宇宙猫がヒトになるまでのお話~導入編~
ある晩のこと、そろそろ寝るかと布団に潜り込んだ時のことだ。
川の字の真ん中で寝る、8歳になる息子が急にこんなことを言い出した。
「ボク、昔は猫だったんだよ」
ん? そっかそっか、猫だったのか。
どんな猫だったの?
「ただの猫じゃないよ。宇宙猫だったんだよ」
宇宙猫! それは只者じゃないなぁ。
宇宙にも猫っているんだ?
「うん、宇宙人に飼われてたの」
宇宙人に飼われてた!?
「そうそう。それでね、クジラや、ジンベイザメだったこともあるんだよ」
(おおう、クジラとサメか・・・この流れはもしかして、今話題の『胎内記憶』のことが聞けるかも?)
そうかぁ、クジラかぁ。それじゃぁ、今のお母さんから生まれる時の事も覚えてる?
「うん、覚えてるよ。神様から『このお母さんから生まれてくれない?』ってお願いされたんだよ」
な、なんだって~~~~!?
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これは、何の変哲もないサラリーマンと、ちょっと不思議な息子と妻との会話を記録する備忘録を兼ねた物語である。