サービス業従事者-基本心得(6)
和洋二つの「おもてなし」おもてなし
📖インバウンドの設え(知識)
💞ホスピタリティ&日本の文化「おもてなし」➡違い・特質
🎌日本の文化、おもてなしの原義
「おもてなし」を漢字で書くと
【お持て成し】【御持て成し】と書きます。
「おもてなし」という言葉は、
動詞『もてなす』の連用形名詞『もてなし』
に美化語(丁寧語)の『お』が付いたものです。
現在の意味は
お客様を心から歓待すること。
お客様に見合うお世話をすること。
などを主客一体の心で応対する意味です。
🟩ホスピタリティの「おもてなし」とその語彙
「ホスピタリティ」おもてなしには、
「思い遣り」「心からのおもてなし」
という意味があります。
特にサービス業や人に関わる企業で
よく使われている言葉(熟語)です。
態度や行動で示す「マナーの所作」とは、
相手に不快感を与えない最低限のルールです。
そこに、「人の心」が加わると、
ホスピタリティのおもてなしになるのです。
それは、相手の心に深い心地良さが
加わることで、感動、信頼や信用、
安心・安堵感、依存心が生まれます。
一方、ホスピタリティの語源は、ラ
テン語のHospice(客人等の保護)です。
それが英語のHospital(病院)Hospice
(ホスピス)と色々な言葉に発展ました。
これらは対価を求めているのではなく、
おもてなしや喜びを与えることに重き
を置く点が大きくサービスと異なります。
ホスピタリティに特に重視されるのは、
対価や報酬などの見返りを求める行動でなく、
人間性やアイデンティテーなどです。
このホスピタリティは、遠くから来た旅人を
身分の上下なく温かく迎え入れることを
表わすことであり日本のおもてなしの起源
≒旅人にお茶を振舞うことと類似しています。
では、日本の文化とホスピタリティの
「おもてなし」の大まかな違いは、
どう言ったことなのでしょうか?
※以下、大切と思われる点を記しました。
🎌日本の文化おもてなし
【客の心になりて亭主せよ。
亭主の心になりて客いたせ。】
井口海仙『茶道名言集』より
🧡もてなす側は
<常に客人に対し「裏表」のない心で>
=主客一体⇔客人と対等⇔心を一つに共感⇔互いを思いやる心
(➜心の位置→互いの立場や心を理解する)
=直き心⇔客人を素直に受け入れる
=四季折々に合わせてもてなす
=主客共にもてなしを楽しむ
=マニュアルは存在しない(個々人のもてなしに関した)
=しつらえ→事前の情報収集
=個々の個性と感性⇔今の個の時代に適合する
=自ら考えて配慮、行動
=奥ゆかしく控えめな態度
=もてなすモノやコトの様々な蘊蓄を提供(蓄えた深い学問やモノの知識)
=自然を重視→何気ない自然な姿⇔侘び寂び
=目に見えない気配り・心配り・手配りの仕草と心構え
=臨機応変な所作
=不完全美の追求
=基礎の作法、心得を重視
=客人への礼節を弁える
=様々な日本文化を織り込みもてなす
=一期一会の心
=和敬清寂の心
=日本文化の知識と認識
👪もてなされる客人
<客人は千差万別と意識し接する>
=もてなす側への配慮(主人)
=主人への礼と感謝
=作法を弁えて
=相客に心する⇔周りの人に対する敬意を払う
=直き心⇔もてなしを素直に受け入れる
=主人に対する感謝と慎みを忘れない
=訪問の予告などにより、迎える側に要らぬ
気使いをさせないように心配りする
=一期一会の心
=和敬清寂の心を味わい
=風情を味わいながら
🏥ホスピタリティのおもてなし
<いつもお世話の心と視点を意識する>
≒主役はあくまでお客様であるが、
もてなす側の心を柱に心身の活動をする。
=歓待する心で
=お世話する優しい心で
=相手の気持ちに寄添って
=思いやる心を以って
=あくまでもお客様と一線を置く
=臨機応変な所作
=一定の決りの下で行う(マニュアル有)
=自然発生的な応対
=お客様の喜びと感動を最優先する
=顧客の来店目的の掌握
=個人的個性が必要
=チップや見返りを求めない奉仕の心で
🟩サービス
=サービスの語源「servitus=奴隷」の自覚
主従関係の発生。
=「お客様は神様」の心構え
=何事もお客様中心に活動する
=マニュアルの下一定のルールに従う
=個性的なサービスでなく統一されたサービス
=忍耐と寛容さが求められる
=形やルールを重んじる
=チームワーク重視
=チームとしての個性が必要
=個人的個性を重視しない
🟧二つの「おもてなし」夫々の特長
※特に個別応対が多い業種に従事する方は
このようなおもてなしの目的を理解し
確りと心に刻み自覚認識しておくこと。
(高付加価値業種・各種高級店・エステ・
クラブ・懐石料理・日本料理・専門店・医療など)
1. この人(店)と、絆を結びたいと願う心
2.この出会いをご縁にしたいと思う(想う)心
3. 類の無い、この人(商品)を独占したいと思う(想う)心
4.この店、この人、この商品のファンになりたいと思う(想う)心
5.是非この人に、また会いたいと思う(想う)心
6.この人とまた話したい、もう一度話を聞きたいと思う(想う)心
7.この人から(この人だから)、また買いたい、
またお世話になりたいと思う心
8. 嬉しかったこと、楽しかったことを
誰かに話したり、知らせたりしたいと思う(想う)心
9.もう一度、ここの場所へ来たいと思う(想う)心
10. もう一度、この雰囲気を味わいたいと思う(想う)心
11.今後この人(店)だけにお世話になりたいと思う(想う)心
12.また、この人の作ったものを味わいたいと思う(想う)心
13. これからは、この人に(店で)
もてなして貰いたいと思い望む心
14.自分の大切にしている人は、
この人に(店で)に連れてきたいと思う(想う)心
15.様々なお世話やサービスは
この人、この店、此処にしたいと思う(想う)心
極端な表現ですが、この項目の目的は
この「おもてなし力≒にんげん力」を
一人の人間として会得することであり、
あなた自身の人生
【今後の人との出会い人間関係、
これからの人生や運命を変える】
ことにも繋がると言っても良いと思います。
さて、おもてなしに欠かせない心である
応対と対応の意識はどちらに当て嵌まる
心身の活動でしょうか❓
この解説は、基本心得(7)に記します。