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【GASでIoT】GASと「Pico W」を使ったギミックのケーシングを考える~(2)NeoPixcelをペーパークラフトの箱に実装する~
Goole Apps Script(GAS)を使うと、Googleスプレッドシートをデータベース代わりにしたWEBアプリが簡単に作成できます。
サーバーの準備が不要で、始めるまでの学習ハードルが低いため、アマチュアでもWEBアプリ作りを容易に始められます。
GASの利用価値はそれだけではありません。クラウドベースである事を利用して、ネット通信可能なシングルボードコンピュータやマイコンとも連携して、「IoT」をすることもできます。
こうした装置(ギミック)を、日常生活で使いたいとする場合、「見た目」がやや問題になります。
むき出しのブレッドボード、配線、デバイスが見えたままで、生活空間に置きたくないものです。
そこで、コストを掛けずに「見た目」を良くするために、ペーパークラフトの箱に納めてみることを試みました。取り上げるギミックは、表示デバイスとしてフルカラーLEDの「NeoPixcel」を、マイコンに「ラズベリーパイPicoW」を使ったものです。
以下の記事の続きになります。
取り上げるギミックは、以下の記事にある「お天気インジゲータ」を元にしたものです。記事では「ラズベリーパイ ZeroW」を使っています。
上の例では、NeoPixelはそれなりに納まって見えていますが、すぐ外れてしまいますので、日常使いで壊れない様に見直しました。
見苦しくないモノにして、目に付くところに置いておけば、「お天気インジゲータ」の色をみて、傘を持って出るかを判断するなど、日常がちょっと便利になりそうです。
まず「NeoPixel」を小ぎれいに実装したい
今回は、表示デバイスとして、「NeoPixcel(ネオ・ピクセル)」を利用します。
![](https://assets.st-note.com/img/1684878151993-fDZRofcEyr.png)
NeoPixcelは、Adafruit(エイダ・フルーツ)社が発売している、LEDテープで、低コスト(1灯数十円)、フルカラーで、個々の素子を色・輝度ともコントロール可能というメリットがあります。
ゲームセンターなどの商用施設で、電飾目的で使われることが多いのですが、1つずつの素子が制御ICを内蔵したフルカラーLEDで、個別に色や明るさをコントロールできる優れものです。
ごくシンプルな情報の表示器として、「安価」で「離れても見える大きめのディスプレイ」の用途で使えそうです。
液晶などは、サイズが大きくなると急激に価格が上がり、シンプルな情報の表示器としては不釣り合いなので、除外しました。
ただし、むき出しのストリップを並べただけだと電極の銅箔が乗った基材が見えて、少々不格好です。
![](https://assets.st-note.com/img/1684878615868-yAlZTeDlRM.png)
上の写真は、NeoPixcelを棒グラフ表示器に使った例です。以下の記事で紹介しています。
また、1灯ずつはとても明るいのですが、点光源のため、ディスプレイ用途としては面積がやや小さく、インジゲータとしてはもっと大きく見せたいと感じていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1684878958755-gteO6ALXyP.png)
表示器用途で使う場合、基材は見えない様にケース裏に隠し、点灯部はレンズ状のカバーなどをつけて、大きく見せたいと考えました。
![](https://assets.st-note.com/img/1684879148199-H6QNt0Yodr.png)
ケース材の厚紙にNeoPixcelを納める
ケース材の加工~手加工は難しい~
NeoPixcelを、基材を隠して点灯部だけ見せるには、ケース材として採用した厚紙に覗き穴を開け、そこから点灯部だけを見せる様にすれば良いでしょう。NeoPixcelをよく見ると、LED素子そのものは四角い形をしていますので、カッターなどで厚紙を切れば対応できそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1684962997000-MNYbFKFFwx.png)
ケース材の材料とした工作用のカラー厚紙を購入し、カッターで穴を開けてみることにしました。
ところが、カッターでの穴加工は存外難しいものでした。紙が厚いので、刃先が少し斜めになると、表と裏とでカットラインの位置が変わります。
そして穴のサイズが7mm程度と小さいので、1ミリ程度ブレても、大きくブレている様に感じられ、仕上がりがとても乱雑に見えてしまいました。
どうやら手加工は難しそうです。どうしたものか・・・
カッティング・プロッタを使う
手加工は難しいので、何らかの道具や機械を考えました。
まず試したのがポンチを使った穴加工です。革細工のもので試しましたが、上手く厚紙を打ち抜けませんでした。
その他、穴あき部は3Dプリンタなど別部材化する、レーザ加工機を使うなども考えましたが、最終的に選んだのは「カッティング・プロッタ」とよばれる加工機を使うカット方法です。
以下の写真は「カッティング・プロッタ」の一例ですが、プリンタの様な形をしていて、シート状のものをカットするのに使われるものです。
![](https://assets.st-note.com/img/1685050929192-Qw3SuL3Pz6.png)
この機械は、「ペン・プロッタ」と呼ばれる、ペンを動かして印刷するプリンタの亜流で、ペンの代わりに「ニードル」と呼ばれる針状の刃が装備されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1685050681114-NlktDGrepL.png)
これを動かして、ペンで絵を描く代わりに、シートを切り取り加工するものです。
![](https://assets.st-note.com/img/1685051076164-lcdRSz5WBl.png)
数万円するのですが、古いカッティング・プロッタが中古市場に出ていたのを1万5千円で購入して使いました。
以下が、「NeoPixcel」の覗き穴をカッティング・プロッタで開けた結果です。
・・・まずまず使えそうです!
![](https://assets.st-note.com/img/1684963887319-KPgxfXYeMx.png?width=1200)
実際の切り抜きでは、紙が厚いので、刃を4回走らせる設定にしました。
ちょっと穴が歪んでいますが、何度も刃を走らせる内に、厚み方向での誤差が累積した結果と思います。
この機械を使うと、穴加工だけでなく、箱そのものの展開図を切り出すこともできます。
色々ためした結果、まず穴加工を先に行い、用紙の展開図は、その後に刃を1回だけ走らせてケガキ線だけ入れることにしました。そして最終的な展開図の切り出しはハサミで行うことにしました。
厚い紙をカットする際、カッティング・プロッタに負担がかかって異音がするため、ハサミ加工できる部分は無理に切り出しさせませんでした。
以下が箱材の展開図を切り出したところです。
![](https://assets.st-note.com/img/1685051483120-zEytndjSzg.png?width=1200)
折り込んでいって・・・
![](https://assets.st-note.com/img/1685051558056-iRPVXTLj0x.png?width=1200)
うまく箱にできました。
![](https://assets.st-note.com/img/1685051591085-JIc7HCoKVM.png)
コーナー部の重ね部の固定は、ホチキスで行いました。接着剤や特殊なピース材を使う方法も検討したのですが、結局これが一番早くて確実でした。
箱ができたら、ここにNeoPixcelを装着していきます。これについては、次の記事でご紹介します。
![](https://assets.st-note.com/img/1684963932885-jCXbP8uLmP.png)