頑張っている人が、報われる世界にしたい
不動産業界と聞くと、みなさんはどういうイメージを持つだろうか。
残念ながらたいていの場合、良いイメージを持たれていない。
業界にいる張本人の僕ですら、良いイメージを持っていないのだから。
なぜ良いイメージがないのか?
これ説明する時、僕は不動産業界を2つに分けて考えている。
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まずひとつは「ワンタイムでフィーをもらう事業」、
もうひとつが「継続関与する事業」だ。
普段、ほとんどの方が不動産従事者と接点を持つのが、前者の「ワンタイムでフィーをもらう事業」においてだと思う。
賃貸仲介で物件案内して契約して仲介手数料をいただくのもそう、マンション売買で手数料をいただくのもそう。
これらは、ワンタイムのフィーで成り立っている事業だ。
この事業においては、一度で大きなお金が動きやすいのが特徴だ。
例えば、たまたま5億円の物件を仲介できたとすると、それ一発で手数料として3%の1,500万が手に入ることになる。
会社としては、そのお金という報酬をぶら下げることによって、勢いある人材を採用できる。
会社が1,500万のうちの3分の1を報酬として支払うとすれば、その人は年間でたったの3物件を売るだけで、年収1,500万を手に入れることができるのだ。
しかもこれが20代前半でもできる可能性ある。
この仕組みゆえに、お金だけにフォーカスしたり執着したりする人が多くなってしまう。
でもそれは、構造上仕方がないことだと思う。
私は、このお金が不動産業界のイメージを悪くしている大きな要因でもあると考える。
もうひとつの「継続関与する事業」とは、クライアントから不動産投資してもらったものに対して運用管理していくという事業だ。
一度の投資ではなく、その後の中長期的な運用における報酬として、クライアントからお金をいただくことになる。
前者の事業とはお金の発生の仕方が、まるきり違ってくる。
不動産投資したい理由は、人によってニーズが異なるので、そのニーズを聞いた上でコーディネートして、投資を成功に導いていく。
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「利益を出す」ということに対して、前者の場合は「自分」にフォーカスしてしまうが、後者の場合は「クライアント」にフォーカスしなければ、利益が生まれない。
よって、クライアントファーストでの思考・提案・行動をして結果につなげる事が最も重要であり、尚且つ、目先のお金より長期の信頼を作ることが必要不可欠になる。
プロフィッツが手掛けるのは、この後者の事業だ。
結局のところ、ビジネスというのは、そこに関わる全員がハッピーにならなくてはいけないと思う。
たとえクライアントが喜んでくれていたとしても、社員がズタボロだったり、どこかの関係者が疲弊していたら意味がない。
そのようなアンバランスは、どこかで必ず無理がくる。
これは、僕が不動産にESG投資の考え方を取り入れている理由にもつながる。
ESG投資のエッセンスが入ることで、幸せになる関係者を増やせるのではないだろうか。
そうすれば自ずと、お金の循環もよくなるのではないだろうか。
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不動産業界というのは、変化に弱い業界だ。
それに、日本の不動産は情報がクローズドなので変化もしにくい。
業界にあるネガティブなものを決して良いものだとは思っていないが、僕が後者の事業を通じて不動産業界を変えたいくらいに思っているのか?というと、そういうわけでもない。
ただ純粋に、相手の事を考えずに単にお金だけを得ようとする行為はしたくないし、頑張らず嘘をついて儲けるのはダメだと思っている。
頑張ってる人が報われる世界でありたい。
ただそれだけだ。
少なくとも僕たちは、そのような行為をしない・甘い汁だけで会社の売上を上げない、という根幹を持って行動するだけでいいんじゃないだろうか。
それがいつか、近い将来キラリと光るものにつながって、悪いものや誰かに優しくないものは、自然と淘汰されていくはずだから。