自作小説連動企画 第2話「てこの原理」


 阪神大震災や東日本大震災が起きた時、多くの家屋が倒壊したことは、皆さんご存知だと思います。

 では、そんな倒壊した家屋から生還した人たちの7割は、自力で脱出したり、家族に救助されていることはご存知でしょうか?しかも、さらに2割強はご近所の人たちによって救助されているということも。

 あまり知られていませんが、消防や自衛隊に救助されたのは、実はほんの数パーセントでしかありません。

 家屋が倒壊するほどの地震であれば、その後に火事や津波が発生する可能性が高く、大災害時必ずキャパオーバーになる専門家を待っていては、あなたやあなたの大切な人は護ることができないかもしれません。

 さて、今回のテーマは「てこの原理」です。作中ではイント君が妹を助けるために、テコの原理で妹を救いますが、こういった場面は災害現場で実際に起きるかもしれません。

 救助に必要な道具はすべて家の下敷きで満足手に入らず、魔物は来ないにせよ、火事や津波はやってくるので短時間で救助を行う必要が出てきます。

 そんな時、「てこの原理」を知っていれば、手近な残骸で救助活動が行えます。力点の大きな動きは、支点によって作用点の小さな動きに変換され、その分出力が上がるという基本原則を知っていれば、救える命もあるでしょう。

 それ以外にも、車のギアや天秤なんかも、大きな動きを小さな動きに変換する仕組みの応用だったりするので、簡単だけどバカにできません。まさに『原理』

 ベクトルなど、他の物理法則にも繋ぐ事ができる概念なので、テスト対策だけで終わらせず、血肉として消化していこう!


【発案者】

 アルキメデス

【発案時期】

 紀元前200年代

【教科書初出】

 小学校6年生の理科

【想定利用局面】

 バールなどの工具・市場での天秤・災害時の救出作業

【ファンタジー世界での考察】

 紀元前に発見されている物理法則であり、日本語の慣用句で「てこでも動かない」というものがあることから、かなり古い時期に発見されて世界中に広がっていたと推察される。よって文明レベルが低くても、すでに把握されている可能性が高い。