友達の無視が引いた、不登校のトリガー 経験者インタビュー 志摩さん #1
今回は、中学2年生から卒業まで不登校になった志摩さん(仮名)のインタビュー記事を掲載いたします。
いじめによる不登校のきっかけ、コミュニケーションの苦手意識の克服など、今に至るまでのお話を伺うなかで、立ち直るきっかけや当時の心境などをお伺いしました。
目次
不登校のキッカケ
※イ=インタビュアー
イ:志摩さんが不登校になったキッカケは何だったんでしょうか?
志摩さん:部活でのいじめと、友達からの無視。
この二つが大きなキッカケでした。
雰囲気が最悪だったサッカー部
イ:部活のいじめは、どういう感じだったんでしょうか。
志摩さん:当時サッカー部に所属していたんですが、実力で部内での上下関係が決まっていました。上手い人は、自分よりも下手な人に対して、横柄に接する傾向がありました。
志摩さん:私は下手な方だったので、練習でパスを強めに出されたり。モノを渡されるにしても強く投げられたり、とにかく当たりが強かったんですよ。陰口が蔓延していましたし、とにかく過ごしづらい環境でしたね。
友達に誘われて一緒に入ったのもあって、中々辞められなかったんですが……
志摩さん:入学時、隣に座っていた人がサッカーを習っていた人だったんです。
一緒にやろうって誘われて、部活に入ることになりました。
最初はやりたくなかったはずだけど、断れなくて。
イ:やりたくない、とは?
志摩さん:サッカー自体は幼稚園の時から習ってたんですが、小学校の頃から行くのは嫌だったんですよ。サッカーは身体を使ってボールを受け止めたり、ぶつかったりするじゃないですか。あれが怖くて。
だから躊躇しちゃうことがあったんですが、それでコーチに怒鳴られたりして。
志摩さん:練習が怖かったですね。サッカーは今までの流れで続けているだけでした。
部活に行くことが嫌になって、学校そのものに行く意味も見出せなくなっていきました。
イ:なるほど、嫌々続けていたんですね……
親しい友人からの無視
イ:では、不登校になったもう一つのキッカケを教えてください。
志摩さん:これは今でもよく覚えているんですが、中学二年生の後半で、親しかった友達に急に無視されるようになったんです。理由は全くわからなかったんですが……これが一番きつかったですね。
イ:急に、ですか。
志摩さん:小さないじめは、常にどこかで起こっていた学校でしたから。いじめにあった時も、自分が対象になったんだな、って思いました。私が通っていた時も、何人か不登校になったのを知っています。
志摩さん:とは言え、友人から急に無視されるようになって……思い当たる理由がなかったんですよ。すごく混乱しましたね。
イ:理由を周りに聞いたりしましたか?
志摩さん:してなかったと思います。当時の自分は内気で、話すのが得意ではなかったですし。気持ちを伝えるのが苦手だったので。そもそも無視されていたので、どうせ聞いても教えてくれないだろうな……と諦めていたと思います。
不登校のはじまり
志摩さん:サッカー部の雰囲気が悪く、いじめられたのもあって嫌気が差してしまったこと。親しかった友人に急に無視されてしまったこと。この辛い状況の二つが重なって、学校に行けなくなってしまったんですね。
志摩さん:二年生の夏ごろから行かなくなりました。でも、不登校になった当初は学校に行ったふりをしてました。
イ:行ったふりというと……
志摩さん:登校時間に外に出て、そのまま周りをぶらぶら歩いて帰ってくる感じですね。まあ、当然学校から親に連絡が行ったと思うので、すぐにバレました。
志摩さん:その後は家から出なくなりましたね。
家族に行かないのかと聞かれても、断固として行かなかったです。
イ:不登校になって、家族や先生はどのような対応をしましたか?
志摩さん:先生は家庭訪問しに来たことがありました。
でも、先生側から「学校に来てください」という圧はありませんでした。
志摩さん:家族からは学校に行きなさい、と言われましたね。
行かなくなった理由はあまり話しませんでした。
・・・・・・
ここまで、不登校へのトリガーを引いた二つの出来事について伺いました。
次回は、中学三年時に復学したものの、また別のトラブルに巻き込まれてしまった志摩さんの体験について掲載いたします。
※本シリーズの第2回は、不登校サイト「ストップオーバー」のこちらに掲載しております。よろしければこちらもよろしくお願いします。
今回もお読みいただきありがとうございました。
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