おもてなしと心の大黒柱「思い遣り」
人間力の大黒柱「思い遣り」
対人関係での人間力の大黒柱と言える
「思い遣り」は、人として純粋に親切で
温かな心から生まれる心身の活動です。
人は、
相手への思いの大小やその表現
の仕方は思う人、思われる人の
顔と同じく多種多様です。
そしてこの「思い遣り」は、
相手への想い(思い)から自然に自ら
の心に生まれます。
現代社会の多様な人間関係上で対象
となる人が居て成立する心の概念です。
仕事、社会生活や様々な人との
触れ合いの中から人の生きる知恵
として自分自身の心の中に自然に
生まれてこそ「思い遣り」と言えます。
喩え、「自分には思い遣りがある」と
思っていても、言葉に出さず日々の
人間関係に実践しなければ「思い遣り」
と言うことをただ思考しているだけで、
自分自心を苦しめる結果になります。
人の思いは、
何事に於いても実践出来なければ、
自分が惨めになり自己嫌悪に陥ります。
この「思い遣り」のある人は、
人の気持ちに敏感で感受性が強い人
が多いと実感して来ました。
そのような人は、
自分自身も傷つき易かったり、
相手の顔色が自然に気になります。
一方「思い遣りのない人」と言う人は、
人の気持ちに鈍感な人が多いようです。
若い頃の私がそうだったように、
人間の持つ「仁の心(意味)」を知らず、
即ち自心に「思い遣り」の概念意識
が無ければ思い悩むことはありません。
では、
知らない方が良かったのかと言えば、
決してそうではありません。
私の場合、
「思い遣りってなに?」の一言の問が
その後の生き方の道標になりました。
「思い遣り」の心は備えたい持ちたい、
と考えて持てるものでもなければ、
どんなに本を読んだり人からの話を
聞いたりしても備わらないものです。
また、「思い遣り」は、
人の触れ合いや人間関係に於ける
体験の積み重ね自分の心との闘い
などで心に自然に生まれ育ちます。
押し付けや意図的な「思い遣り」は、
わざとらしさやよそよそしさを人に
感じさせますから、平らな冷静心と心
を備えていれば直感的に分かります。
自らの心に背を向け、自分の頭の中だけ
で考える「思い遣り」は単に「思い込み」で、
その人の持つ心の表われである「思い遣り」
とは到底言えません。
そしてそれは、
身勝手で独りよがりの単なる「思い込み」
で当て字ですが「※重い矢理」即ち、
人の心や人として筋や理の通らない
重い矢理であると受止めます。
※思いい矢理(自作語)
重さのある思いを遣わ、届けられず、
その思いを無理矢理を表し、通すこと。
本物の人を思い遣りの心身の活動は、
巡り巡って形を変え自分自身に戻る。
それは。何の見返りも求めず、期待せず、
自分の備え持っている心やものを無償で
分かち合う心身の活動です。
触れ合う相手のことを気にかけこちらから
進んでひと言をかける、こうした相手への
利他心とも言え、礼節を大切する精神から
「思い遣り」が生まれます。
現代社会でこのような「思い遣り」の心
が希薄になっている理由と考える訳は、
プライバシー重視の個人中心の生活環境
になったことと共に、親の躾と道徳教育
の不足に因るばかりではありません。
その大きな理由は経済的に豊かになり、
情報に溢れ過ぎるIТ社会環境になった
ことによるとも想像出来ます。
古からの諺に
※「衣食足りて礼節を忘る」
の諺にある、経済的に豊かになり他人
との関わりを持たないで自分ん一人で
生きて行けると錯覚することにもよる
ではないかとも考えます。
※『衣食足りて礼節を知る』
(故事ことわざ辞典より引用) 【出典】『管子』
【意味】
人は生活に余裕ができて、初めて礼儀や
節度を弁えられるようになると言うこと。
【注釈】
衣服と食物は生活をする上の根本である、
それらが満たされることによって心にも
ゆとりが出来、礼儀を知ることができる
ものだということ。
『管子・牧民』に
「倉廩実つれば則ち礼節を知り、
衣食足れば則ち栄辱を知る」に基づく。
以上、引用終り。
プライバシー重視で人間らしさと言える
喜怒哀楽を味わう機会が減少したことが、
思い遣りが希薄になった最大の要因では!
個々人が相手の苦労、辛さ、苦しみ、
切なさを身に沁みて感じ取り受止めれば、
現代社会で起きているような人として
残念な行為や事件の起因・要素が減ります。
自己都合とも言える気持ち
「我儘・気儘・保身・利己・欲」が、
「思い遣り」の心に背を向けるのです。
結果、感情の侭、刹那に生きたり、
人を人として認めず無視したり、
自分一人の世界へ閉じ籠る引き籠り、
いじめ、ハラスメントの誘因となります。
今後の少子高齢化社会に必要とされる
人と人との繋がりを創出するのは人の
心の中に在る「思い遣り」の心です。
【思いやりの名言】 美輪明宏氏作
自分に思いやりが足りない人ほど
相手に思いやりを求める。
自分の言葉が相手を傷つけていないか、
をまずは顧みる。
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「思いやり(遣り)」
1.他人の身の上や心情に心を配ること。
また、その気持ち。同情。
2. 想像。推察。
3.思慮。分別。
[思いやりの解説]
⇒意義素
(=夫々の言語単位に一定して結びつく意義)
・おもてなし
→相手を心から歓迎しようと思う気持ち
・利他心・心尽くし
→他人のために尽くす心
・慮る
→他人を慮る(オモンバカル)気持ち
・想像
→自分以外の者がどう思考するのかを考える
・配慮(思い遣り)
→相手の気持ちを察し、気付くこと。
(心遣い・洞察)
・思慮
→人の身について考え、思い巡らす(想う)こと
・同情(≒立場転換)
→相手の立場や気持ちを理解しようとする心
・知恵
→体験や知識を現実に応用出来る能力
おもてなしは思い遣りを表す形
思い遣りは数え切れない要素を含み、
実に奥の深い意味のある言葉です。
そして、私たちはこれを表現の形
(所作)を、マナー(≒所作)と呼びます。
「思い遣り」は、
接客接遇サービスの場でお「もてなし」
をする上でも社会生活をして行く上で、
社会人としても仕事上で相手をもてなす
ひとりの人としても必要です。
お「もてなし」の要素「コト」、
即ち『もてなす心』の心を伝え体験して
頂くために無くてはならない心身の活動
が思い遣りです。
同時に裏表のないお「もてなし」を行う上で
大切な誠実さ、心の温かさの表れと言える
「優しさ」も大切な心の要素と言えます。
社会で生活して行く上で
なくてはならない円滑な人間関係、
素晴しいお「もてなし」(≒接客・接遇)を
するためにも「誠実さ、優しさ思い遣り」
がどんなことかを予め知っておくために
見直し夫々に別けて具体的にどのような
心身の活動なのかを心得おきましょう。
上質で、心のこもったお「もてなし」は
接客、接遇サービスの場ばかりか、
人として大切な心とその体験「コト」です。
確りと夫々の内容を認識し日常生活や人と
の触合いに生かすことはや対人関係構築や
自らの心の成長、幸せに繋がります。
思い遣り=もてなしの活動と優しさ
鋭い感受性と研ぎ澄まされた感性で
“心の通い合う優しい「おもてなし」”
優しさには、
身体で味わったり目に見えたりする
リアルなことと実際に目に映らない
バーチャルなその場の空気感(雰囲気)
やもてなしの仕草などで心に感じとる
優しさと言う感情があります。
共に、人間的要素である思い遣りの心が
無くては相手やお客様に伝わりません。
おもてなしの中でも、
「優しさ」の表現、伝達は大変に難易度
の高い「こと」と言えます。
優しさの表現は、
もてなす側の表裏のない心と豊かな
人間性が必要とされます。
と共に、高い人間依存から成立し、
同質でなく、個性があり、基準も
ありませんのでおもてなしの優しさ
の表現伝達は人の顔と同じく受止め、
感じとる人次第で多種多様です。
故に同じことでも、
ある人は「優しく」感じ取り、別な人は
ウザイ余計なお節介と感じ退けます。
また、個人の身振り、手振り、表情、
手の動作と仕草の癖にもその人心が
表れることを自覚し、それを弁えて
表現伝達に注意することも大切です。
おもてなしでの「優しさ」の伝達には、
一人でも多くの人との触合いを体験し
そこで人の持つ多種多様な感情を知り
そこで生まれる知恵を用いた心の交流
の積重ねに因る感性の育成が必要です。
その為に、
磨かれ鍛えられた鋭い観察力、察知力、
体験度合、常識力、奉仕力、判断決断力、
相手の全てを自らに置換して考える力
(≒立場転換力)の能力が求められます。
心優しいおもてなし-【八つの要素】
相手やお客様への優しさを表現伝達に、
【目配り】【気配り】【心配り】【手配り】
【身配り】【気遣い】【気働き】【心遣い】
この八つの要素は欠かせません。
一.目配り⇔観察察知力
⇒相手やお客様の表情や心理状態や
置かれた環境の隅々迄観察察知する
二.気配り
⇒相手やお客様の置かれた環境や物理的
心理的状況を観察する⇔観察察知力
三.心配り
⇒相手やお客様の心のポジション、
現在の心理状態を素早く察する⇔推察力
四.身配り
⇒気を利かした身のこなし立ち居振る舞い、
押し付けがましくない態度と言葉、
積極的な出迎えの仕草、身振り
⇔自発的行動力・判断決断力)
五.手配り
⇒必要な処に人を配置しそれぞれの
分担を決め備える。
必要な連絡や段取りをすること。手配。
六.気遣い
⇒来店動機、目的、精神状態を配慮、
推察する⇔洞察力・想像力
七.気働き
⇒温かな口調、心の篭ったマナーで
お客様に合わせ、積極的にお世話する
⇔創造力
八.心遣い
⇒相手やお客様の状態、心の位置に
合致した態度と言動
⇔察知力・洞察力・想像力
以上の優しく温かなおもてなしの心、
スタッフの気遣いが自然に所作に表れます。
いつも、
お客様や相手を優先し(After Youの精神)、
お客様中心に目配り、身配り、手配り、
気遣い、心遣いの表現伝達は優しさと
お客様を心から大切にするもてなす側
の心の現れと意識したもてなしをする。
「心に優しいおもてなし」は、
心に温もりと余韻を与える源であり、
個々人の備え持つ人間力≒人原力です。