「団派」もしくは胡春華副首相の排除の果てに…
表に出てきた御仁が、この方です。前途多難は眼に見えています。noteの前々稿「さらに深まった危機」と併せてお読みください。
私も滅多なことでは呆れることはないのですが、今回 久々に呆れたので、事実のとおりか主観の少ない形でまず要約します。
・ 近く副首相に就き、2023年3月の首相就任に向けて急ぎ準備を進める。
・ 中央政府での勤務経験が、乏しいのではなく皆無。これまで首相の専管事項であったマクロ経済運営の手腕は未知数。
・ 学歴は浙江省の地元の農業大学の分校のみ。省政府での専門は農民の救済事業で、浙江省温州市のトップに就いたところで、02年に省のトップ(党の省委員会書紀)として赴任した習近平氏に邂逅して秘書長として仕え、個人的な信任を得た。
・ そこから間があいたものの、習氏が党トップに就いてからは江蘇省や上海市のトップを務めるというトントン拍子の出世。中央の方針のとおりに上海でロックダウン政策を進めて手こずり、しくじるものの、習主席から見た経歴には傷が付かず、今月からは最高指導部入り(党内No.2の政治局常務委員)。
・ 現首相の李克強氏も前首相の温家宝氏も、首相に就くまでに前の党大会から5年もの間 副首相を経験して準備していた。
今回の党大会で完全に天下を取った「習派」というものが、その実どれほど人材が薄いか、いかに主席との人間関係だけで動いているのかが、よく分かるというものです。
上海市党書紀→党中央の政治局常務委員 という李氏の経歴は、まさに習主席自身が歩んだ出世コースであり、相当早い段階から、三期めの政権の女房役として彼に首相を任せることを決めていたことがうかがえます。
今回の指導部人事で一掃された、団派(共産主義青年団系: 過去20年間、主席か首相のいずれかを務めてきた、革命貴族(本書p.51)の出身でない官僚層)の本音を当方で代弁するならば、「あなた方で国家の統治や経済運営ができるのか、やれるものならやってご覧なさい」ということだっと思います。
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