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祝卒業!特別インタビュー「プロジェクトN N高卒業生オンライン座談会」

はじめに

N高等学校の『プロジェクトN』が現在の形になって3年。時を同じくして、3年間プロジェクトNを学び続けた生徒が卒業します。

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今回「卒業おめでとう企画」として、全国の卒業生から6名を呼んで、オンライン座談会をしました。全国発表に複数回登場した猛者もいます。「プロNは登山?」「プロNは社会の縮図?」「プロNを自慢してAO入試に受かった?」など興味深い話が。プロジェクトNの3年間の総決算の座談会です!

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全国から集まった卒業するN高生6名の皆さん

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座談会参加者
■プロN歴3年
林さん(名古屋CP)、熊田さん(心斎橋CP)、圡井さん(千葉CP)
■プロN歴2年
坂本さん(千葉CP)、高橋さん(柏CP)
■プロN歴1年
田邉さん(名駅CP)
※3月の最終授業日にZOOMで実施。構成は変えています
※更新履歴: 4/1 田邉さんの「邉」の漢字を更新しました。失礼しました

プロNはAO入試の「アドミッションポリシー」と同じ!?

-皆さんの将来の進路決定に、プロジェクトNは活かされましたか?

林(名古屋CP):僕はガッツリとプロNを活用したタイプです(笑)。成果物の外部発表会でたまたま審査員だった人が、今のインターン先の代表で…。

一同:へぇ!

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林:その時たまたま「メッセンジャーを送ります」と言ったのがキッカケで。人材NPO法人なのですが東海地区では大きいところで。(書類を)めっちゃ見てもらって、添削してもらって。本当にプロNって最後までいくといろんな人と関わりがあったので嬉しかった。面接時はプロNも自慢げに話しました。

-その「自慢」とは、どういうことを話したのですか?

林:その大学もプロNと同じく、課題解決型に取り組むところで。限界集落の課題解決とかを学んでいく。なので「課題解決はできます!」と断言して。(メルカリ社の審査で全国発表に選ばれた)メルカリとの『価値交換』のプロジェクトのプレゼンを推して…。なので、受験(AO)で活かせたかなと思っています。

一同:すごい…。

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林さんの卒業後の進路は大学の政策科学部。「プロジェクトNのような課題解決型の授業をもっと活かせるところ」とのこと

熊田(心斎橋CP):私もAO入試の自己PRでプロNのことを書きました。ちょうど募集要項のアドミッションポリシーみたいなところに「いろんな人と協働できる力」と書いてあって。「これってプロNじゃん!」と思って。

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一同:(頷く)

熊田:ちょうどその時に、メルカリのプロジェクトをやっていて最優秀賞を貰ったので、このことを書こうと!

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熊田さんは、卒業後は大学へ進学して生命科学の勉強。医療機器を作る研究をするそうです

坂本(千葉CP):私は「留学」なんですけど、大学に出すエッセイを書かないといけなくて。その時、私は「私が通っている高校は日本でも珍しい学校で、プロジェクトNという協働の授業を…」なんて書いて。物凄い自分の強みにできたかなと思います!

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坂本さんは海外の大学留学。「プロNを通じて知識不足だなと思うところも多かったので、そういうところの知識を取り入れつつも、実践的な授業も多いので、プロNで活かしたことを発展させていきたいです」とのこと

圡井(千葉CP):私はプロNの実績を出せない入試のところだったのですが「構想力テスト」というプロNみたいな問題が出て。この構想力はプロNがめちゃくちゃ役立ちましたね。

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圡井:受験対策をやって、プロNをやって…。そういうのを組み合わせて成長するのを、この1年やっていました。いくつもの学習が繋がっている感覚が凄く嬉しかったです。

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圡井さんの進路は美大。「プロNのような課題解決の学習ができるところで。林さんと同じようにより実践的な活動ができるようにしていきます」とのこと

高橋(柏CP):私はAO入試が「プレゼン」で。作品を1つ作って発表しろというものでした。その時のプレゼン力は確かにプロNで培ったものでした。

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高橋:ただ、"ちょっと"プロNのことを話したら、作品についての質疑応答の時間15分間を、全部プロNのことを聞かれて作品のことを聞かれなくて…。でも、無事受かったので良かったです(笑)

一同:

高橋:(N高在学前に)不登校の時期があったと書類に書いてあったので、それを見た審査員の方が「コミュニケーション力はどう?」と聞いてきたので、「プロNで滅茶苦茶グループワークしているので大丈夫です!」と返しました。「大丈夫そうだね」と言われて。私も助かりました(笑)

高橋さんは、卒業後は服飾系の大学へ行って洋服を作ります。「グループ制作が多いので、プロNで学んだグループワークの活動を活かしたいと思っています」とのこと

田邉(名駅CP):受験時…は、まだプロNが自分の中で優先順位が4-5番目で。「学校で受けるものだ」くらいの認識。

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田邊:ただ、一回入試が終わっちゃうと心に余裕ができるのですよ。その時「(プロジェクトNの成果物や発表が)他のキャンパスめっちゃ強いぞ!」と思うようになって。アイデアを練るようになって…。まとめると、僕の場合は、入試では関係ありませんでした(笑)

一同:

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田邊さんは、大学では文学部に進みます。「ゲームシナリオを作る仕事をしている関係上、エンタメの研究ができたらな」とのこと

自身初のグループワークは、皆、四苦八苦していた

-記憶に残っている授業を教えてください

熊田:心に残っているプロジェクトで言うと、飲料メーカーの『KIRIN』さんに企画提案するプロジェクト。キャンパス独自で開催されたプロジェクトでした!

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補足:プロジェクトNでは、キャンパスの自動販売機の中身を、グーグルフォームなどを駆使して決める小授業がありました。心斎橋キャンパスでは、それを発展させて、KIRINさんに企画をプレゼンする中期プロジェクトを実施しました

熊田:その時、入学したばかりなのにリーダー役を投げられて。そもそもみんなもまだグループワークに慣れてないから、話を振っても返事してくれない。どうやったら企画を進められるのだろうと凄く悩んで…。

熊田:でも運よく、班の方から良い意見が出て、KIRINさんから賞をもらえて!実際、その企画が今でもキャンパスで動いていて。「企画を動かすってなんだろう?」と考えるきっかけになった。今思うと、大事なプロジェクトでした。

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坂本:私は「ヘルスケアゲーム制作プロジェクト(ジョンソン・エンド・ジョンソンやゲーム会社とのコラボ授業)」がすごく印象に残っています。初めて、大きな目標に向かって取り組んだプロジェクトでした。

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坂本:当時、私は(じっくりスキルを身に着ける)αクラスに所属していました。グループを組んだは良いけど、その時、すごく高いレベルを求められている気がして。皆、1年目で何もわからずプログラミングもしたことがなかったのでどうしようと。うまくいかなくて、ごちゃごちゃしていた2ヶ月間でした…。

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坂本:最終的には、そのとき一緒にやった子と「良いものができたね」と仲良くなって。その後、その子と一緒に、後に総務省主催の「異能vation」で企業賞を獲得したし。その時の経験でAL(アクティブラーナー)になったし。ターニングポイントになった授業でした!

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高橋:最初から最後までめっちゃ楽しかったですけど、特に去年の「SDGsグッズ制作プロジェクト」の授業が印象に残っています。私が本格的に参加した最初の授業だったので楽しくて…。グッズ化されたのが無茶苦茶嬉しくて…。

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高橋:プロNをやっていると「社会をちょっと担っているんだな」と思います。グッズ化された幼児向けブロックを(児童施設に)届けていることがあって。…実際に社会に届けているので。

高橋:でも、その一つ前のプロジェクトで、(コース変更のタイミングのために)後半少しだけ参加した『ICTプロジェクト』は、入った途端グループワークが大変でした…。

-印象に残っている授業とは「自身の初期参加のプロジェクト」で「グループワークに苦労したプロジェクト」になりがちなんですね

林:皆さん、初めてのグループワークで、緊張しませんでしたか?特に「回して欲しい」と言う立場の時は、僕も緊張したなと思い出しました…。

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田邉んー。緊張と言うより、「どこまでやってくれるんだろう?」と遠慮しちゃう感じ?

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田邉「大変だろうな?」と思って、自分だけでやっちゃって、結局、うまくいかないということがありましたね。

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全員:(わかるわかる、という頷き)

圡井:私もあります!特に1年目。めちゃくちゃ難しかったです。1年目は、くじ引きで決まった班でグループワークをやっていました。例えば、「リアル脱出ゲーム」を作るSCRAP社とコラボした授業のことはよく覚えています。

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圡井:チームは4-5人いたのですけど…2人でLINEで「謎」を作り合うことをして。本当に難しくて。スライドも作らないといけないし。「謎」を作るって、本当に大変で。その時グループワークの難しさを感じて。今でも当時のLINEの履歴を見ると「おぉ」ってなります(笑)

熊田:私も心に残っているのは「リアル脱出ゲーム制作プロジェクト」で。なぜかというと、実際に作った脱出ゲームをキャンパスで実施することがあって。その時「自分たちが作ったものが、机上の空論をやっているのではなくて、ちゃんとモノになるものを作っている」のだなと感じました。

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熊田:お客さんに出すということを実感して、そこは社会に役立つことを意識したポイントでした。…謎を作るのは(圡井さんと同じく)大変でした。凄い大変でした。

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一同:(笑)

圡井:去年は、成果物をデザイン面で埋め込むのが重視されていて。…今年は企画力。メルカリとの『20年後の価値交換を考えるプロジェクト』も、どう落とし込むか本当に悩みました。

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圡井:その時は(コロナ禍で)オンラインで、ZOOMで、悩むこともあって。皆が黙り込むこともあって。「答えがない」からこそ考える。凄く思考力がついた。結構、成長したと感じています。

際限なく学び続ける。そして、自慢できるようになる?

高橋:そもそも、プロNで学んだことは、キリがないんですよね。

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熊田:(プロジェクトが)マイナーチェンジしているから学び続ける…。

田邉「ペルソナ」という言葉すらゲームでしか聞いたことがなくて。ペルソナって何!?仮面!?(笑)

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全員:(笑)

高橋:というか、プロNはカタカナが多い!(笑)

授業制作担当(横から)これでも、わかりやすい言葉にするように試行錯誤しているんだけどなあ。難しいですか?

熊田:Nゼミで「新語」についてディスカッションしていたとき、先生が「N高の職員になってから学ぶ(カタカナ)言葉がある」って言っていました。

補足:Nゼミとは、通学コースのカリキュラムの一つ。少人数でグループディスカッションをおこなう会のこと

林:ちょっと(大人に)自慢げに言うことありますもん。「ペルソナが〜」とか。(それを聞いた大人に)「知っているんだ!」と言われて!

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全員:(笑)

企業賞の受賞は偶然か?必然か?

-プロNの企業賞の獲得数を数えてみました。熊田さんが全国一位で…。圡井さんはそれに次ぐ二位。熊田さん、圡井さん、高橋さんは多い

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補足:熊田さんの企業賞獲得数は8つ。ただ、心斎橋CPのみで実施した企業コラボを入れると9つ!? 今は、以前よりもプロジェクトのスパンが長くなっているので、物理上、ほぼ破られない記録でしょう。ちなみに、圡井さんは7つ

高橋:プロNのコツを聞かれることがあるのですけれど、「アンテナをはる別記事のnote参照)」こと以外ないのですよね。他のお二方にも聞きたいです。

熊田:正直にいうと、私は初年度に滅茶苦茶稼いだので。後半は…。初年度は真面目にやっていたら…。

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補足:心斎橋キャンパスは生徒人数が多いので、そもそも企業賞以前に、全国代表に選ばれるだけでも、凄いことなのですが…

圡井:私の場合、獲得数は「運が良かった」というだけで…。去年はデザイナーの役割をすることが多く、プレゼンはしていなくて…。

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圡井:今年になって、3年としてプレゼンとか、まとめる立場をすることになった時はとても悩んだのですけれど。去年、千葉キャンパスの先輩でとても上手い人がいて。場を和ませつつ、凄いまとめてくれる。その先輩の姿をみながら学んできました…。

坂本(同じ千葉キャンパス生)…なんで私が話し出すんだという話ですけど、圡井さんは、本当に優しくて、凄く良い人なんですよ。

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坂本グループにいるだけで、場が和むし、皆が頑張ろうという空気に自然となれる。それに皆が頑張ったものに、デザインで凄く良くしてくれるから、圡井さんが受賞が多いのは、私にとって自然なことに感じます。運ではないと思います!

▽移動しながらも、しっかり伝える坂本さん

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圡井:そんなこと…泣いちゃいますよ。嬉しい。泣いちゃいますよ!

リアルで会って、プレゼン大会をしたい?

-全国中継発表の経験も多いですね?どういう気持ちで発表していますか?

高橋:発表している時、緊張しかないです。

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高橋:…あんな平然とプレゼンしているけれど、いつもカーソルを送る手がめっちゃ震えているんですよ(笑)

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ほぼ全員:(大きく頷く)

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田邉……めっっっちゃわかる!

熊田:オンラインのプレゼンって、オフラインと全然違う。私は、どちらかというと後者の方が得意で。本当は「スライドで指差したいけれど」と思いながら(全国プレゼンをしています)。だから、逆に全国発表している人をリアルで見てみたらどうなるのかみてみたい…。

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行動力の原動力は?仲間から刺激を受ける

田邉今回の伝統芸能PRJで『A』ブロックのチームがオリジナルの歌舞伎マスクを作っていたように、凄く行動力がある人がいるじゃないですか?

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補足:プロN βの1-3月は『伝統芸能』プロジェクト。ミッションや予算が与えられ、WEBページや生放送を制作します。チームは、キャンパス内ではなく、全国横断で組まれるという初の試み。高橋さんが実行委員を務めた『A』ブロックは、歌舞伎マスクファッションショーを実施。コロナの情勢も踏まえ、審査委員や、生徒同士に、強く評価されました

田邉例えば「発注先をどう決める」とか。大人の社会でもなかなか決まらないと思うのですよ。僕はプロジェクトNの経験期間が短いのでわからないのですが…。

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高橋:(歌舞伎ファッションショーの)マスクについては、堂々と生放送していたけど、あれが届いたのは、生放送の前日なんです。滅茶苦茶ギリギリでした。発注先は、「マスクのオリジナルプリント」で調べて2-3件候補を出して。でも、今回は予算あるし、納期もある。「予算は高くても良いから、間に合うものにしろ」と、納期を優先して決めていました。

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田邊:なるほど。

高橋:ギリギリになりながら発注して、届くのギリギリで焦りました。間に合わなかったら、布マスクに直接描こうかと思っていました(笑)

田邉クレヨンとかで?(笑)

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高橋:絵の具とかで(笑)

高橋:「行動力」に話を絞ると…、ここにいる皆さん、えげつないことをAL活動で一杯やっているじゃないですか?私は、他キャンパスの人と連絡しあうことが多いのですけれど。そういう人と関わっていると、必然的に「なんで自分はダラけてているのだろう?」と思うことがある。それで、もっとプロNで行動しなきゃと思うので、めっちゃ行動しています。影響を受けている側ですね。

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後輩には、身につけるスキル意識し、躊躇せず、楽しんで欲しい

-卒業生として、後輩や新入生にメッセージをいただけますか?

熊田:
今年思ったんですけど。プロジェクトを始める前に「今回、この力を意識して進めてみよう」と思うのと思わないのとで、気づけることが全然違う。

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熊田:やはり一個。ちょっとずつでも良いから。「今回は話を振られたら最初にやってみる」とか、ちょっとしたことから「今回はこれをやってみる」というのを用意した方が良い。これを後輩にやってみて欲しいです!

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坂本:とにかく自分がやりたいと思うことがあれば、周りの目を気にせずやって欲しいと思っています。(伝統芸能プロジェクトの)「Iブロック」の締めに話したのですけど、凄く前に出るのを躊躇していた時期があって。

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坂本:今考えたら、あの頃もっと前に出ていれば、もっと成長できたと思っていて。やりたいと思ったことがあったら、突き進んで欲しいなと思います。

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林:その坂本さんの言葉好きです。

圡井:私は「楽しもう」という気持ちなんですよ。途中では本当に悩むことがあるかもしれない。メンバーの対立とかも、もしかしたら、あるかもしれない。けど、絶対それは経験になるかもしれないというのを思った上で、基本楽しんでやれば、きっと楽しい企画ができるのかもしれないし…。

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圡井:やるなら「いやいややる」「苦しい苦しい」と思うのではなくて、「こういうことを考えている」「もっとワクワクしたい」と思いながらやって欲しい。そういう学び方ができるのがプロNだと思うので楽しんで欲しいなと思います。

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田邉圡井さんと同じ意見なのですが、追加すると、もっとふざけてよいと思っていて。プロNって「社会的問題」を扱っているので、結構、堅苦しくなりがち。でも審査員から高校生らしさを求められることもある。JK語のような「ぴえん」とか。そう言うのも生み出して良いのではないかなと。

補足:原則「大人扱い」の方向性ですが、確かに、審査員によっては、高校生らしさを求めることがあったのも事実。何れにせよ、検索したら出てくるアイデアは、評価は上がりづらいですね!オリジナルの「思考の跡」が欲しいです。お題によりますが、真面目すぎて、「ありがち」になるのは避けたほうが良いかもしれません

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高橋:「とりあえず、やってみよう精神」は大事にして欲しいですね。何にでも取り組んで欲しい。あと「N高という時間はあっという間で、ガチで有限。できるうちに使えるものは使っておけ!」というのが、卒業生からのコメントです。

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林:僕は入学した時な何もできなかったです。「僕いる意味あるのかな?」「楽しくないな?」と思うこともありました。ただ、何もわからないのは別に悪いことではなくて。そこから成長できるので良いことだと思うので。

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林:わからないなら「わからない」と言ってもらえるだけで、元々いるメンバーが凄く嬉しかったりします。何も言わずに「ただいるだけ」とか「何もわからずキャンパスに来なくなる」とかは、自分にとっても勿体ない事だと思います。

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林:「わからない」なら「ちゃんと言う」。友達に言うのが恥ずかしかったら先生に言うとか。「わからない」を「わかる」にしていくのが良いのかなと!

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林:ここにいる皆さん(ZOOM座談会にいる皆さん)も、そんなことがあって、色んなことができるようになってきたと思う。緊張すると思うのですけど、後輩にはそうやっていって欲しいですね!

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卒業生にとって、プロジェクトNとは何か?

-最後の質問です。プロジェクトNを「一言」で表すと?

高橋:社会の縮図です。

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高橋:特に今回の『伝統芸能プロジェクト』でもそうなのですけれど、大人数とかになると、「この人こういうのが得意なんだな」とか「この人こういう時サボるんだな」とか人間関係を踏まえたプロNがあったので。そういうのを先生たちに相談すると「社会に出た時はそんなものだよ。プロNは社会の縮図だから」と言われています。そして、色んなことを扱っているから、社会全体を知るきっかけになる。

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熊田:私にとってプロNは、どんな時でも強制的に成長する機会を与えてくれる場

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熊田:…受験勉強していると他のことに集中できないけど、プロNだけは参加して。常に考えるから、常に成長する機会を、どんな時も与えてくれる

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坂本:私は、プロジェクトNは「競争できる場」だったなと思っていて。こういう場で言って良いのか悩みますが、私は『異能vation』の企業賞を受賞したのも、とても負のパワーが大きくて。1年目は周り友達が、商品化とかどんどん実績を残していて。あまり自分の中で認められず…自分の実力がないからなんですけれど。「私を認めてくれ…」という思いがあって…。

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坂本:ただそれは、プロジェクトNという競争の場があったからなんだろうなと思っています。

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坂本:結果的に異能vationの企業賞も獲れたので本当に良かったです!

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田邉自分にとっては、逆立ちして考える場だなと思っていて…。

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全員:(怪訝そうな顔)

田邉…逆立ち。どれだけ論理的にまとめられていても、誰でも思いつくアイデアだけだと聞いている人に伝わらない。一回先入観を捨てて、これは「自動運転ではなく、トゥクトゥクだ!」と意味がわからない方向性に一回持っていくのが重要になる。…あの、勝手な偏見です。

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補足:農水省コラボの農業遺産のミライプロジェクト』で最優秀賞となった発表内容が『トゥクトゥク』。田邉さん曰く「発表スライド完成前日に「トゥクトゥクよくね?」という話が出たんです。皆さんに怒られるかもしれないけれど…結局何が大事かと学んだかというと、印象に残るということだなと。かけた時間としては長くなかった」。

▽伝説の受賞場面。『トゥクトゥクの男』が誕生した様子

林:それ、教材制作の先生が、僕らに「スパイスがきいていない」と言っていたやつですね。

全員:(うなずく)

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林:僕は社会を知れる場なのかなと思っていて。僕たちが高校に入る前と後では、知っている働き方の数も違う。知らなかったらその仕事に就けない。

林:実際に広告の仕事をやっている人とか。伝統芸能(のプロジェクト)でも、本当に頑張っている人。真ん中にいる人。実際に色んな仕事に関わってみないとわからない。

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林:本当に色んな仕事を知ることができたし、そんな中で新しい将来が見つかったので、良かったなと思っています!色んな裏もありましたけどね。僕は好きです(笑)

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圡井:私はゴールというか「ここまで」というものが決まっていない登山。登山はあまりやったことがないので、例えが正しいかわからないのですけれど(笑)

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圡井:グループワークがメインになっていて、それぞれの良さを認め合いつつ登っていくところがあって。ゴールはないけど、どんどん登っていくと景色は良くなる。過程は色んなものを持っていけるし、ルートもグループごとに異なる。色んな工夫ができる。色んな方法で自分を高められる

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圡井:本当に、N高に入って、プロNができたことが一番良かった。本当に成長したと思うし、この経験は良かったな…って凄い思っています!

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全員:(少し静まる)

熊田:先生が泣いちゃう(笑)

教材制作担当:これは、私のカメラがOFFで良かった。皆、有難う。卒業おめでとう!

インタビュー後記

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プロジェクトNの教材制作チームだけでなく、教職員が意識していることとして、生徒一人ひとりが「自分の居場所」と「社会に出て役立つ武器」を持ってもらうことを大事にすることが挙げられます。特に後者は、プロジェクトNの前身となる授業のスライドにも入っていた言葉でした。その上で、少しだけ注釈を入れたいのは、座談会に参加してくれた生徒達は、順風満帆で入学・転入した生徒達だけではなかったことです。それでも、「社会に出て役立つ武器」の身につけ方を体現してくれました。きっと居場所も作ったでしょう。全国に友達・知り合いを増やして。プロジェクトNが、全国で、その歯車になったのであれば、幸いです。

おまけ: 実は、冒頭の自己紹介でこんな一幕がありました

別キャンパスでも「初対面ではない」生徒の皆さん

熊田:…プロN βでお会いした方が何人かいて。久しぶりだなと思っています。熊田です(以下、簡単な自己紹介)。

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林:お久しぶりです、熊田さん(笑)!林です(以下、簡単な自己紹介)。

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坂本:坂本です。お会いしたことがある人が多いんですけど…。初めましての方は初めまして(以下、簡単な自己紹介)。

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何が起きているか解説:
『伝統芸能プロジェクト』で、全国横断9チームに分かれて行われました。各30名のチーム。9つのブロックで、熊田さん・林さん・坂本さんは「Iブロック」に所属していました。熊田さんがWEB制作。林さん・坂本さんが実行委員を担当。

▽Iブロックは、最もウェブサイトのアクセスなどの数字が良かったので「Webアナリティクス賞」に輝きました

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田邉田邉です。slackでは「●●●●(ハンドルネーム)」と言われています(以下自己紹介)。今日のポートフォリオの中継発表会が皆さん凄すぎて、僕がいて良いのかと思うのですけれども…。

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高橋:(下のような顔をする)

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高橋:(貴方が!という顔をする)

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田邉:…『農業遺産のミライ プロジェクト』では「トゥクトゥクの男」として名を広められたかなと思っています(笑)

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-田邉さんがハンドルネームを言われた瞬間の、高橋さんの反応が(笑)

高橋:何故反応したかというと、フォロワーだとわかって(笑)

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全員:(笑)

田邉そう。僕も何故今日の座談会に「是非参加したい」と言ったかというと、絶対高橋さんが来るだろうなと思って…。一度お会いしたいなと思っていたんです(笑)。高橋さんにはALのslackの「AO推薦チャンネル」でもお世話になりました…。

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全員:(笑)

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田邉しかも名駅キャンパスだと「林さん」という人が凄い有名で。

林:(えっ!!!?)

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田邉友人が「こいつは絶対やばい」と言っていて。

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林:ちなみに、絶対やばいとは、良い意味で…合ってますか?

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田邉めちゃくちゃ良い意味ですよ。その友人は(伝統芸能プロジェクトにて)林さんとは別ブロックで。「あいつには勝ちたい」と言っていたんです。

林:ブロックと言えば、ちなみに、僕と、熊田さんと、坂本さんも同じ「Iブロック」でした。

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高橋:えっ!?皆さんどこのブロックでした?

全員:(どよどよ)

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田邉僕は「F」。

熊田:半分が「I」・・・。

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田邊:やばい×××される。

高橋:やばい!やばい!

田邉:・・・いやでも。高橋さんは

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田邉有終の美で凄かった・・・。

-当日は感動したという声が多かったですね

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高橋:チームメンバーのおかげです。おかげさまで…。有難うございます。

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田邉素晴らしい・・・。

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全員:(頷く)

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インタビュー後記 (2)

高橋さんの涙の画像を載せてしまい、ご本人は、恥ずかしいかもしれません。ただ、高橋さんだけでなく、プロNβ 伝統芸能プロジェクトでは、終了時には、沢山の「涙」を見ました。それは、全国で繋がった戦友との別れに対するものもあれば、嬉し涙、悔し涙も。生徒も教職員からも「感動した」「最終回にふさわしい」との声が出ていました。

正直に書けば、想定を超える事象が、1年ほど前からジワジワと続いていました。好奇心をくすぐる社会スキルを学べる、楽しい授業を目指していましたが、涙がでる授業は、あまり聞いたことがありません。その姿を「ネットの青春」と称した人がいて、3年間授業制作してきたチーム一同は、考えさせられました(ここではβの事例を挙げていますが、勿論αの授業も、目を見張る成長がありました)。

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今回の座談会の終わりに、生徒がプロジェクトNを「社会の縮図」「ここまでというものが決まっていない登山」と称していました。確かに、これを突き詰め、3年経つと、こうした化学反応が起こりうるのかもしれません。

卒業生は、真の意味で「縮図どころではない社会」「ここまでというものが決まっていない登山」に本気で飛び込むことになります。教職員の立場で送り出すと同時に、社会人として待ってます。

卒業おめでとうございます!

2021/03/31 

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