僕は道に迷わなくなりました。
-えっ!?どういうこと?
斎藤:この間の木曜プロN(週5生用プロN 未来のN高キャンパスを3Dソフトで作ろう!)でも「空間認識能力を学ぶ」という話があったじゃないですか?Blenderをやると、それが高められます。
キャンパスがある新宿は、駅の構造などが複雑で、昔は、登校して1週間経っても滅茶苦茶迷っていたのですが(笑)。今は頭の中で、何階建てかを意識して近道を考えることができます。
應家:(本気で!?と反応)
斎藤:車を眺めてこのラインはこうなっているかなとか。モノの見方が変わる。
應家:それはある!僕は、例えば、車を眺めて「ラインはある」なとか「この道はローポリにしていこう」とか「あれ!?このテクスチャどう貼ろう?」とか考えるようになりましたね。ぼーっと見ていたのを「あれは作れそうだな」とか「あれは難易度高いな」とか(笑)
-では、Blenderを始めて、良かったことはありますか?
應家:僕は単純に、ものづくりの楽しさに芽生えたのが良いです。僕は創作は好きだったのだけど、手を出す勇気がなくて。一昨年の4月くらいに、なんかやってみようという時に、パッと、イラストより3DCGの方が簡単だろうと錯覚して(笑)。
斎藤:(その考えは)とんでもない(笑)
應家:3DCGは、初めは難しいけど、やり終わったらよく見えやすいのです。達成感があります。ものを作るのが楽しいという感触が得られて。成長が目に見えるから、自信が結構ついてきます!
斎藤:僕は小さい頃から「玩具が欲しい」というと、「玩具は自分で作れ」と言われる家で育ちました。立体もの…仮面ライダーの玩具を紙で作ると、展開図が必要で、限界がある。それが、今、Blenderを勉強し始めて。小ちゃい頃の環境にBlenderを組み合わせると、今回のような凄いものができて!感動した。それが良いことですかね。
▽ウイングもヘッドパーツも開く、凄いもの!
Blenderの学び方のススメ
-Blenderをどんな人に薦めるか、教えていただけますか?
斎藤:とりあえず、やりたいことない、日常がつまらない高校生に薦めます。プログラミングとか社会人に勧めることありますけど、Blenderも良いんじゃないかと。YouTubeにも講座があるので実感しやすいです。
應家:僕はやっぱり「創作をやったことない人」にやってみてほしいなあ。繰り返しになりますが、最初は、設定や用語を調べるのは大変だけど、色とか完成度を上げるのに必要なものはソフトが勝手にやってくれます。そういうので達成感が感じやすい。
-学び方にコツはありますか?
斎藤:大まかな流れはYouTube。コマンドはGoogleで調べています。
-両方ともGoogle社ですね(笑)
應家:僕もだいたいYouTubeです。あとは、TwitterでBlenderやっている人をフォローしています。YouTubeもですが、英語の方が質が高いですね。誰かがBlenderで作ったものを「どう作られたのかなあ」と試行錯誤することが多いです。
應家:Blenderができると、プロジェクトNを取り組む時に頼られるのですが。自分のスペックよりオーバーなものを…とんでもないものを要求されることがあって(笑)。「何とかやってみる!」と言いながら。そして、「知らない技術だけど、まあいいや」と思いながら技術を磨いています(無茶苦茶だったエピソードが続く)。
斎藤:ハードル高くて。工夫しないといけない(笑)
メルカリコラボ授業は成長の宝庫
-印象に残ったプロジェクトNは?
斎藤&應家:メルカリの時ですね。あの時は凄い…
-このプロジェクトで、お二人はBlenderを活用していますよね?
斎藤:僕は、ホログラムを投影する時の腕時計をBlenderで作成しました。 それをつけている様子をAfterEffectで映像化しました。
-メルカリ社の中の人も褒めてましたよ。そういう表現で発表することに
應家:僕は、Blenderでコップ回す…「こういうのをやる」という動画を作りました。ARやVRでやるとどれくらいかわかるというものを、BlenderとAfterEffectを駆使して作りました。
應家:あの映像がメルカリ本社プレゼンの時に映し出されなかった時はショック。本社プレゼンは、めちゃくちゃ緊張しました。
補足:用意されたPCで行ったのが仇だったか、動画が動かず。動作テストは行っていたものの、運営としても、申し訳ないです
-メルカリのプロジェクトでは、どう成長しましたか?
斎藤&應家:フィードバック、身に付けられる知識、どれも良かったです。結構熱入れていましたから、本社プレゼンに選ばれた時は、嬉しかったです!…滅茶苦茶、嬉しかった。
注釈:彼らが最初に参加したβ授業は『推しスポットプロジェクト』で個人で取り組むプロジェクトでした
應家:中間発表の時に、メルカリさんに強めにダメ出しされていたのが良かったですね。ダメ出しされて、やる気がでて。最初にダメ出してくださったメルカリの方にも、最終発表ではポジティブにフィードバックしてもらえて。
中間発表でダメ出しされたのは、ある意味嫌な気持ちになったけれども、考えてみるとあれが一番成長するきっかけになりました。
▽應家さんが書いたブログ
急増する代々木キャンパスのBlender勢?
-ジェイアール都市開発とのプロジェクトでもBlenderを使っていましたね?
應家:僕はネオンライト作ったり。
斎藤:この時のプロジェクトでは、代々木キャパスは、皆、Blender使っていたよね?
應家:全国1位になったMさんのBlender作品が一番すごかった。
應家:「(動画を出力するレンダリングを)重い設定でやってしまった。12時間かかると表示されていてどうしよう!」という話がきたりもして(笑)
斎藤:プロジェクトNの制作は、皆、楽しんでいるよね
社会で直ぐ使えるコミュニケーション能力が磨ける
-そんなプロジェクトNで何が鍛えられていますか?
應家:社会ですぐ使えるスキルが身に付きますよね。グループワークのコミュニケーション能力が特に大きいかなと。N高は個性的な人も多くて。その中で、4-5人集まる。そうすると合わないこともある。プロジェクトNで、成果物を完成させないのは絶対に嫌じゃないですか。「ここだけは意見を通すぞ?」「(悔しくても)ここは妥協するぞ」…と。
斎藤:プロジェクトNでやっていることは、家で親がZOOM会議をやっている仕事と、そんなに変わらないなのではと。Nさんていう人が、話がまとまらない時に…「ちょっと待って」「こことここ、あなた勘違いしていない?もう一回修正してみようよ!」と仕切るところがあって。これは絶対社会に行って直ぐ使える。
「毎日が文化祭」のプロジェクトN!?
-プロジェクトNをどんな人に薦めるか、教えていただけますか?
應家:何かやってみたいと漠然に思っている人に。グループワークでリーダーシップやっている人がいると、「ああこの人頑張っているんだな」「この人こういうのやっているんだな」と感じやすい。そういうのを経て、出来上がったものをみて、自分もやってみたいと刺激を受けます。
斎藤:公立の学校にプロジェクトNのようなものは無いじゃないですか?昔から文化祭とかで何かを作ったり、グループをまとめるのが好きで。なので、こういうのやりたいなって思っていたら、N高に入学して、プロジェクトNをやって…毎日が楽しい。僕にとって、プロジェクトNは「毎日が文化祭」です。こういうのが好きな人にオススメします!
取材後記
まずは、インタビューに答えてくださった二人に感謝です。目的があり楽しんでスキルを身につけることは理想的でした。ご本人達の前向きな気持ちが最大の原動力とはいえ、N高に入ってから学んでいること、TAさんに聞けていることなど、N高のプログラミング教育の一端が見えたのも嬉しかったです。友達になったのも「キャンパスの3Dプリンター待ち」というのも、その一端でしょうか。
最後に。プロジェクトNが、ハロウィンとある意味近い「文化祭」と称されたのは、強く頭に残りました。楽しく、しっかりスキルアップする授業づくりを行っていきます。
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[おまけ1] アイアンマン画像コレクション
マニア向け紹介。例えば、顔がパカッと開いたり。
手が光ったり。
ミサイルが開いたり。
[おまけ2] 追加インタビュー。代々木キャンパス初の1位
-この秋は、代々木キャンパスは悲願のプロN全国一位に。大盛り上がりだったと聞いています
久保キャンパス長:あれは…言い方よくないですけど「まさか」と思いました。全員がびっくりして。「えええええーーー」って。
應家:代々木キャンパスは、パワプロで言うと負け癖がついていたじゃないですか?だから、全員がびっくりしたんですよ。「ぶおおおおおお」って
負け癖について解説:代々木キャンパスは、N高通学コース19キャンパスの中で、心斎橋と並んで最古参キャンパス。生徒数が最も多い。それなのに、キャンパス対抗の優勝が一切ありませんでした。ハロウィン以外は。
斎藤:2位とかのニアピンが多かったじゃないですか?
久保キャンパス長:ニアピンが多かった!今回も前後賞で発表されなくて。
應家:だから2位と3位が発表された時点で「あっ。もうないわ…」と。
應家:(代々木代表のSさんが)めっちゃ緊張していたもんな?
久保キャンパス長:緊張しすぎて、ZOOMの画面共有をせずに喋り始めた時は「あっ…終わった(意訳)」と
-とんでもなく盛り上がったと聞いているのですよね。代々木の様子を録画しておいて欲しかったです。
久保キャンパス長:受賞発表時に、代々木は歓喜の盛り上がりが凄くて。授業が終わった後も、他の生徒達が、優勝グループに集まって労っていた姿が印象的でした。
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