転職市場の常識は変わる。ソーシャルなスタートアップでの勤務経験が、大手企業はじめ多くの企業から高く評価される理由
ソーシャルグッド・キャリア研究所を主宰している、プロビティ・グローバルサーチ株式会社の高藤(たかとう)です。
「ソーシャルグッド転職」に特化した転職エージェントを経営しており、これまで多くの「仕事を通して社会貢献を実感したい」という方のキャリアと向き合ってきました。
「大企業や官公庁などでは、なかなか自分が思うような社会的な仕事ができない。だからと言ってスタートアップに行っても、その会社の事業が上手くいかなかったらどうなるのだろう。やはり不安定になるし。」
そう考えている方とも多くお会いしてきました。
そのような皆様にお伝えさせて頂きたいです。
「安心してください。大丈夫ですから」
当然ながら、「所属組織(存続)の安定性」という意味では、やはり大企業や官公庁、自治体などは非常に安定していると思います。
一方で、「キャリアの安定性」という部分では、スタートアップに転身したほうが安定性が増す (employability 、雇用される能力が上がる)という部分あり、近年はその側面が急激に増している事を感じています。
実際に、何が起こっているかをご説明します。
今年に入ってからも、クックパッドの人員削減をはじめ、表にはあまり情報として出てはいませんが、知名度の高いソーシャル系スタートアップの複数社にて人員削減の動きがありました。
私もそうした方々のキャリアのご相談に乗っていたのですが、結果として皆さん、とても良い形でのご転職を実現されています。
なので、もう一度言わせて下さい。
「安心してください。大丈夫ですから」
実際にクックパッドで人員削減があった際には、転職市場でもクックパッドの方を対象とした争奪戦が繰り広げられるほどに、高い評価を受けていました。
当社にてキャリアのご支援をしていた方々も、スタートアップや大企業から複数の内定を獲得されていました。
(この記事では「スタートアップ」の定義はシードから上場後まで広く取っています。JTCではなく新興企業という文脈で読んでいただけましたら幸いです)
このような方々が、業績不振の人員整理で退職する事になっても、転職市場で高く評価されていた部分は以下だと考えています。
仕事に対する熱意がある
スピード感がある
変化に対して前向き
挑戦心がある
受け身ではなく、自分で考えて仕事を作り出せる
前例がない事でも積極的に取り組める前向きさと柔軟性がある
若くてもマネージメント経験があったり、経営に近い視点で事業を考えたりなどビジネスにおける視座が高い事が多い
社会をより良くしたいという思いを持ち、自分だけが良ければよい、という考えではなく協調型の思考スタイルである (←心理的安全性といった組織開発上のトレンドともリンク)
こうした部分が評価されて、たとえ「業績不振のための人員削減」という状況でも、良い形で次の場所を見つけているのです。
もちろん、大企業においてもこうした素質を持っている方はいらっしゃると思います。
ただ、どうしても大企業は不確実性が少ない環境です(正解がない中で前に進むスタートアップと比較して。事業が出来上がっていてオペレーション要素が高く、安定して雇用の継続と高い給与は期待できる)。
特に頑張らなくても多くの人は問題なく毎日を過ごす事が出来ますし、そのような毎日が続くと省エネ志向になってしまい熱量を保つのが大変だったりします。
ソーシャルスタートアップでは、仕事の社会的意義を日々感じながら、会社の存続の危機という崖っぷちに立ちながら、同じように熱意ある仲間と事業に取り組んでいきます。情熱の心の火を消す事無く、仕事という筋トレを毎日負荷を高めに続けていって、気が付いたらビジネスパーソンとしてビジネス筋肉がムキムキになっていた、という方も多くいらっしゃいます。
先日の「ソーシャルグッド・キャリア研究所 キックオフイベント」にて、ゲストで登壇されたライフイズテックに勤務する増田さんが "思いを持っている人と一緒に激しく世の中を変えていく" と表現されていたのが、まさにそのような環境だと思います。
成長のためには打席に立つ回数が重要、という話もありますが、まさに毎日のように打席に立てる環境です。
そこで身に着けたビジネス能力や仕事への姿勢を、高く評価されているのです。
そしてキャリアの行先としては、先ほども記載しましたように同じようなスタートアップはもちろん、最近は大企業に行かれる方も増えています。特に新規事業開発部門でのニーズが高いようです。
スタートアップにて実際に事業を立ち上げてきた、または大きくしようと努力してきたご経験を、大企業の新規事業で発揮してもらいたい。大企業にはそのようなベンチャーマインドの人材がいないので、というニーズが背景にあります。
冒頭に大企業は「組織の安定性」はあると書きました。
一方で「キャリアの安定性」という部分では、大企業といえども以前よりはそれを享受する事が難しくなってきていると感じています。
大企業における早期退職も増えてきています。
また、50歳すぎでの定年退職に伴う大幅な年収引き下げでその後のキャリアに悩む方も急増しています。
まだ子供が高校や大学に通っているので、年収を大きく下げられない。転職する必要があるが、大企業1社経験だと書類審査も通らず、なかなか転職が上手くいかない。
そのような方が多くいらっしゃいます。
私自身も転職エージェントを20年以上やっているのですが、近年は本当に、大企業にいるからキャリアは安泰、と言えなくなっている事を感じます。
「いかに定年まで平穏に勤めるか」ではなく、「いかに自分の心が求めるキャリア選択をしていくのか」という部分にフォーカスする事が、こうした時代を乗り切るヒントになるような気がしています。(「自立したキャリア」ではなく、「キャリア観の自立」と当社では言っています)
その意味で、ソーシャルなスタートアップに転職した方々は、自分が本当にやりたいと思う仕事に就き、そこで思いっきり仕事に打ち込み、成長し、成果を出し、それを持って次の転職先も見つけやすくなる、
という「キャリアの安定性」を手に入れています。
30代の頃にソーシャルなスタートアップに転職し、そこで思い切り仕事をして40代で会社が事業不振となり、複数の大企業やスタートアップからのオファーを受ける方もいれば、
そのまま大企業一社で40代を迎え、転職経験がなく他社で活かせるスキルも見出しにくいと書類が通らない方も沢山いて、
これまでのキャリア観(大手なら安泰)が急速に変化している事を実感しています。
もちろん、大企業において仕事にやりがいを持ち、そのフィールドで楽しく仕事をしている方であれば全く問題はありません。
今は大企業にいるけど、本当はもっと社会に役立つ仕事を、手触り感を感じられる場所でやりたい、でもキャリアが不安定になるし、、とお考えの方がいるのだとしたら、思っているほど今の状況も安定している訳でもないですし、チャレンジした先もそこまで怖いものではないですよ、という事をお伝え出来たらと思います。
人や社会は、いまよりも、もっとよくできる。
あなたの思いとスキルで、もっと未来は変えられる。
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