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不動産開発大手と四大銀行の危機(p.93,200)
本書中に、危機の引き金を引く「時限爆弾」(p.94)として挙げた③と④(p.197)の関連になりますが、不動産開発会社に対する住宅購入者による新手の対抗の手法が広まってきました。そもそも、
・ 21年末時点で契約通り引き渡しができていない問題物件の面積が、マンション取引面積の10%を占める。
という背景の下で、
・ 工事が停止していることに抗議するために、未完成のマンションの購入者が、住宅ローンの返済を拒否する動きが各地で相次いでいる。
・ 銀行の貸出残高の2割を占める住宅ローン(p.201)が焦げ付いて、不良債権リスクが高まりかねない。
という状況になっています。
国有大手銀行は、問題物件に関する不良債権の比率は現状でとるに足らないとしていますが、今後の事態の広がり次第です。支払いの拒否は不動産開発会社の資金繰りをさらに悪化させ、上記の時限爆弾の炸裂の刻限を早めることになります。
p.196に記した21年夏以降の、地方政府による値下げ制限令は、不動産開発会社による需要に見合った値下げを妨げたことで、やはり不動産会社の資金繰りを悪化させたとのことです。
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