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直接にはpp.24-25のスリランカの港湾租借の話の続編なのですが、そこから読み取れるものは中国経済の悪化に伴い、これまでのように気前よく発展途上国にインフラ開発援助をバラ撒くことができなくなった中国の苦境です。これまた五十代以上の方には既視感のある展開で、日本でいえば国内の不動産バブルが続かなくなって、直接投資に基づいたアメリカを主体とする海外の不動産と企業の取得が退潮に転じた局面ですね。いよいよ危ない。記事のポイントは、以下です。

・ 新興国向け融資の焦げつきが増えて、中国は新規貸し出しに慎重になり、20年の貸出額は18年の4割に急減。もはや中国マネーに昔日の勢いはない。

20年の融資は18年比で58%減、21年も横ばい

・ 中国の外貨準備は今年8月末で3.1兆ドルもあり、一見すると潤沢だが、実情は途上国向け融資などですぐには動かせないお金が多く、今後も焦げつきが進めば外貨不足の危機も
・ スリランカ南部のハンバントタ港の北20kmにあるラジャパクサ国際空港(追われた元大統領一族の地盤)には現在は定期旅客便が乗り入れておらず「世界一ガラガラの空港」と呼ばれている。利用者数は多くても1日30人という(この話は、中国の辺地に引いた新幹線の駅や、1日の乗降客が十数人だとか、ラオスに引いた新幹線で乗客がいないものだからやむなく貨物を運んでいるという話に通じる、「過剰開発」の問題)。
・ 今後中国からロシアへの融資が不良債権すれば、中国は低所得国への新規融資停止や債権回収で埋め合わせを図る可能性あり
高利貸し国家による「貸し剥がし」となれば、これまた日本バブルの国内金融で既視感のある展開です


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