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リバーブより効果的!ディレイでボーカルを劇的に引き立たせるミキシング術

ボーカルミキシングでリバーブを使った際に、音が奥に引っ込んでしまうことはありませんか?リバーブは音に広がりを持たせる効果がありますが、ボーカルを前面に出したい場合には必ずしも最適な方法とは言えません。

そんな時に役立つのが「ディレイ」です。

ディレイを使えば、ボーカルを前面に押し出しながら、立体感と深みを加えることができます。特に、「スラップディレイ」や「189msディレイ」は、ボーカルを際立たせるための強力なテクニックとして知られています。

この記事では、DTM初心者でも簡単に実践できるディレイの設定方法を紹介します。


ディレイを使う理由とは?

ボーカルミキシングでディレイを使う理由は何でしょうか?

ディレイはリバーブと同様に、音に空間的な広がりを与えるエフェクトですが、リバーブとは異なり、音を後ろに引っ込めずに前に押し出す効果があります。この特徴によって、ボーカルが楽曲全体の中でもしっかりと際立ち、リスナーにとって聞きやすくなります。

特に、ボーカルが楽曲のメインである場合、ディレイを効果的に使うことで、ボーカルがより力強くなり、リスナーの耳に印象的に残るミックスを実現できます。


スラップディレイ

スラップディレイとは?

スラップディレイとは、非常に短いディレイタイム(通常65ms~180ms)を設定し、ボーカルトラックに微妙な空間感を与えるエフェクトです。リバーブのように音が後ろに引っ込むことなく、ボーカルを前に押し出す効果が期待できます。

スラップディレイ設定例

スラップディレイは、ロックやポップスなど幅広いジャンルで頻繁に使われており、ボーカルが空間に存在している感覚を与えながらも、しっかりと前面に出す効果があります。

スラップディレイの設定ポイント

  • ディレイタイムの目安は100ms前後

    • ディレイタイムが短すぎるとダブリングのように聞こえ、逆に長すぎるとボーカルとディレイが分離して聞こえてしまいます。100ms前後を基準に調整しましょう。

  • フィルター設定で自然な仕上がりに

    • ディレイが強調されすぎると、ボーカルが不自然に感じられることがあるため、ローカットとハイカットを使ってディレイ音を調整します。

  • Waves H-DelayでのフィルタリングとLoFiの活用

    • Waves H-Delayを使用する場合、フィルタリングを行いながらLoFiスイッチを活用することで、アナログライクな温かみのあるディレイ音を作り出すことも可能です。

フィードバックはゼロに設定し、ディレイが1回だけ返ってくるように調整します。これにより、ボーカルを邪魔せず、適度な空間感を作り出すことができます。


189msディレイ

189msディレイとは?

その名の通り、ディレイタイムを189msに設定することで、ボーカルの背後に自然なディレイを配置し、ボーカルを一層際立たせ、リスナーに強く印象づける効果が得られます。

189msディレイ設定例

189msディレイの設定ポイント

  • ディレイタイムは189msに固定

    • ディレイタイムは189msに設定します。楽曲のテンポに依存せず、どんなジャンルにもマッチする特性を持っています。

  • フィルター設定で楽曲に馴染ませる

    • フィルタリングを行い、300Hz以下をローカットし、4kHzあたりをハイカットすることで、ディレイ音が過度に強調されることなく、自然に馴染むように調整します。

  • リバーブの併用で空間感をプラス

    • 189msディレイにリバーブを軽く加えることで、ディレイ音が楽曲全体により馴染み、空間感と深みをプラスすることが可能です。


まとめ

今回紹介したスラップディレイと189msディレイは、ボーカルを前面に押し出しつつ、空間的な広がりを加えるための非常に効果的なテクニックです。リバーブとは異なり、音が後ろに引っ込むことなく、リスナーの耳にしっかりと残るボーカルミックスを実現できます。

ぜひ、これらのディレイ設定を試してみて、あなたの楽曲制作に活かしてください。あなたの音楽がさらにプロフェッショナルな仕上がりに近づくことでしょう。

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Yuuki-T
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