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独特のザラつきで音が生き生きと際立つ!SoundToys Radiatorの魅力と使い方
楽曲制作中に「音が平坦に感じる」と思ったことはありませんか?デジタル環境で制作された音は、どうしてもクリアすぎて立体感や温かみが不足しがち。特に、打ち込みがメインの楽曲では、その傾向が顕著です。
そんなときに役立つのが、「アナログ的な」質感を付加できるプラグインです。
今回は、アナログ的な質感を与えつつ、他とは異なる強烈な個性を持つプラグイン「SoundToys Radiator」を紹介します。
Radiatorの特徴
Altec 1567A チューブ・ミキサーをベースにしている
Altec 1567Aという1960年代の真空管ミキサーをモデルにしたプラグインです。
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このプラグインの最大の魅力は、その独特のザラつきや荒さです。特にロックやオルタナティブ系の楽曲制作において、その個性的な質感は他のプラグインにはない独自の味わいを加えることができます。
独特のザラつきや荒さがあるため、好みが分かれるかもしれませんが、ロックを好む私にとっては非常に頼りになるプラグインです。その強いキャラクターにより、ミックスで埋もれがちなパートをしっかりと前に押し出すことができます。。
MIC/LINEインプット切り替え
MICとLINEのインプットを切り替える機能があり、この切り替えによってキャラクターが大きく変わります。
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MICに切り替えると、中低域が抑えられ、抜けの良い音になります。一方、LINEは素材の持つ音質をそのまま活かしつつ、低域と高域を強調します。
重要なポイントは、ボーカルだからといって必ずしもMICモードを使用しなければならない、というわけではないことです。
素材そのものの音質を活かしたい場合は、基本的にLINEモードを使用するのが適しています。そして、たまにMICモードに切り替えて、どのようにサウンドが変化するかを楽しむと良いでしょう。
INPUTとOUTPUTで倍音をコントロール
INPUTとOUTPUTのバランスによって、倍音付加をコントロールできます。
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INPUTを上げることで音に倍音が加わり、独特の歪みや温かみが増します。そして、OUTPUTを絞ることで、その倍音が減少し、音の歪み具合を微調整できます。
通常、このようなプラグインでは、INPUTを上げると、音量を下げるためにOUTPUTを絞るという使い方をします。しかし、Radiatorでは、音量だけでなく倍音も同時に絞られるという特徴があります。
INPUTを上げた分、OUTPUTを調整することで、倍音が程よく抜けてくれるのです。
一般的な使用シーンでは、INPUTを上げてOUTPUTで倍音を抜くという使い方がオススメですが、敢えて抜かずに、よりザラッとした質感を与えたり、パラレル処理で原音と混ぜるなど、色んな音作りが楽しめます。
2バンドEQによる微調整
ベースとトレブルの2バンドシェルビングEQが搭載されています。
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ブースト/カット時の特性が違う上に、アマウント量によっても特性が変わるのが特徴です。
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このEQの特性により、音のかかり方が非常に心地よく感じられます。単に低域と高域をブーストやカットしているだけでなく、音に独特の気持ち良さが加わります。
特に、埋もれがちなパートにトレブルを少し持ち上げるだけでも、楽曲全体の印象が大きく変わるでしょう。
Radiatorの使い方
基本的なパラメーター
Radiatorのインターフェースは非常にシンプルで、初心者にも使いやすい設計です。以下が基本的なパラメーターです。
BASS – 低域のEQ調整
TREBLE – 高域のEQ調整
INPUT – インプットの音量調整
OUTPUT – アウトプットの音量調整
MIX – 原音とエフェクト音のバランス調整
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MIC/LINEインプットの活用について
RadiatorのMIC/LINEスイッチは、音のキャラクターを大きく変えるための重要なツールです。
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通常はLINEモードで使用し、素材本来の音を活かしましょう。ただし、特定のパートを強調したい場合や、音に独特のキャラクターを加えたい場合は、MICモードに切り替えると良いでしょう。
例えば、ボーカルにRadiatorを適用し、MICモードに切り替えると、中低域が抑えられ、抜けの良いクリアなサウンドに変わります。これにより、楽曲の中でボーカルが際立ち、リスナーの耳に強く印象付けることができます。
INPUTとOUTPUTのバランスについて
Radiatorを使用する際、INPUTとOUTPUTのバランスが非常に重要です、
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音を強くドライブさせたい場合はINPUTを上げ、倍音を多く含んだサウンドを作り出します。しかし、音が歪みすぎないように注意が必要です。歪みすぎた場合は、OUTPUTを調整して音量と倍音を適切にコントロールします。
例えば、ドラムトラックでは、INPUTを上げることでタイトでパワフルなサウンドに仕上げ、OUTPUTで音量を調整することで、全体のバランスを保ちます。これにより、ミックスの中でドラムが強調され、楽曲全体にエネルギーが加わります。
Radiatorを使うべきシーン
Radiatorは、その独特のアナログ感を活かして、さまざまなシーンで活躍します。特に、ドラムやベース、ボーカルといった主要なパートに対して使用することで、ミックス全体に温かみと立体感をもたらします。
また、ルームマイクやオーバーヘッドマイクに対して使用することで、クランチなサウンドを作り出し、楽曲に独特の雰囲気を加えることができます。
例えば、平坦で存在感のないドラムトラックにRadiatorを適用し、INPUTを上げて歪みを加えます。これにより、ドラムトラックが楽曲の中で際立ち、リズムセクションに力強さとエネルギーが加わります。
Little Radiatorとの違い
Radiatorには、簡易版である「Little Radiator」というプラグインも存在します。
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Little Radiatorは、Radiatorよりもシンプルな設計で、使いやすさを重視したプラグインですが、「Altec 1566A」という別の真空管プリアンプをモデリングしており、Radiatorとは異なるサウンドキャラクターを持っています。
Little Radiatorには、「HEAT」というパラメーターがあり、RadiatorのINPUTと同様に倍音をコントロールできます。また、「BIAS」というパラメーターを使って、独自の歪みを付加することが可能です。
まとめと次のステップ
SoundToys Radiatorは、DTM初心者にとっても扱いやすいプラグインです。
シンプルな操作性とわかりやすい効果により、誰でも簡単にアナログ感を楽曲に追加できます。特に、音が平坦に感じるトラックや、存在感が足りないパートに対して使用することで、楽曲全体の印象を大きく変えることができます。
まずはRadiatorを試してみて、自分の楽曲制作にどのような変化が起こるかを実感してください。次に、他のSoundToys製品(例えば、人気のDecapitatorなど)と組み合わせて、さらに多彩な音作りに挑戦してみるのも良いでしょう。
音の立体感や温かみを加えることで、リスナーに強い印象を与える楽曲を作り出すことができます。ぜひ、Radiatorを活用して、楽曲制作をさらにクリエイティブに楽しんでください。
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