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精油と環境の関係性#11

アロマを楽しむ上で、精油の元となる植物は切っても切れない関係性ともいえます。
しかし、精油を取り出している植物の中でも輸出を制限されているものなども存在しています。

精油と地球環境

アロマテラピーに欠かせない精油は、植物からの大切な恵みともいえます。
精油が得られるまでの過程にも意識を向けると、植物が育つ土壌や大気、水、そこで生活している生き物などのさまざまな自然環境が関わっています。
人間の生活が豊かになる一方で、地球温暖化酸性雨などの環境問題が深刻化してています。
特に地球温暖化は異常気象の頻発や植物の生育環境の悪化につながり、大きな影響を及ぼしています。

精油の原料植物の宝庫であるアフリカや中東地域でも、人口増加、紛争などによる自然破壊が加速してしまっているのが現状です。
それに加え、高値で取引される植物を乱獲されてしまうと、さらに環境への影響も懸念されます。

精油の現状を理解し、環境を守るための手段についても触れていきたいと思います。

精油の原産地が抱えている問題

精油の原料となる植物のうち、高価な香木として使用される以外に建材や家具、楽器の材料として大量伐採され、絶滅の危機にさらされている植物があります。
IUCN(国際自然保護連合)では、絶滅の恐れのある動植物は”絶滅危惧種”として指定していますが、その数は2万種以上にも。。。!
そのため、それらの植物を保護する以外にも、指定されていない植物も守る動きがあります。各国の対策として伐採・輸出に制限をかけたり、プランテーション化したりすることで保護する動きなどがあります。

例えば、日本でも『白檀』という名前で古くから知られているサンダルウッドはお香や仏具、建材にも使われてきた香木です。特にインドのマイソール産のものが香り高く、高級品として世界中の宗教儀式に利用されていました。
現在ではインド政府が保護森林として直接管理して守っています。

特に樹木は成長するのに20年〜100年など長い時間がかかるため、計画的にしなければ植物を守り続けることは難しいのです。
そのため、限りある原料植物を持続可能な形で利用する姿勢は大切です。

代表的な香木の事情など

ここでは保護対象となっている香木の現状について知っているものを3つ紹介します!

サンダルウッド

輸出規制により、インド産の供給は減っています。近年ではインド産の香りとよく似たオーストラリア産の流通が増加しているそうです。

アガーウッド

別名は「沈香樹(じんこうじゅ)」
香木として歴史的に利用されてきましたが、現在は絶滅危惧種として指定されています。
最高級のものは伽羅と呼ばれ、高値で取引されていたことから、大量伐採されてしまっていました。
主な産地はベトナム、インドネシア、インドなど。
現在は各国で植樹活動が活発に行われています。

ローズウッド

香料や建材として人気を集めていましたが、ブラジル政府が1930年代から伐採を規制してきました。こちらも今は絶滅危惧種として指定されている植物です。
現在では許可がないと伐採や移動、輸出ができなくなっており、植樹も積極的に行われていますが、精油を採取できるようになるまで、20年ほどの時間が必要です。
近年では、木を守るため、木部から採取する方法ではなく、枝葉から抽出した精油の開発も進められています。

子どもに伝える「香育」

日本アロマ環境協会(AEAJ)では、精油や精油を取り巻く植物や自然との豊かな共存を目指し、「自然の香りある豊かな環境」を「アロマ環境」と位置付け、様々な環境を行われているそうです。

その中の取り組みのうち、子どもたちに向けた香りの体験授業「香育」が生まれています。
五感の一つの嗅覚に目を向け、人と植物の関わり、自然環境の大切さを伝える場として積極的な活動が行われています。

今後の。。。

香りを楽しむために、自然破壊だけを進めていくのは私自身も本意ではないため、現状の環境、植物の置かれている状況などを理解することができてよかったです。
改めて、精油を活用できる現状に感謝しながら、次世代につながるため、植物を大切に扱っていきたいとより一層感じました。

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