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【GASでサイエンス】身の回りの物質の「分子」の立体モデルを一覧で鑑賞する(2)~オープンソース『MolView(モル・ビュー)』のご紹介~

Googleスプレッドシートの様な表計算ソフトは、多彩なデータを一覧にして解りやすく示すのに大変便利なツールです。

そんな、多彩なものの一例として、少々マニアックかもしれませんが、色んな物質の「分子」を、立体モデル表示アプリと組み合わせて一覧で鑑賞するアプリを取り上げます。

分子の立体モデルは『MolView(モル・ビュー)』というオープンソースのWEBアプリで表示できます。表示された分子モデルは3Dでなかなか見ごたえがあるのですが、1つずつの分子しか表示できません。

これに、一覧表示を得意とするスプレッドシートとGASを組み合わせると、f複数の分子の3D画像を一覧で鑑賞(?)でき、初学者の学習などに役立つかもしれない・・・そんなアプリのご紹介記事になります。

今回は、3D表示を担うアプリである『MolView(モル・ビュー)』の機能についてご紹介します。


オープンソースのWEBアプリ『MolView(モル・ビュー)』のご紹介

掲題の『MolView(モル・ビュー)』については、前の記事でも少し触れましたが、主要な機能を改めてご紹介します。

利用するには

このアプリは、「水」や「二酸化炭素」といった分子の「形」を、3Dモデルで表示する事によって、化学の勉強に役立てる為に開発されました。

WEBアプリですので、インストールする事なく、ネット上で以下のリンク先にアクセスするだけで、直ちに使う事ができます。無料でユーザ登録も求められません!

起動後の操作



以下のリンクを開くと、オープニング画面が表示されます。

オープニング画面

オープニング画面の上の方にある「CLOSE(閉じる)」をクリックすると、アプリの使用画面になります。左が「O(酸素)」や「C(炭素)」の元素を組み合わせて分子(構造式)を描く画面、右が描いた分子のモデルを表示の画面です。

デフォルトでは、以下の分子が読み込まれています。

起動後のデフォルトの状態

このアプリについて

ここで、このアプリがどういうものか、紹介記事を読んでみましょう。英語ですが、Google翻訳を使えば内容は分かります。


MolView: An App to View Structural Formulas and Models
Michelle Okroy | Mon, 08/08/2016

『MolView(モル・ビュー)』:構造式とモデルを表示するアプリ Michelle Okroy著 | 2016年8月8日月曜日


What is the best way for students to visualize compounds? From the traditional physical ball and stick models to the various online simulations the objective for all of these tools is to provide one with a visual for the different structures and patterns. This summer while facilitating a workshop, the participants and I discussed this question and while reviewing various representations we came across MolView

学生が化合物をビジュアル化する最も良い方法は何でしょうか?  以前からある現物の「球棒模型」から、オンラインによる模擬表示までさまざまにありますが、これらすべてのツールの目的は、多様な構造やパターンを目に見える形で示すことです。 今年(2016年)の夏、この疑問についてワークショップを進めながら、参加者と意見を出し合い、さまざまな表現を検討しているときに、私は『MolView』に出合ったのです。

In July of 2014 a Dutch undergrad student, Herman Bergwerf, launched the Chrome app MolView(link is external) with the objective for users to visualize various molecular and ionic structures. MolView(link is external) is comprised of two main parts, a structural formula editor and a 3D model viewer. The user can draw a compound or choose from a selection of compounds from three databases. Once a compound has been selected the user can click the 2D to 3D button to convert the molecule into a 3D model which is then displayed in the viewer, located on the right side of the screen.

2014年7月、オランダの大学生であるHerman Bergwerfは、利用者にさまざまな分子やイオンの構造を視覚化して見せることを目的とした、Chrome上のWEBアプリ、『MolView』をリリースしました。 『MolView』は主に、構造式エディターと3Dモデルビューアーの2つの部分で構成されています。 ユーザーは、化合物を描画するか、3つのデータベースのどれかを選んで化合を選択します。 化合物を選択したら、ユーザーは2Dから3Dボタンをクリックすると、分子を3Dモデルに変換され、画面の右側にあるビューアーに表示できます。

オランダの学生が作ったものだったのですね!

このWEBアプリは、上記の文にある様に、自分で化学構造式を描いたり、データベースから化合物を引用し、これを3Dモデル化するものですが、初めてでもとても使いやすいのが特長です。

使い方について

説明なしでも始められますが、使い方を簡単にご説明します。

起動したら、右上にある「ゴミ箱」のアイコンをクリックします。するとデフォルトの化合物が消去され、画面がクリアされます。

まずゴミ箱アイコンで画面クリアする

次に、右側にある元素記号と、左側にある結合要素で分子を描きます。

水分子を描いてみよう



ここでは「H2O」つまり水の分子を描いてみます。

右側のアイコンから、「H(水素)」と「O(酸素)」をクリックして画面に並べます。あとで再配置しますので、適当な位置でかまいません。

HとOの元素を並べる

次に左側にある結合要素で、元素を結びます。ここでは単結合「-」をクリックして使います。


結合要素で元素を結ぶ

次に「ほうき」アイコンをクリックすると、元素が案配よく再配置されます。

ほうきアイコンで再配置する

これで入力は終了です。

上の方にある「2Dto3D」ボタンをクリックすると、3Dモデルが生成されます!


3Dモデルの生成

3Dモデルはマウスで回したり、ホイールで拡大/縮小可能です。

マウスで回したり拡大/縮小できる

多様なモデルを楽しめる

モデルのタイプを変える事もできます。メニューバーから「Model(モデル)」→「van der Waals Shapes(ファンデルワールス型)」を選択すると・・・


丸々としたモデル(「充填モデル」とも呼ばれます)になります!

結果はURLコードで入手できる

このアプリはWEBアプリですが、結果をリンク先や画像のダウンロードで残す事ができます。3Dのまま楽しめるのは前者なので、前者の利用をご紹介します。

作成したモデルは、埋め込みコードやリンクとして入手できます。メニューバーから「Tools(ツール)」→「</>Embed(埋め込み)」をクリックします。

すると、HTMLコードおよびリンク先のURLが表示されます。


今回利用するのは、一番下にあるURL(Embed URL)です。

参考まで、こうして出来た水分子の3DモデルのURL(Embed URL)を以下に貼っておきます。マウスで操作できます!

今では、こうした分子モデルを、WEB上で手軽に確認できるアプリは色々あり、『MolView(モル・ビュー)』もその一つです。このアプリは既存のデータベースやモデル表示アプリを組み合わせたもので、利用することで代表的なアプリに少しずつ触れる事ができる点が妙味となっています。

一旦ここで記事を切ります。次回は「MolView」の機能とGASで表示させる仕組みの概要に触れる予定です。


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