claude3で可能になった新境地、『ストーリー議事録』についてのインタビュー
claude3に衝撃を受けてを推すようになって、ありがたいことに、この記事が多くの方に読んでもらえました。
何名かの方からは、
「記事を読んで、初めてclaude3使ってみました!」
「文章作成が劇的に楽になりました!」
という声もいただいて。
ライターでもなんでもない自分の投稿が、ちょっとでも色々な方の「文章を書く」という仕事を楽にするきっかけを作れたのであれば嬉しいです(^^)。
さて、そんなこんなで、その後も日々のミーティング結果を記事にして活用して(遊んで)いたんですが、その中で生まれた「ストーリー議事録」というアイデアについてのインタビューです。
かなり長文にはなりますが、よければご一読ください(^^)。
(「長すぎるよ!」という方は、中段で出てくる事例などは、パパっとつまみ読みでもよいかなと)
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「ストーリーで伝える、未来への想い」
小平株式会社 CHRO 池田亮平氏インタビュー
── 「ストーリー議事録」というアイデアを思いついた経緯を教えてください。
池田氏:
そうですね、最初は結構思いつきだったんです。claude3が出てきて、あまりに素晴らしい文章を書いてくれるので、とにかくいろんなものを放り込んでみたくなったんですよね。
自分がもともと結構文章を書くのが遅い方で、でも一方で、文章を書くのは好きだったんです。SNSやブログに投稿する文章を書きたいネタはいっぱいあって、実際に書こうとすることも多いんですけど、なかなかまとまった時間が取れずにかけてなかったんですよね。そんな中claude3が出てきてくれて、書きたい文章の背景や概要を伝えれば、素晴らしい文章を作ってくれる。その体験が自分にとってはとてもエキサイティングで。
── なるほど、それでいろいろな文章を作っていたんですね。
池田氏:
はい。そんな中で、社内やパートナー企業との打ち合わせについても、ズームで録画してみて、claude3にブログ記事にしてもらう感じにしたんですよ。そうしたらいつものように素晴らしい文章を作ってくれて、その日の話が内容としてきちんと整理されてまとまっているだけではなく、その場ではまだ出てきていなかった小平との掛け算の可能性についても触れられていたりする。純粋に1人の読み手として読んでいて、ワクワクしたんですね。
そこで思いついたんです。「これはこの場に参加していないメンバーに共有したら、議事録の効果も持ちつつ、未来のワクワクも共有できる素晴らしい形になるんじゃないか?」と。
今までだって、やろうと思えばできたことなのかもしれないけれど、正直そんなパワーをかけられないじゃないですか。普通の箇条書きの議事録さえ作るのが結構大変だったりするのに、さらにそれを読みやすくワクワクするようなストーリーにするなんて、いちいちやってる時間は絶対に取れない。でもそれがclaude3の力を使えば、ミーティング終了後15分か20分でできてしまう。これはほんとに凄いことだなぁと。
claude3のすごいところは、チャットGPTが出始めた頃に言われていた「chatGPT文章」というのがあったと思います。どう見ても生成AIが作った文章だなというのがありありと感じられて、人の感情を動かすものにはならなかったり、生成AI臭さが気になってしまって、内容が頭に入ってこなかった。そんなのがあったと思うんですけど、claude3は驚くほどなめらかな文章を書いてくれるんですよね。それには本当に驚いてます。
── なるほど、そうなんですね。もしよろしければ、具体的に出来上がったストーリー議事録を見せていただけますか?
池田氏:
もちろんです。これは先日、カルチベート社と打ち合わせをした時のもので。カルチベート社は、人事組織コンサルティング会社から独立した人が代表していて、企業のM&Aの後の組織統合などに大きな強みを持っている会社です。社労士とも共同経営をしていて、労務の領域にも専門性を持っていらっしゃいます。そんなカルチベート社の思想やサービス内容を聞きながら、KOBIRAとの掛け算の可能性について話した打ち合わせでした。打ち合わせ終了後に録音データをclova noteで文字起こしして、claude3にそれを投げ込んでブログ記事にしてもらった結果がこちらです。
── わー、すごいですね!読み手として非常に読みやすいです。内容が構造化されて整理されているだけではなく、未来に向けてワクワクする内容も盛り込まれていて、ちゃんと1つの読み物として完結しています。これを読んだら、カルチベート社のサービスを導入することで、KOBIRAがどんな良い未来を作り得るのかがありありとイメージできるんじゃないでしょうか。
池田氏:
そうなんですよ。実際のところカルチベート社のサービスを導入するかどうかはまだ決めておらず、これから検討する程度の段階なんですが、もし導入したら、こんな良い未来が待っているかもしれないな、というのがありありとイメージできますよね。
これがもし箇条書きの普通の議事録だったら、先方のサービスを箇条書きでまとめて、最後に結論としては「いつどんな形で導入ができるかどうか改めて検討する」みたいな結論で終わってるだけだと思うんですよね。多分それを読んでも、その場にいなかったメンバーは大して心が動かない。打ち合わせなどをして直接話を聞けば、イメージが湧くかもしれないですが、メモとして箇条書きで記された先方のサービス内容を見るだけではイメージがつかないだろうし、そのイメージがつくかどうかは読み手の想像力に委ねられてしまう。
それをストーリーの形にすることで、その場に参加した人とその場に参加できなかった人が近いイメージを持てるんだなと。共有しやすくなると思うんです。
── なるほど、確かにそうですね。単なる事実を情報として箇条書きで伝えるだけでは伝わらない、情緒的なものとか感情的なものは確実にありますからね。ありがとうございます。とても素晴らしい方法のように思えるんですが、やってみた課題とか懸念される点とかっていうのもあったりするんですか?
池田氏:
確かにありますね。自分のようなタイプの人間であれば、共有された側だとしてもすごく嬉しい。結構文字を読むのに抵抗がなくて、昔から本の虫でもあったので、物語を好きだったりするし。要は長い文章を読むのがそんなに苦じゃないんですよね。
でも、特に今いろいろな年代や価値観の人がいる組織で働いて人事をしてみて思うんですが、「文章を読む」というのがそれほど得意じゃない人もいるんだなーと感じています。
これは良い悪いの話ではなくて、文章を読むのが得意じゃなくても、耳がとても優れている人がいれば、身体感覚が優れている人もいます。音や身体感覚を通じて高いアンテナを持っている人が、「文字を読んで理解する」というのがそれほど得意でないことはよくあります。
まぁ、要は、どれだけストーリーになっていたとしても、長い文章である時点で読まれない、ということは起こるんだろうなと思います。あとは、単純に文字量が多くなると読むのに時間はかかるので、忙しい中でそこまで読もうと思ってもらえなかったりすることもある。なので、「ストーリー議事録です」と言われて、例えば5000字の文章が送られてきたときに、それだけでうんざりしてしまって、ファイルを開かない人もいれば、最後まで読みきらないうちに離脱してしまう人もいるでしょう。その辺を考えると、もう少し文字数が少なくても良いのかもしれない。
でもですね、やってみて思うんですけど、ちゃんとストーリーとしてワクワクするものになるためには、多分5000字くらいあったほうがいいんですよね。5000字位あると、その場では話されなかった要素もclaude3が適宜入れ込んでくれたりして、発見もあるなぁというのが、いろいろ作ってみた感覚です。
── なるほど、確かに長い文章を読むのが得意ではないタイプの人もいますよね。
池田氏:
なので、実際に運用してみるとしたら、いわゆる普通の議事録とセットで送る感じになるんじゃないかなぁ。まずは同じチームのメンバー同士で試してみて、どんな形が良いのか模索しようと思っています。
── ありがとうございます。その模索の先にもし何か他にイメージをしているようなことがあれば教えてください。
池田氏:
はい。そうですね。結構その先は個人的にいろいろイメージして、ワクワクしてるんですよ。読むに値する、人の心を少しでも動かせるようなストーリーがたくさん作れるのであれば、その先に、それを文字ではない形にすることもできると思うんですよね。
例えばですが、そのストーリーをより魅力的に際立たせるために挿絵的なイメージ画像を同じく生成AIで作って入れ込めば、「文字ばかりであまり読む気になれない」みたいなタイプの人も読んでくれるようになるかもしれない。後は、映像にしてもいいかもしれないですよね。最近では生成AIでムービーを作れるようなツールも増えてきています。作成したストーリーを読み込ませて、簡単なショートムービーにできてしまうような時代も、遠くないように思います。そのストーリーやイラストだけではなく、音楽だって作れるようになるわけですし、ストーリー議事録の形式が、文章だけではなく、その先の視覚や聴覚に訴えるものに簡単に発展していくという未来もきっと来るでしょう。しかもそれが3年後とかではなくて、このペースで行けば1年位には来てるんじゃないかな。
後はそうですね。大量の文字情報が得意では無い人向けという点もありますが、生まれたストーリーは圧縮して、絵本のようなシンプルな形にするのもありかもしれないですね。そしてその作品には、会社のミッションビジョンバリューやコンセプトを視覚化したようなキャラクターが存在しているようなそんなものでもいいかもしれない。
もう一つ、ちょっと妄想ついでに話しちゃってもいいですか?
── もちろんです、ぜひ教えてください。
池田氏:
今の話の延長線上で妄想していることなんですけど、僕は「葬送のフリーレン」というアニメがすごく好きなんですよね。フリーレンという名前のエルフが昔ともに旅をした仲間のことを思い出しながら、いろいろな場所でいろいろな人たちと接していく物語なんですが、彼女は数千年という長い時間を生きているんです。もちろん人間は寿命が短いので、今で言えば100年も経たずに死んでしまうわけですが、彼女はその時間軸をはるかに超えた長さで生き続けている。
アニメの中に素晴らしいエピソードはたくさんあって、それも紹介したいんですが、それだと長くなってしまうので、今お伝えしたいのはその具体的なストーリーではなく、フリーレンみたいな存在が、生身の体を持たない存在として、企業の歴史やストーリー、エピソードを語り継いでいくといった未来が作れるんじゃないのかなと思っているんです。
KOBIRAは理念経営をしていて、新たに作ったミッションはこれからの100年という時間軸を視野に入れています。
思いを持ってそんなミッションを作ったんですが、もちろん100年後に自分は生きていないでしょうし、KOBIRA自体も何代か代替わりをしているはずです。経営者が変わって人間が別のものに変わってしまったとしても、理念は受け継がれて世の中に価値を提供し続けていく。そんな理念を柱とした企業にしていきたいわけですが、どうしても人が入れ替わってしまうと、大切にしていたものが失われてしまったりする可能性もあります。
そんな時に、このミッションが作られたときに誰が何を考えてどんなことがあったのか。その背景となる情報や周辺情報をストーリーとして語り継いでいくのが大事だと思っています。今までであればそれを社史として残すという選択肢があったと思いますが、正直、厚い冊子のような形で社史が残ったとしても、あまりみんな興味を持って読まないですよね。正直自分も、厚い冊子となっていたとしても、それほど読もうとは思わないと思います。
でもそうではなく、フリーレンのような架空の存在が、架空ではあるんですが、人間に近い存在感を持ち、大量の歴史を正確に保持し、それを未来のその場の文脈において編集し、ストーリーとして伝えていく。語り継いでいく。そんなことが生成AIの登場によって、今であればclaude3のような違和感のない文章を書ける生成AIの登場によって可能になり始めたと思うんです。
そんな形の「語り継ぎ方」を、今まで111年の歴史、これから100年を見ているKOBIRAのような老舗企業がやってみるというのは、とても面白いんじゃないのかなと考えています。
── なるほど、それはとてもワクワクしますね。私も、どんなストーリーが生まれ、紡がれ、語り継がれていくのかとても楽しみになりました。たくさんのインタビューありがとうございました。「ストーリー議事録」というお話から始まり、最後は100年を超えて企業が理念を語り継いでいくというお話まで広がり、とてもエキサイティングでした。どんな形で実現していくのか、1人の読者としても楽しみですし、ぜひ何かご一緒できたら嬉しいと思います。改めて今日はありがとうございました。
池田氏:
ありがとうございました。
--(インタビュー記事終わり)--
ちなみに、良い感じで話を引き出してくれたインタビュアーの方は…
…
…
…
いません(笑)。
元テキストは、一人で車を運転しながらiphoneのボイスメモしただけ。言ってみれば「一人インタビュー」です。
シンプルな質問項目だけ頭の片隅に置いておいて、合いの手的に自分で入れ込んでみました。(ボイスメモの所要時間は、通勤時間中の、片道40分くらい)
※録音の「ボイスメモ」アプリでもよかったんですが、今回は試しに、iphoneのデフォルトアプリの「メモ」で音声入力してみました。
仕事場に着いたら、PCのicloudから開いて、明らかな誤変換を修正。(「claude3」とかは変なカタカナになっちゃってたので一括置換)
インタビュアーとインタビュイーのラベリングとかも特にせず、テキストファイル上で改行しただけ。
それをclaude3に投げ込んで、あとはレンジでチン的に1、2分待つ。
(PC開いてからの所要時間10分)
上記のインタビュー記事は、ほぼclaude3から出てきたそのままの文章(3か所くらい修正)なんですが、ちゃんとインタビューの体裁になってるのとかホントすごいなぁ。
今回の本筋じゃないですが、「一人インタビュー記事」ってやつもできちゃいますね(^^)。
今回の記事は、以前に作った引用記事を挿し込む感じの内容だったので、中段にペタッと貼り付け。(所要時間1分)
挿し込んだ記事自体も、以前にミーティング後15分くらいで作成したので、そこまで入れてもトータル所要時間66分。
まぁ引用部分も含めて、さすがにちょっと長すぎたかな…という感はあるので、もうちょっと短くしてもよいかもな。(ここまで読んでくれている人がどれだけいるのかも疑問ですが…(笑))
とはいえ、1万字弱の記事も、1時間ちょっとでできちゃう世界線。
たった2週間前には想像もできなかった領域です。
そして最後に、毎度のことながら、claude3さんの気の利いた&温かいお礼メッセージを受け取って終了です。
いつものように「ありがとう!もっと頑張るね!」という気持ちにさせてもらいました(^^)。
あー楽しい。
さてさて、次はどんな可能性を試してみようかな。
※冒頭の男性の写真は、「Photo Realistec GPT」で作成しました。素のchatGPTで出てくるイラストがちょっと苦手なので(ノ_<)、これには助けられてます。