ボーカルが劇的に変わる!SoundToys Little AlterBoyで作る最強ボーカルサウンドメイク
今回は、ボーカルのピッチやフォルマントを手軽に調整できるSoundToys Little AlterBoyを紹介します。
手軽な操作で、ボーカルに多彩な表現を加えられるこのプラグインは、あらゆるジャンルで活躍すること間違いなしです。
SoundToys Little AlterBoyの魅力とは?
Little AlterBoyは、ピッチやフォルマントを調整することで、ボーカルに様々な表現を加えることができます。
また、それらを利用して、ダブリングやバックコーラスの生成、さらにはケロケロボイスのようなエフェクトも簡単に作成できます。
UI(ユーザーインターフェース)が直感的で操作しやすく、誰でもすぐに使いこなせるのが大きな魅力です。
Little AlterBoyの3つのモード
Little AlterBoyには、TRANSPOSE、QUANTIZE、ROBOTの3つのモードが搭載されています。それぞれのモードがどのようにボーカルサウンドに影響を与えるのかを解説します。
1. TRANSPOSE(トランスポーズ)
TRANSPOSEモードは、ピッチ補正なしでボーカルのピッチとフォルマントをシフトするモードです。例えば、男性のボーカルを女性的に、あるいはその逆に変えることができます。
2. QUANTIZE(クォンタイズ)
QUANTIZEモードは、入力されたボーカルを近い音階にピッチ補正しながら、ピッチとフォルマントをシフトします。このモードでは、ケロケロボイスのようなエフェクトを簡単に作成できるため、最近のトレンドサウンドを楽曲に取り入れやすいです。
3. ROBOT(ロボット)
ROBOTモードでは、ボーカルを特定の音階にシフトします。機械的なサウンドや、エレクトロニカ、実験音楽に適した特殊効果を加えることが可能です。サウンドデザインに個性を加えたいときにぜひ試してみてください。
ボーカルの質感を変えたい場合は「TRANSPOSE」でピッチとフォルマントを調整し、今風のケロケロボイスを作りたいなら「QUANTIZE」を選びます。さらに、独特なエフェクトを加えたい場合は「ROBOT」に設定すれば、簡単に特殊効果を得ることができます。
用途に応じてピッチ/フォルマントシフトしよう
ボーカルの質感を調整する際には、ピッチとフォルマントのシフトが非常に役立ちます。
特にフォルマントは、下げると男性的で色っぽい声に、上げると女性的で明るい声に変えることができるため、楽曲に合わせた質感を自在にコントロールすることが可能です。過度にフォルマントを上げると、子供っぽい声になることもあるので、調整次第で様々な表現が楽しめます。
一般的に、ピッチを上げると明るい子供のような声になりますが、ピッチを変更できない場合や、明るさが不足していると感じた時にフォルマントの調整は非常に有効です。
質感の変化以外にも、ピッチやフォルマントを活用した様々な使い方があります。
例えば、ピッチをハモりの度数にシフトし、フォルマントを少し下げるだけで、バックコーラス的な効果を簡単に作り出すことができます。また、ピッチを変更せずにフォルマントのみを調整すると、ダブリングのような立体感のあるサウンドを作成することも可能です。
サチュレーションを加えて音に厚みを
Little AlterBoyは、ピッチとフォルマントシフトに加えて、サチュレーションも付加できます。
この機能は、SoundToysの人気プラグインDecapitatorから移植されたもので、アナログの温かみを持たせることが可能です。特に、ロックサウンドやインパクトを出したいトラックに最適です。
過度に歪ませても、耳障りな高域が邪魔をしないのが特徴で、音に深みを持たせることができます。
MIDI鍵盤を使ってリアルタイム操作
Little AlterBoyでは、MIDI鍵盤を使ってボーカルのピッチをリアルタイムで操作することも可能です。
これにより、リードボーカルを即座にリアレンジしたり、ハモりの度数を指定してバックコーラスを作ることができます。リアルタイムで操作できる点は、クリエイティブな音作りに非常に役立ちます。
まとめ
ピッチやフォルマントシフトによる質感調整から、特殊なエフェクト、サチュレーション(歪み)の追加、さらにはリアルタイムでの操作まで、Little AlterBoyが持つ可能性の広さをご理解いただけたかと思います。
トラックメイク時のボーカルサンプルに適用するのに最適なツールだと思いますが、普通の歌モノでもその威力を存分に発揮します。
ただし、ボーカルを加工する際には、歌い手の意向も重要です。声を加工されるのを好まない場合もあるので、事前に十分な話し合いをすることをおすすめします。