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ソーシャルグッド転職の落とし穴はここ!「ビジョン」を重視した転職がうまくいかない理由

社会貢献性を大切にした転職活動をする中で、企業が掲げるビジョンにひかれて転職する人も増えてきています。

そんな中、かなりの割合で

「ビジョンにひかれて転職したけれども、合わなかったのでまだ入社して数か月だけど転職したい」

「次はしっかりと見極めたいので高藤さんに相談しに来ました」というご相談を受ける事があります。

一体、ソーシャルグッドな転職市場で何が起きているのでしょうか。


目次

  1. 「想い」を重視する転職の難しさ

  2. 頻発中!「ビジョン」「共感」を重視しすぎて起こるミスマッチ

  3. 「世界観」を把握する方法

「想い」を重視する転職の難しさ

仕事に求めるものは、人それぞれです。

給与など条件を重要視する方は、条件が満たされていればよいのでこうした悩みは持たないでしょう。

報酬などの条件だけでなく、「想い」も重視したい方にとっては、会社選びはもっと複雑で、難しくなるのです。

・・

頻発中!「ビジョン」「共感」を重視しすぎて起こるミスマッチ


「想い」や「共感」、「ビジョン」といったものを重視したい場合は、どのように転職先を選べばよいのでしょうか。

「新しい教育を提供したい」
「地域格差を解消したい」

などなど、世の中の「こういう未来を作りたい」という「ビジョン」を打ち出して、採用活動をしている会社はたくさんあり、その「ビジョン」に「共感」して、転職される方もたくさんいらっしゃいます。

しかし、そうした「ビジョン」に共感しての転職が、実際には「合わなかった」と早期退職につながる事例が増えています。

決して、ビジョンをマッチングする事が悪いとは思っていません。

ただ、ビジョン「だけ」では不十分という事なのです。

私が企業と人材をマッチングするさいには、企業を選ぶ際に大切な項目として、ビジョンに加えて「世界観」を掲げています。

ビジョンは「実現したい未来の姿」だとします。

例えば教育だと 
「子供たちがより、創造性を発揮するような社会に」とか

医療系だと
「日本の医療費問題が解決する社会を」

地域系では
「都市との情報や機会格差の縮小」
「地域の活性化」

などなど。

私たちが多くのソーシャルスタートアップと接していて気づいたことは、同じようなビジョン を掲げていてもその

・達成方法
・あり方 、大切にしている事 (be-ing)


は会社によってかなり異なり、それに伴って会社の雰囲気やフィットする人材タイプも大きく異なるという事でした。

会社が大切にしている価値観やあり方を、私たちは「世界観」と呼んでいます。
ゴールやビジョンに向かっていく手法も、その「世界観」によってアプローチも変わってきます。

例えば教育系の会社でも

A)老舗の企業で意思決定や会社の組織が官僚的。動きもゆっくりめの会社

B)戦略コンサル出身の方も多く、知的体育会系でとにかくスピード重視、キレッキレの頭脳があり他者への共感度が少し低めの会社

C)多様なバックグラウンドのメンバーが熱い思いをもって一丸となっている会社

などなど、会社によって実に様々な「世界観」があるのです。

それぞれの「世界観」によって、ビジョンに向かっていく戦略の立て方も、スピード感も、社内でよいとされる行動規範や評価軸も異なってきます。

「転職を失敗しました … 」と相談に来られる方は、ご自身の持つ「世界観」と会社の「世界観」の不一致で悩まれるケースが一番多いのです。


例えば調和を大切にする方がBの会社に入社すると、競争や合理性が時には人権より重視される環境だったりもするので心が折れそうになってしまいます。

または、頭脳明晰でキレッキレ・スピード感も抜群な方がAの会社に入社したら、よほどの成熟した性格がないと社内で浮きまくって、会社へ不満をもってすぐにやめてしまう形になります。

このように、「ビジョン」のもっと奥にある「世界観」は、よい転職のためには欠かせないものなのです。

近年は多くの人が、ソーシャルグッドやエシカル、サステナビリティという言葉を使うようになりました。
(これは私自身、常に自省が必要な論点かと思っています、、)

「対外的にはソーシャルな事をアピールしているから社長もよい人かと思っていたものの、実際に入社してみたら社長は自己顕示欲のためにソーシャルというワードを使っていただけで、他の役員も保身や足の引っ張り合いでギスギスして雰囲気が本当に悪いです」

「ただのファッションSDGsで、株主へ対するアピールだけしか経営陣は考えていないので、本質的な取り組みが出来ません」

このような相談は、これまでたくさん受けてきました。

ソーシャルグッドな転職をしたい、と思ったときに、条件面だけのマッチングだと不十分なのはもちろん、ビジョンを見るのでもまだ、足りていないという事はご理解いただけましたでしょうか。

「世界観」を把握する方法

ではどうやって、世界観を把握していくのか?

当社のようなエージェントを使っていただくのは一つですし、
あとは面接の中で経営陣や一緒に働く予定の方との会話を重ねられるのが一番だと思います。

彼らが何を大切にしているのか、ソーシャルグッドな視点とビジネスの両立をどのようにかなえようとしているのか、どうしてこの会社に入社したのか、仕事のやりがいは何か、などを聞いてみるとよいと思います。

エピソードもヒントになりますが、ちょっとした言葉遣い、使っている単語でも世界観が分かる事があります。
(他責傾向の言葉か、調和的な言葉か、など。例えば取引先企業の事を「業者」という会社と「パートナー企業」という会社でも、世界観が異なります)

こうした対話を重ねて、しっくりくるかどうかをぜひ、じっくり判断してみてください。

ご自身の世界観に、フィットする会社であれば、自然体でのびのびと仕事ができます。のびのび仕事ができると、おのずから卓越した成果を出せるようになります。

自分も楽しく、社会をよくする仕事に出会える方が一人でも増えますように。


人や社会は、いまよりも、もっとよくできる。
あなたの思いとスキルで、もっと未来は変えられる。

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