今年の振り返り~逝去された著名人
2024年もたくさんの著名人が天へと羽ばたいた。中でもとりわけ印象に残った逝去された著名人3名をご紹介したい。
西田敏行さん
長きに渡り、数々の映画やドラマ、そしてバラエティー番組で活躍した西田敏行さん。西田さんが演じた数ある役柄の中でも、強烈に私の脳裏に焼き付いているキャラクターは、NHK大河ドラマ『翔ぶが如く』で演じた西郷隆盛、同じくNHK大河ドラマ『おんな太閤記』の豊臣秀吉、日本テレビ『池中玄太80キロ』の池中玄太、そして『西遊記』の猪八戒。
どのドラマの役柄も、西田さんにぴったりというよりは、西田さん以外にこの役にフィットする役者さんはいなかったのではないかと思う。中でも、西田さんが演じた西郷隆盛は、武士たる西郷の凄みと、人を愛し、人から愛されたという人間味あふれる人物像を見事に演じていた。あくまでも私の個人的な意見ではあるが、西田さんの西郷を超える西郷隆盛にはまだ出会っていない。このドラマは何度も視聴しているが、特に西郷が死への道へと進んでいく、最後の三話は、毎回涙なしには観られない。
中山美穂さん
「みぽりん」の愛称で知られた中山美穂さんの突然の死には、とても衝撃を受けた。デビュー時は当時流行だったのつっぱりをイメージしたメークや衣装だったみぽりん。何年かの年を経て、なんとも洗練された歌手、そして女優さんへと変遷を遂げていった。
1991年にリリースされた『遠い街のどこかで…』を皮切りに、彼女の歌は、元気の良いポップからどことなく切なさを感じさせる、シックな楽曲が増えていったように思う。角松敏生さんのプロデュースによる『You are my only shining star』は、彼女の代表曲となっている。
女優としては、キムタクとのダブル主演で話題となったフジテレビのサスペンスドラマ『眠れぬ森』。この時の彼女は、本当に美しかった。ストーリーもさることながら、このドラマを観ながら彼女の美しさに毎週魅せられた。
2022年に放映された映画『死刑にいたる病』で、みぽりんは水上恒司くん演じる主役、雅也の母を演じている。この映画から本格的に女優としての活躍の場を増やしていくものと思っていた矢先の悲しい知らせだった。
篠山紀信さん
写真家の篠山紀信さんの名前を始めて耳にしたのは、1979年の彼の結婚報道の際。当時のスーパーアイドルだった歌手の南沙織さんとの結婚には度肝を抜かれた。当時小学生だった私には、あの南沙織がどうしてこんなおじさんと結婚するのか、全く理解ができなかった。
翌1980年、私の憧れのスター山口百恵さんの写真集が発売された。テレビだったか雑誌だったかで、彼女の名前を冠した写真集「百恵」は、篠山紀信さんの撮影によるものだということを、そして、彼が今を時めく人気の写真家であることを知った。私が大切にしていた百恵さんのレコードの多くは、篠山紀信さんが撮影していた。
篠山さんといえば、話題騒然となった宮沢りえさんのヘアヌード写真集『Santa Fe』の撮影を担当した人物であることも忘れられない。当時まだティーンエージャーだった、そして高い人気を誇った彼女の美しさに多くの人が魅了されたことだろう。
皆さんのご冥福をお祈りいたします。