【雑記】表計算ソフト栄枯盛衰~ニッチな唯一無二の機能を実装した、Lotus Improv(ロータス・インプロブ)~
多次元データの並べ替えという機能
発売されたのは、MS-DOSの時代では表計算で圧倒的なシェアであったLotus(ロータス)社が、Windowsの時代になり次第に存在感をなくしていく時期だったと思います。
非常に独創的な機能を持った表計算ソフトがそのLotusから発売されました。
そのソフトの機能を言葉で説明するのは難しいのですが、例えば以下の様なものです。
地域、区分、種類別の以下の様な売り上げ表があったとしましょう。
これを並べ替え、関東-関西という地域で横並びした形の表に修正します。
上記の形式だと地域別の比較が容易ですね。
また、並べ替えて以下の様にもできます。
これだと、種類別の切り口で分析できそうです。
こんな風に、多次元データを、縦/横および親子関係を自由自在に入れ替えて再配置できるという機能です。
ピボットテーブルとは違う価値
ピボットテーブルと似ていると思われるかもしれませんが、ピボットテーブルの場合は、小計をとるため、元のデータの個別の情報は失われています。
一方、Improvでは、元のデータを再配置するだけで、情報は一切失われません。また、縦/横を入れ替えたり、親子関係も入れ替えられます。
また、ピボットテーブルからデータを編集してオリジナルへの反映はできませんが、Improvでは、どの形式での編集でもオリジナルに反映されます。
パッケージはフィロッピーだった
当時はフロッピーの形で発売されていました。
こんな3.5インチのプロッピー、見たことがある人も少なくなったのではないでしょうか。もちろん、インストールして使うときはHDDから起動しましたが・・・。
当時はまだマシンの性能が貧弱な時期で、使っているとしばしば砂時計状態(ウェイト)になった記憶があります。
Wikiの情報のご紹介
日本ではほんのわずかな間だけ発売されていたと思います。Lotus社もIBMに買収されてしまい、残念ながら20世紀中に発売は停止されました。
海外のWikiに情報がありましたので、ご紹介してみます。
Lotus Improv is a discontinued spreadsheet program from Lotus Development released in 1991 for the NeXTSTEP platform and then for Windows 3.1 in 1993. Development was put on hiatus in 1994 after slow sales on the Windows platform, and officially ended in April 1996 after Lotus was purchased by IBM.
簡単に翻訳してみます。
Lotus Improvは、1991年にNeXTSTEPプラットフォーム用にリリースされ、その後1993年にWindows 3.1用にリリースされたLotusDevelopmentの表計算プログラムで、現在は廃止されている。Windowsプラットフォームでの販売が低迷した後、1994年に開発が中断され、LotusがIBMに買収された1996年4月に正式に終了した。
なかなか斬新で、今でもエクセルに組み込んで欲しい機能で、多次元データを色々な切り口で並べ変えたいとき、ちょっと惜しいなと思っているソフトです。
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