【GASでIoT】手頃な表示デバイス、「7セグメントLED」をアマチュアが安価に実装する方法を探る
GAS(Google Apps Script)を利用すると、WEBアプリが用意に作成できます。WEBアプリを使うと、必要な情報がスマートフォンでもPCでも閲覧可能になります。
情報の中には、グループでの予定表など、折りに触れて確かめたいものもあり、こうした情報は、もっと大きな表示デバイスを使って、部屋に掲示しておけば、いちいちスマートフォンを覗かずに情報共有できて便利です。
ところが、液晶などの表示デバイスは面積が大きくなるに従って、値段も飛躍的に高くなる一方、掲示したい情報は、天気情報など日常の些事である事が往々にしてあります。
こうなると、ディスプレイの価格が情報の価値と釣り合わず、情報の掲示はなかなか手軽に実行できません。
GASを利用した情報表示は、ネットに接続できるデバイスなら何でも利用できる可能性がありますので、もっと安価なディスプレイ手段がないか色々探ってきました。
今のところ、ラズベリーパイPico W(1000円程度から)でスプレッドシートやGASにアクセスし、ここからフルカラーLEDなどを点灯させることで、安価な掲示ディスプレイができるのではないかと考えています。
この記事は、そんな試行錯誤の一環として、7セグメントLEDを使った掲示用のディスプレイの実装にトライしたレポートです。何かのご参考になれば幸いです。
安価な文字情報の表示デバイス、7セグメントLED
今回、安価な表示デバイスとして採用したのが、7セグメントLEDです。
掲示用に使えるだけの大きさがあり、棒状のLEDを使って以下の様な文字を表示できます。
色やサイズの品揃えも多く、桁数にもよりますが、100円台で購入できます。
補足:他の表示デバイス
アマチュアが容易に入手できる表示デバイスには、その他にも色々あります。
・ドットマトリックスLED
文字を点の集まりで表示できます。500円~1000円といったところ。
・液晶(LCDディスプレイ)
文字を点の集まりで表示できます。粗いドットでの図形描画もできます。これも500円~1000円といったところです。
・有機LED(OLEDディスプレイ)
LCDよりも細かい点で、文字や図形描画ができます。切手サイズで500円~1000円といったところです。
今回、採用の基準にしたのが、20~30ケの実装が、手頃な価格で可能なこと、遠くからでも目視できる大きさであることです。
数を揃えることで、カレンダーを兼用したディスプレイなどを考えています。
これらをせいぜい数千円で用意したいと考えました。
7セグLEDであれば、数十個揃えても2~3千円といったところでしょう。
ところが、ドットマトリックス、LED液晶(LCDディスプレイ)、有機LED(OLEDディスプレイ)は、20~30ケ揃えると1万円を超える価格が予想されたため、採用できませんでした。
7セグメントLEDの最大の欠点は配線の煩雑さ
7セグメントLEDの最大の欠点は配線の煩雑さです。
LEDを個別に点灯させるという、素朴な構造であるのと引き換えに、配線は複雑化し、1つの素子で10本を超える配置が必要になります。そのまま制御デバイスに配線すると、であるラズベリーパイPico Wなどのピンがすぐ埋まってしまいます。
そこで、7セグメントLEDと、制御デバイスであるラズベリーパイPico Wなどとの間に入れて、配線数を抑制するためのドライブICが発売されています。
このICを介することで、7セグメントLEDを何個使っても、制御デバイスとの配線を5本程度にまで押さえることが可能です。
安価なドライブICは8桁のみ
最も良く市販されているものが、8桁のドライブICです。7セグLEDと併せて安いものでなんと100円台の例もあります。
他の桁は殆ど見掛けないのは、おそらく8桁程度まとめないと、ICのコストに見合わないからと思われます。
安価なドライブICを使って2桁や4桁の表示を行うには
安価なドライブICがほぼ8桁しか無いのですが、カレンダーの日付などを考えると、2桁や4桁の方が使う頻度が高そうです。
そこで、市販の8桁ドライブICを利用して、2桁や4桁の表示を試みたのが以下の記事です。
記事を見て頂くと判りますが、配線でぐちゃぐちゃで、実使用するにはこれをどうにかしなければなりませんでした。
とりわけ、2桁LEDの配線周りをすっきりさせるのが課題でした。また、7セグメントLEDを嵌め込んだケース材をどうするかも問題でした。
2桁LEDを安価に実装するひとつの解決方法
以下が今回ご紹介する、7セグメントLEDを2桁x4ケ実装したディスプレイの試作品です。
安いサイトで購入した、50円程度の7セグメントLEDが4つ、150円程度のドライブICが1つ、それをケーブルでつないで、工作用厚紙のペーパークラフトで作ったケースに嵌め込んだものです。
全体のサイズはA5版サイズぐらい。
中身はこんな感じ。手前のICはラズベリーパイPico Wで、奥のICが7セグメントLEDのドライブIC、黒いケーブルは電源線です。
まだ試行錯誤の一環なので工作は粗いのですが、これを原型として、そのままスケールアップが自由にできそうなところまでこぎつけました。
安価であると同時に、工作の難度もそれほど高くない方法で作れると自負しているのですが、メイキングについて、次の記事でご紹介します。
次の記事はこちら⇒