一つ前のつぶやきと関係するが、それまでは普通に報じられていたことが突如として「ロシアのプロパガンダ」扱いされるようになるという『1984』的な事態が日本の言論空間に起こっている。
この👆地図が騙し目的であるとこは見え見えで、ウクライナが二つ(あるいは三つ)の地域に大別されることはそれまでの常識だった。
👇はNYTが"Ukraine Protest 2014: The Divide, Explained"で示した2010年の選挙結果。
👇は旧ソ連時代からの専門家・下斗米伸夫。
この分裂は各地域の歴史的経緯の違いを反映している。
ソ連崩壊・ウクライナ独立時の領域は、
ロシア帝国がクリム・ハン国やオスマン帝国から奪取して内地化したノヴォロシア(≒👆の桃色)
ロシア帝国がポーランドから「解放」した旧西ルーシ(≒👆の黄色と黄緑色)
ソ連が第二次大戦前後に併合したガリツィアなど(≒👆のオリーブ色)
フルシチョフが1954年にロシア共和国から移管したクリミア半島
で、ウクライナの本体(歴史的領域)と言えるのは2だけである。ノヴォロシアとクリミアはレーニンとフルシチョフによってロシアからウクライナに「転籍」させられた、つまり「本籍」はロシアなので、今日でもロシア文化圏で親ロシア的な住民が多い。反対に、ロシア帝国によるルーシ再統一に含まれなかったガリツィアは嫌ロシアの気風が強く、2014年のマイダン・クーデターではウクライナの純化(ロシア的要素の根絶)を目指すこの地の過激民族主義者・極右勢力が「大活躍」した。
👇はマイダン・クーデターのドキュメンタリー"Ukraine Burning"より。スヴォボダと右派セクターは有力な極右団体。
反政府勢力が占拠した市庁舎に掲げられたバンデラ。
キエフの狂乱👇。
極右勢力は今日でも政府・軍と親密な関係にある。
補足①
3/13のインタビューでオデッサを獲得する意思を示している。
補足②
フランスの専門家による『新版 地図で見るロシアハンドブック』より。
その通りになった。