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アナログサウンドで差をつける!Waves Kramer TTT Bundleの魅力を徹底解説

今回は、WavesからリリースされているKramer TTT (Tape, Tubes & Transistors) Bundleの詳細なレビューをお届けします。

このバンドルは、著名エンジニアであるエディ・クレイマー(Eddie Kramer)監修のもと、70年代のアナログ機器のサウンドを現代のDTM環境で再現することを目指しています。

この記事では、Kramer TTT Bundleに含まれている各プラグインの特徴や、実際の使用例を通じてその魅力を解説していきます。


Kramer TTT Bundleとは?

まず、このバンドルに含まれている3つのプラグインを紹介しましょう。

  • Kramer HLS Channel: HeliosコンソールのマイクプリとEQセクションを忠実に再現したチャンネルストリップ。

  • Kramer PIE Compressor: Pyeコンプレッサーをモデリング。独特のサウンドキャラクターを持つアナログコンプレッサー。

  • Kramer Master Tape: アナログテープの質感を再現するプラグイン。

これらのプラグインは、それぞれアナログ機器の癖の強いサウンドを再現しており、デジタルサウンドを劇的に変化させる力を持っています。

アナログサウンドならではの「温かみ」「倍音」「コンプレッション」を簡単に得ることができ、DTM初心者でも扱いやすいのが特徴です。それでは、各プラグインの詳細を見ていきましょう。

Kramer HLS Channel – アナログEQとマイクプリで音を際立たせる

Kramer HLS Channelの特徴

Kramer HLS Channelは、HeliosコンソールのマイクプリとEQセクションを再現したプラグインです。

HLSチャンネルの記事を挿入

Kramer HLS Channel

70年代に多くの名盤を生み出したこのコンソールのサウンドは、今でもその魅力を失っていません。このプラグインは、特にEQでのブースト方向の操作に強く、楽曲のサウンドを簡単に際立たせることができます。

  • アナログ的なマイクプリ: 軽いサチュレーションがかかり、音に空気感と温かみを与えます。

  • ブースト重視のEQ: シンプルな操作ながら、サウンドに強力なインパクトを与えることができます。

Kramer HLS Channelがもたらすサウンドの変化

Kramer HLS Channellは、Heliosコンソールを忠実に再現したプラグインで、アナログ特有の温かみと存在感をサウンドに与えることができます。

マイクプリセクションが音に軽いサチュレーションを加え、デジタルの無機質なサウンドを温かく豊かにします。ボーカルやギターなどのトラックが、より自然で生き生きとしたサウンドに変わり、楽曲全体に深みが加わります。

また、ブースト方向に特化したEQは、特にハイミッドや高域を強調するのに最適で、ギターやボーカルのサウンドが前面に出てきます。ブースト時に得られる独特の張りと艶は、他のEQでは得られない特長です。

初心者向けの使い方

Kramer HLS Channellのマイクプリは、通すだけで軽いサチュレーションを加え、無機質なトラックにアナログ特有の温かみを付与します。特に、ボーカルやギターに使用すると、まるでレコーディングスタジオでアナログ機材を通したかのような質感が得られる点が魅力です。

EQの操作は、ブースト方向での使用が効果的です。例えば、ギターのハイミッドをブーストするだけで、ロックサウンドが一層際立ちます。

初心者の方は、EQのカットを無理に使わず、サウンドをより良くするイメージを持ちながら、ブースト方向で少しずつ調整してみてください。

Kramer PIE Compressor – バスコンプでサウンドに抜けを加える

Kramer PIE Compressorの特徴

Kramer PIE Compressorは、バスコンプとしてサウンドを軽やかに抜けさせる効果があります。

Kramer PIE Compressor

他のコンプレッサーと比べ、特にドラムやギターのバストラックで使用すると、音が自然に引き締まり、トラック全体がスムーズにまとまります。

  • ヌケの良いコンプレッション:サウンドが自然に引き締まり、軽やかに抜けます。

  • シンプルなコントロール:ダイヤル式の設定が初心者でも扱いやすいです。

Kramer PIE Compressorで得られるサウンドの変化

このコンプレッサーの特徴は、サウンドの「ヌケ」が良くなる点です。特にドラムやギターのバスに使うと、サウンドが軽やかに突き抜けてくる感覚を得られます。

他のバスコンプとは違い、サウンドを無理に圧縮するのではなく、ナチュラルに引き締めつつ倍音を付加するのが特徴です。

初心者向けの使い方

まずはドラムのバスコンプとして使ってみましょう。スレッショルドを設定し、リダクションが3-5dB程度になるように調整します。これで、サウンドが滑らかにまとまり、全体の音が引き締まります。

リダクション3-5dB程度を狙う

また、レシオを1:1に設定すると、コンプレッションをかけずに倍音を付加するだけの設定も可能です。

レシオ「1:1」で通すだけ

Kramer Master Tape – アナログテープの質感を再現

Kramer Master Tapeの特徴

Kramer Master Tapeは、アナログテープ特有の温かみやコンプレッションを再現するプラグインです。

Kramer Master Tape

サウンドに奥行きを与えたい時や、デジタル音源をより豊かに聞かせたい時に活躍します。

  • テープサチュレーション: テープコンプレッションよってトランジェントが丸みを帯び、倍音が豊かに加わります。

  • テープスピードとバイアス調整: 高域・低域の特性を調整でき、サウンドの質感をコントロール可能です。

  • テープディレイ機能: ショートディレイやロングディレイで、アナログテープならではの奥行き感や厚みを加えます。

Kramer Master Tapeがもたらすサウンドの変化

Kramer Master Tapeは、アナログテープ特有の温かみと豊かな倍音をサウンドに加えることで、デジタル音源に奥行きや一体感を与えます。

まず、テープサチュレーションによって音が丸みを帯び、自然なコンプレッションがかかるため、特にシャープな音が柔らかくなり、全体がスムーズにまとまります。

また、テープスピードやバイアスを調整することで、低域や高域のバランスを細かくコントロールでき、ギターやベース、ボーカルに最適なサウンドを作り出せます。

さらに、Kramer Master Tapeにはテープディレイとワウフラッターの機能が搭載されており、音に奥行きや独特の揺らぎを加えることができます。

これにより、楽曲に厚みやヴィンテージ感をプラスし、温かみのあるアナログサウンドを手軽に実現できます。

初心者向けの使い方

サウンドにテープの質感を加えるには、まずインプットゲインの設定が重要です。VUメーターを見ながら、「-5dB」付近を目安に調整しましょう。サウンドが程よく丸みを帯び、コンプレッションが過剰にならないバランスが保たれます。

-5dB付近を目安に

次に、テープスピードとバイアスを調整します。

テープスピードやBIAS 設定で質感を調整

テープスピードが速いほど高域が強調され、遅い場合は高域がロールオフされ、丸みを帯びたサウンドになります。また、テープスピードを遅くすることで低域の厚みが増すという特徴もあります。

BIAS設定も同様に、NOMINALバイアスは低域を強調し、OVERバイアスは高域を強調する効果があります。

この調整は、フィルタリングを行うような感覚で扱うと良いでしょう。

アナログテープサウンドを得るためには、まずインプットゲインを適切に設定し、その後にテープスピードやBIASの調整で、トラックに合った周波数特性に仕上げるだけで基本的にはOKです。

テープディレイ機能も試してみましょう。なんとも味わい深いテープディレイサウンドを得ることができます。

テープディレイも使ってみよう

ギターにショートディレイをかけると、ダブリング効果が得られ、厚みが増します。30msあたりのディレイタイムが目安です。

まとめ

Kramer TTT (Tape, Tubes & Transistors) Bundleは、アナログ機材のサウンドを手軽に再現できる魅力的なバンドルです。

Kramer HLS ChannelKramer PIE CompressorKramer Master Tapeの3つのプラグインを活用することで、どんな楽曲にも温かみと豊かさを加えることができます。

このバンドルはDTM初心者でも簡単に扱える設計となっており、それぞれのプラグインが持つ独特のアナログ感が、楽曲に個性と深みを与えます。アナログサウンドに興味のある方は、ぜひ一度このバンドルを試してみてください。

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Yuuki-T
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