モノラルトラックを瞬時に広げる!Logic Pro 11 Sample Delay活用法
楽曲制作をしていると、モノラルトラックに広がりを持たせたいと思ったことがあるのではないでしょうか?
その際、ステレオイメージャーを使うことを考えるかもしれませんが、今回はLogic Pro 11の「Sample Delay」を使ってモノラルトラックに自然な広がりを出す方法をご紹介します。
Sample Delayとは?
Sample Delayは、エフェクトというよりも、どちらかというとユーティリティに近いツールです。このプラグインを使用すると、サンプル単位で特定のチャンネルにディレイを適用することができます。
モノラルトラックに広がりを出す
手順はとても簡単です。
Sample Delayをモノラルトラックのミキサーに挿入し、片方のチャンネルにだけショートディレイをかけます。
重要なポイントは、ディレイタイムを30ミリ秒(msec)以下に設定することです。人間の耳は30msec以上の遅れがあると、別のトラックとして認識してしまう傾向があるため、音を聴きながら最適なディレイタイムを調整してください。
なお、Logic Pro 11のSample Delayを使って説明していますが、他のDAWをお使いの方は、手持ちのディレイプラグインで代用しても問題ありません。その際、なるべく音に色付けが少ないディレイを選ぶようにしましょう。
ハース効果に注意
Sample Delayを使ったモノラルトラックの広げ方で重要なのが、ハース効果(Haas Effect)です。
ハース効果とは、同じ音をわずかに遅らせて再生することで、音が一方向から聞こえてくるように感じる現象です。この効果により、定位が左右どちらかに偏ってしまうことがあります。
定位のブレを修正するには、早く到達する方、つまりディレイを適用していないチャンネルの音量を下げて調整する必要があります。
ハース効果が気になる場合は、トラックを複製し、左右(LR)にパンを振り分け、片方のチャンネルにディレイを適用します。その上で、ディレイをかけていないチャンネルの音量を下げて、定位感を調整しましょう。
まとめ
Logic Pro 11のSample Delayを使えば、シンプルな操作でモノラルトラックに自然な広がりを持たせることが可能です。
ディレイタイムを30msec以下に設定し、ハース効果による定位のブレを避けるための調整を行えば、ステレオイメージャーを使わずともワイドなサウンドが手に入ります。
ぜひ、次回の楽曲制作で試してみてください!
いつも応援してくださるフォロワーや読者の皆さん、本当にありがとうございます。皆さんのサポートが私の活動の原動力です。