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Waves Signature Series各ドラムミックス用プラグインのサウンドの傾向について

先日、Waves Signature Seriesを使ったドラムミキシングについて解説しました。

その際、私が愛用しているEddie Kramer Drum Channelを取り上げましたが、ドラム用のプラグインは他にも複数ラインナップされています。

それぞれのプラグインは、開発に携わった著名エンジニアのサウンドカラーが色濃く反映されており、どのプラグインが自分の好みに合うか迷うかもしれません。

今回はWaves Signature Seriesのドラム用プラグインをピックアップして、それぞれが持つサウンドの傾向について書いておこうと思います。



CLA Drums

Signature Seriesの中で特に人気を誇るのが、CLA Drumsです。

CLA Drums

「ロックテイストのド派手なサウンド」というイメージがありますが、エフェクトのかけ方次第で、クリアで洗練された仕上がりも可能です。

サウンドの守備範囲が非常に広く、今回紹介するプラグインの中では最もバランスが取れていると言えます。そのため、多くのユーザーに支持されているのも納得です。

一方、このプラグインの持つ強烈な個性には注意が必要です。

CLA Drumsで処理を行うと、どんな素材でも「CLA サウンド」に寄せてしまうため、素材本来の音を活かしたい場合には不向きと感じることもあるかもしれません。

この強烈な個性を魅力と捉えるかどうかが、このプラグインを選ぶ際のポイントとなるでしょう。

総じて、CLA Drumsはミックスよりもサウンドメイクを目的とした場面でその力を最大限に発揮するプラグインです。特に、ロック系やエネルギッシュな楽曲を素早く仕上げたい方にとって、非常に頼れるツールと言えるでしょう。


Eddie Kramer Drum Channel

私が最もよく使用するのが、Eddie Kramer Drum Channelです。

Eddie Kramer Drum Channel

どことなくヴィンテージライクなサウンドを連想するかもしれませんが、パンチの効いたクリアで音抜けの良いサウンドが魅力です。

先に紹介したCLA Drumsよりも、さらにクリアで洗練された仕上がりを得られるため、軽快なポップスや明るい楽曲にも適しています。

一方、このプラグイン特有のアナログっぽい質感が、場合によってはミックスに馴染みにくいこともあります。特に、シャープでモダンな質感を求める楽曲では、この質感が逆に邪魔になる可能性があります。

それでも、輪郭がしっかりと際立つクリアなドラムを作りたいときには、間違いなく頼りになるプラグインです。ポップスやロック、抜けの良いドラムが求められる楽曲で、ぜひ試してみてください。


JJP Drums & JJP Cymbals and Percussions

最もモダンなサウンドを楽しめるのが JJP DrumsJJP Cymbals and Percussionsです。

JJP Drums

このプラグインは、他のSignature Seriesのプラグインでは実現できない、エッジの効いたタイトな質感が特徴です。

CLA DrumsEddie Kramer Drum Channelは音を「寄せる」傾向がありますが、JJP DrumsJJP Cymbals and Percussionsは素材そのものの個性を生かしたままタイトに仕上げます。

変な味付けが少なく、シンプルで使いやすいと感じる人も多いでしょう。ドラムの素材感を保ちながら、シャープで現代的な音を作りたいときに最適です。


Maserati DRM

最後に紹介するのは、最もナチュラルな処理が特徴のMaserati DRMです。

Maserati DRM

自然で生々しいサウンドと、その上に加わる艶やかな質感が特徴です。

ドラムの素材が本来持つ「美味しい部分」をさらに引き立てるような処理を行います。その結果、音に説得力と存在感が加わり、楽曲全体のクオリティが一段と引き上げられる印象を与えます。

R&Bやヒップホップといったジャンルに適していると言われるのは、この艶やかで滑らかな音質が楽曲全体の雰囲気に絶妙にマッチするためです。

ナチュラルな生感を持ちながらも、程よい艶をプラスしたいときにぜひ試してほしいプラグインです。

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Yuuki-T
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