自作小説連動企画 第1話 「転生」
最近、異世界転生もの、多いですよね。
なんでかっていうと、こちらの世界とあちらの世界の差異を矛盾なく説明するための舞台装置としての転生、ひどく便利なんです。作者的にはブームになるのも分かります。書きやすいですもん。
さて、この転生という概念ですが、日本でここまで広く受け入れられているのには理由があります。ぶっちゃけてしまえば、古くから存在している概念だからですね。まぁ仏教からなんですけども。
仏教の思想の根本には、すべての魂は輪廻転生して、生前の行いによって、六つの世界のどれかに生まれ変わるって思想があります。六道輪廻とも言ったような気がします。
で、六道というのは、「天道」、「人間道」、「修羅道」、「畜生道」、「餓鬼道」、「地獄道」の六つで、僕らは人間道を生きてます。もう一つ上には天国の原形である天道がありますが、古い仏教にとっては、それも含めて生まれ変わりは苦しみそのものなんだそうで。
だから最終的に煩悩を捨てて「悟り」を開き、この六道輪廻から「解脱」するのが宗教的な最終目的でした。
ちなみに、仏というのは、悟りを開いているのでいつでも解脱して去る事ができるけど、人々を教え導くために留まっている存在なんだそう。
まぁ宗教としてはその後、これは凡人には無理やろってことで時代とともに議論が進み、分派して簡素化、大衆化が進んでいるんですが、根本的にはそんな感じです。
ちょっと脱線しましたが、つまり2600年前には、すでに異世界転生の概念はあったわけです。ストーリー原型の部品としては、これほど由緒正しい存在も珍しい気がしますね。
まぁ僕は死んだことがないので知りませんが、皆さんもいつかその日が来たら、異世界転生するかもしれませんねぇ。
ハッ。転生ブームの次は、なろうに解脱ブームが来るかも!?
※私は学生時代に各宗教の経典を読み漁った系の中年です。
スピリチュアル系の人ではないので悪しからず。
※連動元の小説はこちら
https://ncode.syosetu.com/n2600go/