知らないと損する!作業効率が激変するLogic Pro必須環境設定ガイド
Logic Pro 11を使ってDTMを楽しんでいる方の中には、「なんとなく初期設定のままで使っている」という方も多いのではないでしょうか?しかし、環境設定を見直すだけで作業効率が大幅に向上し、操作性も格段にアップします。
本記事では、Logic Pro 11の環境設定について、どのように設定すれば快適な制作環境を整えられるのかを詳しく解説します。
「作業が思うように進まない」「もっと効率的にDTMを楽しみたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください!
1. 高度な機能を有効にする
最初に必ず行うべき設定は、「すべての機能を有効にする」です。
Logic Proは初期状態だと簡易モードになっており、一部の高度な機能が無効化されています。この設定をオンにすることで、Logic Proの持つすべての機能を利用できるようになります。
Logic Proの「設定」を開きます。
「詳細」タブを選択し、「すべての機能を有効にする」にチェックを入れます。
これで、Logic Proのフル機能が解放され、より高度な作業が可能になります。
2. 一般設定
2.1 プロジェクト処理タブ
プロジェクト起動時の振る舞いやテンプレート設定などを決めます。
起動時のアクション
Logic Proを起動した際に、どのような動作を行うかを設定できます。
おすすめ設定:「何もしない」
私のように必要に応じてプロジェクトを選んで開く作業スタイルに適しています。ご自身の制作環境に合った設定で使ってください。
自動バックアップ
Logic Proは、自動でバックアップを保存する機能があります。バックアップの保存件数を増やすと安心ですが、その分CPU負荷が高まる可能性もあります。
おすすめ設定:10件(デフォルト)
最近使った項目
「ファイル」>「最近使った項目」に表示されるプロジェクトの数を設定できます。
おすすめ設定:10件(デフォルト)
2.2 編集タブ
取り消し履歴の数
作業を取り消す際に必要な「アンドゥ履歴」の件数を設定します。多く設定すれば安全性が高まりますが、その分CPU負荷が増えます。
おすすめ設定:100件(デフォルト)
右マウスボタンの設定
右マウスボタンでは、右クリックした際の挙動を選択できます。選べる主なオプションは以下の通りです:
ショートカットメニューを開く(デフォルト設定)
右クリックで便利なショートカットメニューを表示する、標準的な設定です。ツールに割り当て可能
右クリックに特定のツールを割り当て、即座にツールを切り替えることができます。この設定を使うと、3つ目のツールを割り当てられるため、作業効率を向上させることが可能です。
私の場合、デフォルトの「ショートカットメニューを開く」を使用していますが、ツールの頻繁な切り替えが必要な場面では「ツールに割り当て可能」を選択することもあります。
具体例:ハサミツールを右クリックに割り当てる
例えば、右クリックにハサミツールを割り当てると、トラックパッドを2本指でクリックするだけでリージョンを素早くカットできます。(私はMacBook Airを使用しています)
この設定を使えば、頻繁なカット作業が格段にスピードアップします。
フィードツールクリックゾーン
リージョンの上端にマウスを移動するだけでフェードツールが表示され、素早くフェード処理を行えるようになります。
おすすめ設定:オン
マーキーツールクリックゾーン
リージョンの下半分にマウスを移動するだけでマーキーツールが表示され、選択範囲を素早く指定できます。
おすすめ設定:オン(マーキーツールを頻繁に使う場合)
MIDIリージョンのダブルクリック時の表示対象
MIDIリージョンをダブルクリックした際に、どのエディタを表示するかを選択できます。
おすすめ設定:ピアノロール(デフォルト設定)
2.3 サイクルタブ
サイクル範囲の前処理
サイクル範囲を指定した際に、どのような動作を行うかを設定できます。特にこだわりがなければデフォルトのままで問題ありません。
2.4 キャッチタブ
キャッチモードのデフォルト設定
キャッチ機能の挙動を設定します。この機能は、タイムラインの再生ヘッドが移動する際に、画面上の表示エリアを自動で追従させるものです。
特段理由がない限り、デフォルト設定で問題ありません。
3. オーディオ設定
3.1 デバイスタブ
Core Audioの有効化
Core Audioをオンにすることで、Logic Proがオーディオデバイスを認識します。
出力デバイスと入力デバイス
使用するオーディオインターフェースやマイクを適切に選択します。
I/Oバッファサイズ
録音時とミキシング時で適切なバッファサイズを設定することが重要です。
録音時:32サンプルまたは64サンプル(低レイテンシー)
ミキシング時:512サンプルまたは1024サンプル(CPU負荷軽減)
レコーディングディレイ
録音時の入力音声のタイミングを調整する機能です。
おすすめ設定:0ms(デフォルト)
処理スレッド、プロセスバッファレンジ、マルチスレッド処理、サミング
これらの設定は、Logic Proの内部処理やCPUの使い方に関する重要な項目です。ただし、通常はデフォルト設定のままで問題ありません。
補足
CPU負荷が高すぎる場合、プロセスバッファレンジを大にすることで改善しますが、その分、レイテンシーは大きくなることを覚えておいてください。
3.2 一般タブ
自動バス割り当ての対象
自動的に作成されるバストラックの番号範囲を指定できます。
おすすめ設定:「32を超えるバス」
これにより、既存のバス構造に影響を与えずに新しいバスを作成できます。
録音可能チャンネルスリップの個別モニタリングレベル
この設定を有効にすると、レコーディング時と再生時で異なるモニタリングレベルを個別に設定できます。
3.3 サンプラータブ
デフォルト設定でいいでしょう。
3.4 編集タブ
複数のファイルを結合した場合や、テイクフォルダのコンピング時のクロスフェードの設定ができます。
私はデフォルト設定のまま使っていますが、自分の環境に最適なクロスフェードタイムやカーブを設定してください。
3.5 ファイルエディタタブ
オーディオファイルをファイルエディタで開いた際の挙動を決めます。
私自身はファイルエディタをほとんど使用しないため、デフォルトのままにしています。
3.5 MP3タブ
MP3ファイルのエクスポート時の品質やビットレートなどを設定できます。
これらの設定はプロジェクトをバウンスする際に簡単に調整できるため、特別な理由がない限りデフォルト設定のままで問題ありません。
4. 録音設定
録音ファイル形式
録音するファイル形式を選します。また、ビット数は24ビットを選ぶと、十分な音質を確保できます。
おすすめ設定:WAVE、24ビット
補足
32bit対応のインターフェースを使う場合は32bitフロートも選べますが、私のように個人で音楽を楽しむだけであれば、24ビットで十分です。
トラック録音時の重複設定
録音中にリージョンが重なった場合の動作を設定できます。
おすすめ設定
MIDI録音時:結合
複数回に分けて録音する場合でも、リージョンを1つにまとめることができます。オーディオ録音時:テイクフォルダを作成
オーディオ録音ではテイクフォルダを使うことで、複数テイクを簡単に管理できます。
5. MIDI、スコア、ムービー設定
これらの設定は、特に高度なMIDI編集や映像と連携した作業を行う場合に調整する必要があります。通常のDTM作業ではデフォルト設定のままで問題ありません。
6. オートメーション
リージョンと一緒にトラックオートメーションを移動
リージョンを移動する際に、そのリージョンに関連付けられているオートメーションを一緒に移動させるかどうかを設定できます。
おすすめ設定:確認
「オートメーションを移動しますか?」と都度確認を求める設定にすることで、意図しないオートメーションの移動を防げます。
鉛筆ツール
Optionキーを押さえたまま、鉛筆ツールでオートメーションを書く時の挙動を指定できます。ご自身の好みに応じて変更してください。
ステップ編集のオプションを保持
階段状のオートメーションカーブを作成できます。
カーブ編集のオプションを保持
丸みを帯びたオートメーションカーブが作成できます。
"Write"モード切り替え
オートメーションをWriteモードで操作した後に、自動的に切り替わるオートメーションのモードを選択します。
7. コントロールサーフェイス
外部のハードウェアコントローラー(MIDIコントローラーやフェーダーなど)をLogic Proに接続して使用する場合は、この設定を見直す必要があります。
8. 表示
Logic ProのUI関する設定ができます。
トラックカラー
自動割り当てに設定することで、新規トラック作成時に、カラーパレット内の色を順に割り当てることができます。
マーカーカラー
自動割り当てに設定することで、マーカー作成時にカラーパレット内の色を順に割り当てることができます。
背景
プロジェクトの背景の明るさを決めることができます。好みに応じて設定してみてください
ステレオ出力に"Mastering Assistant"ボタンを表示
チェックは外しておくことをオススメします。
チェックを入れたままだと、ステレオ出力にマスタリングアシスタントボタンが表示されるため、誤ってクリックして起動してしまうケースが起こりやすくなります。
まとめ
Logic Pro 11の環境設定を見直すことで、制作効率を大幅に向上させることが可能です。
本記事では重要と思われる設定項目を網羅し、それぞれの設定方法とおすすめ設定を解説しました。まずは、自分の制作スタイルに合わせて設定を変更し、より快適なDTM環境を手に入れましょう。