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大きな画① ―中国の金融と不動産向け融資をめぐって―

はじめに

クリティカルに重要ですが地味な内容ですので、通常の記事のように単体でSNSで告知せず、このnoteは最初から有料マガジンに組み込みます。以下は、今後一連のnoteをやがて著書に収録することがあれば、その根幹を成す理論的なパートになります。その第一弾です。
タイトルについて少し補足しますと、話の主眼は金利をめぐる金融政策ではなく、政府による対銀行政策ということになります。

今回の施策の概要

中国人民銀行(中央銀行)毎月20日にLPR(ローンプライムレート, 最優遇貸出金利)を発表しています。2月の発表で、事実上の政策金利としている最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)を引き続き据え置きました。これと併せて景気回復を支えるために市中銀行への資金供給の拡充に注力し、市場に出回る中期的な資金を2月に1990億元(約3兆9000億円)増やすことを表明しています。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2014V0Q3A220C2000000/

その分析

これ以上政策金利を下げても、不動産市場の崩壊で市中銀行は二の足を踏んでしまっており、住宅開発会社に融資が回らないという判断です(半年続きの判断の据え置き)。すでに1月から、マンションの販売不振地域において下限を下回る金利で1軒目の住宅ローンを貸し出すことを認めています(下記日経記事参照、導入は22年9月だったが臨時の措置で、1月より恒久化された)。

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