「小説家になろう」でPVを上げる小技集
この記事は、「小説家になろう」のPVをすこ~しだけ伸ばす効果がある、かもしれない小技を段階にわけてまとめてみました。
段階はウェブ小説が読まれるまでの段階に合わせて、次の4つに分けています。
見つけてもらう
興味を持ってもらう
読み始めてもらう
読み続けてもらう
比較的すぐできる小技を中心に紹介するので、『読み続けてもらう』ために必要な内容の充実に関しては、触れる程度で効果は薄いかもしれません。内容の充実に関しては、本をたくさん読むなり、作家仲間に合評してもらって意見もらうなりしましょう。
紹介する小技は、効果は足し算ないし掛け算で計上していきます。これだけで壁を抜けられるわけではありませんが、少しでも作家を目指すみなさんの足しになれば幸いです。
この記事の対象読者
いかにして読者に読まれるところまでいくか、がこの記事のテーマなので、下の図でいうと①②あたりの初心者が対象です。③④のタイプの方の中でも、「読まれない」ことがストレスになる方は、一度読者を意識して、どう読者を獲得するか考えてみると、見える風景が変わるかもしれません。
見つけてもらうための小技
書けば見つけてもらえると思って書いて、でも見つけてすらもらえずサイトや環境を恨む闇墜ち作家さんが数多くいらっしゃいますが、お門違いです。まずは与えられた環境で見つけてもらう努力をしましょう。
見つけてもらえないと、そもそも読み始めてもらえません。
予約投稿を使わない
なろうの予約投稿は細かい調整が利かず、1時間に1回だけです。そして、トップページの更新欄に掲載される作品は10作品だけ。他の人が予約した作品が合計で10作を超えた場合、掲載はランダムになります。
知名度がない作者が読者に作品を見つけてもらえるタイミングは、そう多くありません。なろうのトップページの「更新された連載作品」欄はそのうちの1つですので、確実な掲載を狙っていきましょう。
ちなみに、手動更新のタイミングを厳密に調整すると、10分程度トップページに残留できる場合があり、加算効果はさらに倍程度になります。「更新された連載作品」に掲載された作品と、「もっと見る」の一覧を見くらべるとどのタイミングで更新されたか把握できるので、その少し前を狙うと良いです。
最近は投稿数が少なくなっているようなので、タイミングを合わせるテクニックさえ身につければ、どの時間帯でも5分程度は掲載されます。
なお、なろうのトップページは5分に1回の更新ですが、毎時0分更新後の最初の更新は動いてないようなのでお気をつけて。
人気キーワードを設定する
『小説家になろう』というサイトは作家向けのサイトですが、実は読者向けのサイトも存在します。それが『小説を読もう』。
その構成を見ると、人気キーワードが割と上のほうに来ます。
投稿時に作者名を空白にする
なろうで作品を開いた時、作者名がリンクになるかならないかは、作品を作成する際に作者欄に名前を入れるかいれないかで決まります。
結論から言えば、この作者欄には名前を入力しないほうが、リンクがついて他作品からの読者導線が増えます。作品数が増えてくると、作者名から辿られることも多くなるので、良い結果につながりやすいのではないかと思っています。
書き続けること
ここまでの紹介してきた小技は、更新時の効果を上げる小技です。当然ながら更新しないと効果は発動しません。
いくら広報戦略をきっちり立てても、内容が面白くても、更新できなければ多くの読者に気づいてもらうことはできません。
常に書き続けることが読者獲得に繋がります。
ブーストを狙う
更新の場合のトップページの掲載は「更新された連載作品」で約5分。それに対し、短編作品の場合は「新着の短編小説」に3時間~4時間、長編完結の場合は「完結済みの連載作品」に6時間~8時間程度滞留します。
つまり単なる更新の百倍以上の効果があり、見つけてもらいやすくなります。
ただし、効果は『興味をもってもらう』テクニックとの掛け算なので、元が弱ければ効果は限定的です。長編の場合は、一回の更新で可能な限り第1話流入PVが増えるよう試行錯誤しておきましょう。
ちなみに、選ばれる要素は「タイトル」「あらすじ」「評価ポイント」あたりで効果が増減し、内容が面白くない場合はPVが増えてもポイントは爆発しません。
SNSを駆使する
宣伝用のアカウントを持つ、というのはなろうの運営も推奨している方法ではあります。
しかし、SNSはSNSとして独立している世界なので、その壁を破って読んでもらうのはかなりハードルが高いと言わざるを得ません。
効果を発揮するまでの下積みも長くかかるので、優先順位はそんなに高くないです。
なお、今まで目撃した中で一番劇的に成功していたのは、サラリーマンを一撃で撃ち抜く冒頭を、画像で上げていたこれ。
自分という人間に興味を持ってもらえるかが勝負を分けるSNSで、作品に興味を持ってもらう投稿小説の宣伝は親和しないだろうと思っていたので、これがバズっているのを見た時はちょっと震えました。
ちなみに、SNSには炎上のリスクがあるので、自分で開設する場合は、話題にするジャンルを絞ったほうが無難。
ランキングに載る
実はこれ、小技というには初心者向きではありません。面白い作品を書いて、他の段階でも読者を掴んだ結果、辿り着ける領域になります。
一般読者は作品を探すときにまずランキングを見るので、読者候補の目に触れる機会が爆発的に増えますので、ランキングに入ることをめざしていきましょう。
興味をもってもらうための小技
『見つけてもらう』ための小技は、読者候補の目に触れるまでがその役割です。しかし読者は、見つけた作品をすべて読むわけではありません。
例えば、バナー広告のクリック率は業界的に0.1%程度と言われています。つまり99.9%は無視されるということ。Web小説の画面上でも同様のことが起こっているので、この無視のハードルを乗り越えないと、作品を開いてすらもらえません。
ここで紹介する小技は、そのハードルを越え、興味を持ってもらうための小技となっています。
タイトル・あらすじを工夫する
「小説家になろう」や「小説を読もう!」のトップページなど、作品への読者導線の入り口には必ずタイトルが表示されています。
作者が読者にアピールできる要素の中で、作者がコントロールできて最大の効果を発揮できるのはタイトルです。内容がいかに面白かろうとここが悪ければそれで終わりです。
タイトルを決めるアプローチは、短いタイトルと長いタイトルの二種類あり、どちらが正しいということはありません。私見でいえば、紙書籍では背表紙の面積の関係と表紙絵の説明力で短いタイトルが有利、ウェブではタイトルだけで戦う必要があるので長いタイトルが有利というぐらいでしょうか。
短文タイトルの場合、普段組み合わせない単語を組み合わせて違和感を持たせる、などのテクニックがあります。確定的に成果が出る技術はまだ確立されていませんので、もし何か効果の出る方法論などがあれば、また教えてください。
もう一方の長文タイトルの場合は、想定読者の「欲求」や「疑問」に働きかける方法、「違和感」を意識してツッコミを入れさせる等などのテクニックがあります。広告業界で揉まれたキャッチコピーの技術も応用できるので、いろいろ勉強してみても良いかもしれません。
なお、最近では高精度なAIもでてきました。利用者の中から書籍化する作者も増えてきていますので、一度利用してみてもよいかも?
タイトルあらすじ判定AI【なろうRawi】
https://rawi-novel.work/
https://www.tugikuru.jp/mypage/content/analyzetitle
各話タイトル
タイトル、あらすじ、作者名以外に、読者が読み始めるまでに見ることができるもの。各話のタイトルはその中に含まれます。
タイトルやあらすじほどではないにせよ、読者がざっくりした展開を把握したり、一度離れた後に戻ってくる場合にも、各話のタイトルは有効です。
読者からのレビュー
読者の人が書いてくれたレビューは、『小説を読もう!』というなろうの読者向けサイトのトップページに載ります。
作者側でコントロールできることではないですが、もしも書いてもらえたら、読者に興味を持ってもらえる可能性は上がります。
ただ、肌感でいくと読者一万人に一人ぐらいの確率で、あまり書かれないのが現状です。読者として作品を読む場合も、もう少し気軽に書いた方が良いのかも。
読み始めてもらうための小技
読者の人に見つけてもらい、興味を持ってもらえたとしましょう。しかし、読者は楽しむために小説を読みに来ているので、楽しくなければすぐに離れます。
ここまでの段階は、『見つけてもらう』と『興味を持ってもらう』というのは、小説家としての腕はあまり関係ありませんでした。しかし、ここからは如実に実力差が出る世界です。元々アプローチが千差万別で、僕自身も模索中なので、記載は基礎的な範囲に留めます。
文章・描写がきちんと読者に伝わるか
書いた文章はちゃんと意味をなしているか?
誤解なく、苦労せず読者が理解できる文章になっているか?
5W1Hが見える構成になっているか?
どれかが欠けていると、一瞬で読者は作品を見限ります。基礎的なところですが、読みやすさはかなり重要です。自分ではなかなかわからないので、誰かにチェックしてもらおう。
作品の自己紹介ができているか
ここまで読んでいただいた方ならお分かりかと思いますが、ここまでの読者の行動には流れがあります。どこかで途切れると、それ以上先に進んではくれません。
しかし、ここまで進んできてくれた読者は、あなたが提示したコンセプトに食いついてくれた読者さんでもあります。
なので、読み始めた読者の期待を裏切らないよう、序盤はその作品でどう読者を楽しませるか、その見本を全力で作り上げてください。
面白くなければそれまで。余分なことに使う文字はありませんぜ。
読み続けてもらうための技
この段階の技が、小説家にとって実は一番大切です。
WEB投稿小説がなかった頃の作者は、この段階だけを磨くだけでプロになれました。今でも公募ルートからの書籍化なら、この段階のスキルだけでも通用します。
なぜなら、ここに至るまでの3ステップを出版社がある程度舗装してくれるから。出版社の作品への広報比重の置き方次第で沈んでしまうというリスクはありますが、十二分に戦えます。
だから、この段階を解説する創作論の本は世にたくさんでていて、僕はそれを解説するには力不足です。
さらっとだけまとめておくので、自力で本を買ってください。
オススメあったらコメントしてね。
小説としての基礎力
小説の構成要素は、代表的なもので、ストーリー構成、登場人物、世界観、文章力の4つです。これら4要素のバランスは重要で、それぞれターゲットを定めて磨いて見ても良いかも。
ストーリー構成
個人の意見ですが、『物語の類型』という概念を学ぶと、ストーリーの分析方法が身につき、オリジナリティなどに対する迷いは薄くなります。
そこから起承転結や三幕構成、セーブザキャット等有名な方法論に進むと、理解しやすくなるはず。
誰かの小説を読んでも、分析基盤ができると学びが多くなって良いですよ。登場人物
個人的な意見ですが、名前のあるキャラクターは無計画に作りすぎると、後々大変になります。キャラクターに絵をつける、とかになると、キャラクターデザインにコストがかかりますし、キャラ被りが増えてファンが分散してしまいます。
なので、人数は最小限にした上で、役割とキャラクターの行動動機を定めて人物造形していく、というのが僕のスタイルになります。
オススメの一冊は榊一郎先生のキャラクター創造論。世界観
最初に世界観を作り込みすぎると、読者がその世界観を理解するコストや、ストーリー構成の難易度が跳ね上がる厄介者。それが世界観です。
例えば十二国記は仙人が国を治める中華風ファンタジー世界を舞台にしていますが、作品のテーマやストーリー構成が世界観に直結していて、必然性があります。
魅力的な世界観は多数ありますが、TRPGなどからのノベライズをのぞけば、世界観にはストーリー構成と相互に影響しあっています。
オススメは、現実の歴史を学ぶこと。どんな舞台でも、だいたい現実をベースに世界は構築されているので、現実を借用してくるのが一番素早い世界観構築に繋がります。
※個人的な意見です文章力
小説は文章を媒介にして、表現活動を行うものです。文章が伝わるものでなければ、そもそも成り立ちません。
文章は文法、語彙、修辞技法、リズムなどで成り立ちます。レベル的には高校の現代文に関して、8割9割ぐらい得点できれば問題ないでしょう。
ちなみに、個人的な意見ですが、難解な文章は読者の脳内の処理能力を圧迫します。エンタメとして小説を読んでいる際に、脳を全開にして読解に挑む読者はあまりいませんので、労せず伝わる表現を心がけましょう。
ちなみにオススメは、最近高校の国語のカリキュラムに採用された「論理国語」の教科書。小説執筆からマニュアル作成まで、あらゆる文章に対応できる驚異の実学です。
文学国語? 個人的な見解ですが、文章書くのにあんまり役立つようには見えませんでしたね……
期待感
これまた個人的な見解なのですが、読者に読み続けてもらうことの条件には、今面白いことと、将来面白くなりそうなことの2種類があります。
読み進めてくれた読者は、基本的に物語を肯定してくれていますが、この二つを失うと、泡のように消えてしまいます。
伏線とわかる伏線。チラ見せ大事。
書き続けること
Web小説において、毎日更新できない作者は割と不利になります。それができないとダメな作者であるとか、できないからといって否定したりするものではありませんが、純粋に不利というのは否めません。
例えば、数か月から数年更新があいてしまう作品も世の中にはあり、やむをえない部分はあるのですが、一度忘れた読者の記憶をよみがえらせることは、至難の技と言えます。
だから、読者がついて、ちゃんと最新話まで読んでくれる読者が一定以上いるなら、書き続けることが何よりの武器になります。
きちんとピリオドが打てて、話にまとまりを持たせられるなら、書き溜めて完結させるのが最強なんですけどねぇ……
最後に
この記事は、参加している第二回タイトルガチャコンテスト開催にあたり書いたものになります。
先ほども書いた通り、タイトルは明暗を分ける重要な、いわば作品の顔です。タイトルガチャはあらかじめそのハードルを超えそうなタイトルを用意して、逆算で作品を書いてもらうコンテストです。
第一回の経験から、作品が読まれる行程に不慣れな人もいましたので、今回はタイトルを含めた全体像の説明をつけて、結果がどう変わるか見てみたいと思っています。
この記事とコンテストで、壁を超える人が一人でも多く出ることを祈っています。